日記抄(3月26日~4月1日)

4月1日(土)雨が降ったりやんだり

 3月26日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
3月26日
 横浜駅西口のムービル2で『チア・ダン』を見る。福井県の高校のチア・ダンス部が顧問の教師の熱心な指導に戸惑ったり、反発したり、部が解散することになりそうな危機に出会ったりしながら、全米選手権で1位をとるまでを描く。実話に基づく作品だというが、それでかえって遠慮が生まれてしまったのか、教師にしても、生徒にしても、性格や背後の事情についての描写が浅くなっているように思われる。映画の中に登場する川が、福井市内の川に見えないと思っていたら、最後に出てきたタイトルで新潟市内でロケをしたということが分かり、何かがっかりした。

3月27日
 病院に診察を受けに出かける。X線写真と心電図をとる。

 神保町のすずらん通りの檜画廊で山崎優子えほんしごとと絵しごと展『こどものせかいとポンポロッコの森Ⅱ』を見る。神保町シアターで入場券を買って、まだ時間があったのでキッチン南海でカツカレーを食べる。ここは有名な店だが、これまで入ったことはなかった。その後、東方書店を覗いたら、尾崎雄二郎先生の論文集が並んでいたので、そのうち手に入れようと思う。文房堂で白人のカップルが何やら話していたのだが、何語を話していたのか、まったくわからず。

 神保町シアターで『愛の渇き』を見る。三島由紀夫の原作を監督の蔵原惟繕と助監督の藤田繁夫(のちの敏八であろう)が脚色、あとで原作を立ち読みした(三島は苦手なのである)が、比較的原作に忠実な映画化ではないかと思う。戦後、実業界から引退して阪急沿線(原作では豊中市)に隠棲している実業家は死んだ次男の妻(浅丘ルリ子)を愛人として暮らしているが、その妻は使用人の青年に興味をもっている。主人方の女性と使用人の間に愛情が芽生えるということになると、ロレンスの『チャタレー卿夫人の恋人』が思い浮かぶのだが、ここでは愛情らしいものは生まれないまま、物語はすれ違いで進む。あるいは三島は、ロレンスに対する批判としてこの作品を書いたのかと考えたりした。
 さらに渋谷まで出て、映画のはしごをしようかとも思ったが、体力が続かず。

 NHK「ラジオ英会話」は月末恒例のSpecial WeekでO.Henryの”The Last Leaf"をラジオドラマ化して放送している。この作品は子どものころから知っているのだが、一度も本格的に読んだことがなく、今回の放送を聞いて初めて気づいたことが少なくない。
In a little district west of Washington Square the treets have run crazy and broken themselves into small strips called "places".
(ワシントン広場の西にある小さな区域では通りがでたらめに走りつつ自らを分断しては”プレイス”と呼ばれる細長いエリアをいくつも作っていた。)
 Washington Squareというヘンリー・ジェイムズの小説があって、オリヴィア・デ・ハヴィランド主演で映画化され、オリヴィアがアカデミー主演女優賞をとった。日本では『女相続人』という題名で公開されている。大学の英語の授業で原作小説を読まされた記憶がある。その時の先生は、貴志哲雄さんであった。
 ワシントン広場の西の地域は、グリニッジ・ビレッジと呼ばれ、貧乏な芸術家たちのコロニーができていたのだが、画家を目指すスーとジョンジーという2人の若い女性が意気投合して、共同生活を送っていた。ところがジョンジーが肺炎にかかり、回復の見込みは10に1つしかないと医師に言われる。

3月28日
 「最後の一葉」の第2回。ベッドに横たわっているジョンジーは、窓の外の庭の先の煉瓦の建物を這い上がっている古いツタの葉の数を数えていた。数えきれないほどあった葉が、どんどん落ちてゆく。彼女は
Leaves. On the ivy vine. When the last one falls I must go, too.I've known that for three days. Didn't the doctor tell you?
(葉よ。ツタの。最後のが落ちた時に私も行く。もう3日前からわかってた。先生、そう言ってなかった?)
という。スーはジョンジーを励まそうとするが、ジョンジーは生きる意欲をなくしている。スーはやっとのことでジョンジーを寝かしつけ、世捨て人の鉱夫のモデルをやってもらっている階下のバーマン老人のところに出かける。

 NHKラジオ「まいにちフランス語」の時間の「話してみましょう!」のコーナーで、英語の歌My Wayのもとの歌がフランス語の であるという話題が出てきた。
C'est-à-dire que la chanson anglaise est une adaptation dela chanson francaise. C'est ça?
(つまり英語の歌はフランス語の歌の翻案だということですね。そうですね?)
 My Wayではプレスリーが歌ったものが印象的だったという話だったが、私が思い出すのは江川卓氏と交換でタイガースに移籍した小林繁投手のファンが開いた励ます会で、小林投手が歌ったものである。

3月29日
 「最後の一葉」の第3回。スーとジョンジーの階下に住むバーマン老人は、40年の間ほとんど絵を描いたことがない芸術の失敗者で、プロのモデルに払う金がないような画家たちのモデルになってわずかな金を稼いでいたが、2人に対しては優しかった。スーからジョンジーの話を聞いたバーマンは、軽蔑と揶揄の言葉でわめきたてた。
Some day I vill baint a masterpiece, and ve shall all go away.
(いつか俺が傑作を描いて、そしたら皆でここを出よう!)
 willをvill、paintをbaint,weをveと発音しているのは、ドイツなまりだと説明されていたが、バーマンというのはユダヤ系の名前なので、イディッシュ語に引きずられているのかもしれない。
 昨年7月のこの番組で放送された同じO.Henryの”Witches' Loaves"(魔女のパン)に登場する建築製図士もドイツなまりの英語を話していた。19世紀のアメリカ大陸には、貧困から脱出しようと、あるいは圧政から逃れようと多くのドイツ人が渡来、ドイツ系のコロニーがたくさんあり、ドイツ語で教育する学校も開かれていた。ところが第一次世界大戦でドイツが敵国になると、それらの学校は閉鎖されたという歴史的な経緯がある。

 黒田龍之助『その他の外国語 エトセトラ』(ちくま文庫)を読み終える。

3月30日
 「最後の一葉」の第4回。壁のツタの葉は1枚だけになってしまったが、嵐と北風にもかかわらず、その1枚がそのまま残っていたので、ジョンジーは生きる希望をとりもどす。そしてどんどん回復していくが、逆にバーマンの方が肺炎で入院したという。起き上がることができるようになったジョンジーに、スーはバーマンが死んだこと、あらしの夜に雨に打たれながら最後のツタの葉を描いていたことを知らせる。
Ah, darling, it's Behrman's masterpiece -- he painted it there the night that the last leaf fell.
(ああ、あれこそ、バーマンさんの傑作なの――最後の葉が落ちた夜に、あの人が描いたものなの」

 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote ... Unquote"のコーナーで紹介された言葉は:
Great things are done when men and mountains meet.
        ――William Blake (English poet and painter, 1757 -1827)
(人と山が出会うとき、偉大なことがなされる。)
意味不明な言葉で、そこがブレイクらしいと言えばいえる。壽岳文章訳のダンテ『神曲』にはブレイクの挿絵が使われているので、関心のある方はご覧ください。

 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編は”Fromage ou dessert? (1)  Comment terminer un repas en beauté"(チーズ、それともデザート? (1)食事における有終の美)というテーマを取り上げた。食事の最後に
《Fromage ou dessert?》 Pour une grande partie des convives, on ne fera pas de choix. Ce sera fromage ET dessert.
(「チーズ、それともデザート?」。ほとんどの人にとって、それは選択するものではない。チーズ、それと、デザートになるからだ。)
 私は甘いものをとらないので、チーズだけでいい。

3月31日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編の続き(最終回)。
Quant au dessert, tout le monde aime la petite touche sucrée qui vient conclure le repas.
デザートといえば、だれもが、食事の結論となるちょっとした甘いものが好きだ。
 ということは私は例外になるかもしれない。健康上の理由もあるが、甘いものはとらないのである。

4月1日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”Bravery"(勇敢さ)を話題として取り上げた。ある人間が勇敢な行動をするとき、脳でどんなことが起きているか、そしてホルモンにどんなことが起きているかが科学的に解明されてきたという。
Faced with a sudden desperate situation, the brain stimulates production of adrenalin.
(絶体絶命の状況に直面すると、脳はアドレナリンの分泌につながる刺激を出す。)
アドレナリンは行動に備えて、心拍数を挙げたり血糖値を上げたりして体に準備をさせるホルモンで、扁桃体と影響しあっているが、この扁桃体は脳の中にある器官で、決定を下したり、恐怖や不安といった感情を処理したりしている。人によっては恐怖で行動ができなくなるが、恐怖を克服できる人もいる。訓練によって勇敢さを身に着けることもできる、その例としては消防士や飛行機の客室乗務員が挙げられるという。
 4月から英語の番組編成が変わって、この番組がなくなるのは残念である。あと1回残されている放送をしっかり聴くことにしよう。

 森茂暁『足利尊氏』(角川選書)を読み終える。 

2017年の2017を目指して(3)

3月31日(金)曇り、昼頃から雨

 3月の行動範囲は神奈川県内と東京都内に留まった。市区町村レベルでも新しく足跡を記したところはない。
 新たに都営地下鉄・三田線を利用した。また上大岡、坂東橋、新横浜、反町、御成門の各駅を今年になって初めて利用した。
 バスの路線では神奈川中央交通の<横44>を今年になって初めて利用し、新たに2つの停留所を利用した。〔59+10=69〕

 このブログを含めて31件のブログ記事を投稿した。内訳は未分類1(7)、日記5(16)、読書11(29)、『太平記』4(12)、ダンテ・アリギエリ『神曲』5(13)、歴史・地理1(3)、外国語2(2)、映画0(2)、詩1(3)、推理小説1(3)ということである。10(18)件のコメント、622(1923)拍の拍手、1(3)件の拍手コメントを頂いた。〔69+42=111〕

 8冊の本を買い、6冊を読み終えた。読み終えた本は:アリ・ブランドン『書店猫ハムレットの休日』、ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか?(下) 権力・繁栄・貧困の起源』、神田千里『シリーズ<本と日本史>④ 宣教師と太平記』、天野郁夫『帝国大学――近代日本のエリート育成装置』、今野真二『北原白秋 言葉の魔術師』、黒田龍之助『その他の害古国語エトセトラ』
 読んだ本が6冊に留まったというのは例になく少ない。4月からもっと頑張ることにしよう。〔22+6=28〕

 NHKラジオ英会話の時間を23回分、「攻略!英語リスニング」の時間を8回分、『実践ビジネス英語』を15回分聴いている。1月からの通算はそれぞれ、60回、24回、36回である。「入門ビジネス英語」と「ワンポイント・ニュースで英会話」の時間も聴いているが、前者は再放送であるため、後者は同じニュースが再放送されることがあるため、計算に入れていない。またNHKラジオ「まいにちフランス語」初級編を13回分、応用編を10回分、「まいにちイタリア語」入門編を13回分、応用編を10回分聴いている。1月からの通算は、36回、24回、35回、24回である。〔147+92=239〕

 見た映画は2本である。3月26日に横浜駅西口ムービルで『チア・ダン』を、27日に神保町シアターで『愛の渇き』を見た。1月からの通算では3館で7本の映画を見たことになる。2月、3月と映画を見るのがおろそかになったので、4月からは数を増やしていこうと思う。
〔8+2=10〕

 J2第3節の横浜FC1-0ザスパ草津群馬戦と、第5節の横浜FC0-2徳島ヴォルティス戦の2試合を観戦している。1月からの通算では2競技場で7試合を観戦していることになる。4月からはシーガルズの試合、あるいはYSCCの試合もできるだけ見るようにして、数を伸ばしていこうと考えている。〔7+2=9〕

 A4のノートを3冊、A5のノートを2冊、0.5ミリのボールペン芯を1本、0.4ミリのボールペン芯を1本、テキストサーファー(黄)を1本使いきった。

 3月に入ってからは、富士山が見えなくなった(1月からの通算で、見えたのは11日である)。アルコール類を口にしなかったのは9日で1月からの通算では18日ということになる。
 月の初めには、花粉症に加えて風邪を引き、かなり苦しめられた。また、税務署に確定申告、お寺に墓参りに出かけた。グリーンジャンボの4等が1枚当たった。510回からずっとミニtotoを買っているのだが、一向に当たらない。

日記抄(3月19日~25日)

3月25日(土)晴れのち曇り、肌寒かった

 3月19日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
3月19日
 吉野家で鼻にピアスをしたりしている3人連れの白人の向かい側に座る。ビールを飲み、牛丼を食べ、ドイツ語を話していた。

 岐阜長良川競技場で行われたJ2第4節の試合で横浜FCはFC岐阜に2-1で逆転勝ちして、2位に進出する。

3月20日
 墓参りに出かける。

 NHK「ラジオ英会話」は”Harvey and Shirley Downsize" (ハーヴィーとシャーリー、身の回りを整理する)の第3週”New Adventure" (新たな冒険)で、ワイオミング州ジャクソンホールに住む老夫婦が身の回りを整理するために行ったガレージセールの後で、残った品物を整理している場面を取り上げる。ガレージセールの際に、誰もほしいとは言わなかったレコードは捨てようとシャーリーがいうと、ハーヴィーは
Nothing doing! Those records have a lot of sentimental value. (それや駄目だよ! このレコードにはいろいろと思い入れがあるんだから。)といって同意しない。長らく手を触れず、置きっぱなしになっているけれども、思い入れがあって捨てられない品物というのは少なくない。

3月21日
 NHK「ラジオ英会話」の続き。ハーヴィーとシャーリーの家を買いたいという人物が現われたと不動産業者から連絡がある。
We have a potential buyer for the house. (うちを買ってくれそうな客がいるんだ。)
Oh my goodness! What's our next movement. (まあ、それは大変! 私たち、次にどう動くべき?)
 以下のやり取りについては、この日付けの当ブログで紹介した。
 
3月22日
 『朝日』朝刊に「共謀罪」の制定を目指す動きをめぐり、戦前の治安維持法のもとで起きた「神戸詩人事件」についての言及があった。むかし、読んだ足立巻一『親友記』(新潮社、1984)の第8章がこの事件について触れていて、詳しいことは省略するが、この事件が「昭和15年の文化活動弾圧の一環として引き起こされたもの」(232ページ)であり、全国的に展開された文化サークルの摘発の一環であったことを見逃してはならない。「内務省警保局は昭和2年から18年まで、「社会運動の状況と題する年俸を発行し、警備警察活動を概観していたが、敗戦の際にほとんどが焼却された」(231-232ページ)。しかし、残されたこの資料によると、<神戸詩人事件>は昭和15年の文化活動弾圧の一環として引き起こされたものである。「当時の文化活動を共産主義運動によるものとして、全国にわたって検挙した」(232ページ)。この資料に記載された事件は次のようなものである。
 1 佐藤保蔵を中心とする名古屋の文化活動
 2 唯物論研究会
 3 小学校教員らを中心とする生活主義教育運動
 4 人形工房(人形劇団ユーナ・プーボ)
 5 新興俳句「京大俳句会」
 6 神戸詩人クラブ
 7 劇団新潟と秘密研究グループ
 8 プロレタリア・エスペラント・グループ
 9 新協・新築地両劇団を中心とする新劇
 10 同人雑誌「文藝家庭」(同上)
 「神戸詩人事件」は神戸詩人クラブの中心メンバーと旧制姫路高校映画研究内の学生たちが連絡を取り合いながら、マルクス主義の研究とプロレタリア文化運動の推進を目指して活動したとされる事件である。足立が書いているように、この事件は当局のまったくのでっち上げであり、彼らの発行していた同人雑誌は「貧しい少年たちの友情による同人雑誌ではあっても、日本プロレタリア文化聯盟とは何のつながりもなかった」(234ページ)。関心のある方は、ほかに列挙されたグループについても調べてみてください。

 NHKラジオ「実践ビジネス英語」は、”Golden Years”(老後)という話題に入った。ある登場人物が
I was rather surprised when I read in a magazine article recently that roughly one in five Americans aged 6 and above is currently employed. That's the highest percentage of older people with a job since the early 1960s. (65歳以上のアメリカ人のおおよそ5人に1人が現在雇用されているということを、ある雑誌の記事で最近読んで、ちょっと驚きました。その割合は、高齢者の就業率として、1960年代の初め以降で最も高いのです。)という。
 別の一人は
 Aging baby boomers need money to maintain the lifestyle they're accustomed to. The playin truth is that Americans are terrible when it comes to saving money. Around half of all American workers haven't made financial plans for retirement. And old-style pension plans are becoming a thing of the past. (高齢化しているベビーブーマーたちは、自分が慣れ親しんでいるライフスタイルを維持するために、お金を必要としています。明らかなことは、アメリカ人は貯蓄に関していえばひどい有様だということです。アメリカの労働者のおよそ半数は、引退後の資金計画を立てていません。それに、旧来の年金制度は過去のものになりつつあります。)
 という。日本と共通するところもあるし、共通しないところもある。

3月23日
 NHK「ラジオ英会話」で、ハーヴィーとシャーリーの夫婦は家を売って、RV(キャンプ用で部屋やキッチンのついた車)で生活することになる。どこに向かうかの決定をゆだねられたシャーリーは、
Let's head south. (南に向かいましょうよ。)
という。雪国で暮らしていると、そういう気分になるが、南には南の問題があるというのも確かなことである。

 NHKラジオ「まいにちフランス語」は”Cuisine française ou cuisine des régions? (1) "(フランス料理、それとも地方料理)という話題を取り上げた。
Il faut se rappeler que la France est composée de ce qui furent autrefois plusieurs royaumes, duchés et autres.(フランスはかつて複数の王国、公国などだったものが集められてできたものだ。) そうしたそれぞれの「国」に特徴、土地、そしてガストロノミーがあった。それが現在まで残っている場合もあって、
Ce qu'on appelle 《cuisine française》, finalement, c'est une accumulation de traditions qui n'ont parfois pas grand chose à voir les unes avec les autres. (「フランス料理」と呼ばれるものは、つまり、時には互いにあまり関係のない複数の伝統の集合なのだ。)中華料理はもちろんのこと、日本料理についても同じようなことがいえるかもしれない。番組のパートナーのヴァンサン・デュランベルジェさんが、日本人から見れば大きな違いがある料理でも、外国人の目から見ると似たようなものだと言われていたのが印象に残る。

 神田千里『シリーズ<本と日本史>④ 宣教師と『太平記』』(集英社新書)を読む。キリシタン版の『太平記』が刊行されていたというのは初めて知ることである。ちょっと気になるのは『太平記』が南北朝時代の全体を追っているかのように書いていることである。しかし、『太平記』はこの内乱が完全に終わる前の、足利義詮が細川頼之に後事を託して死ぬところで終わっているのは、何度も書いてきたことである。日本人キリシタン(のちに棄教)の不干ハビアンが編纂したキリシタン版の『平家物語』は、安土桃山時代の口語による対話の形で『平家』の概要が記されているが、こちらはより原文に近い文体でまとめられているようである。

3月24日
 天野郁夫『帝国大学――近代日本のエリート育成装置』(中公新書)を読み終える。東京、京都、東北、九州、北海道、大阪、名古屋に設けられていた旧制帝国大学の誕生から、新制大学への移行までの過程を法令の条文や統計的な数字を使いながら、できるだけ実証的にたどろうとした書物である。その分、物語的な興味には乏しい。
 この本の67ページに、明治27年(1894)、当時の井上毅文相が京都にあった第三高等学校の大学予科を廃止したという話が出てくるが、その時に第三高等学校の大学予科に在学していた生徒の1人が私の祖父で、仙台にあった第二高等学校に移って勉強を続けた。その時の仲間の一人が河東碧梧桐だったそうである。調べてみると、碧梧桐だけでなく、高浜虚子も同じく三高から二高に移った生徒であったはずだが、母の話では祖父は虚子の話をしなかったそうである。そういう祖父の文学趣味を私もどこかで継承しているのかもしれない。

3月25日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”Buddha (ブッダ)という話題を取り上げた。紀元前5世紀ごろに、インドとネパールの国境地帯にあった釈迦国の王子として生まれたガウタマ・シッダールタは、隔離された豪奢な宮殿で日々を送っていたが、
one day, in his late twenties, he went outside of the palace and came across an old man, a man suffering from disease, a copse, and an ascetic. (20代後半のある日、宮殿の外に出て、老人と、病人と、遺体と、修行者を見た。)
 自分の見たものに心を動かされた王子は、宮殿も妻も子もあとに残して行者になり、その後、悟りを開く。「四門遊観」と呼ばれる逸話が、いやに簡単に語られている。

 ニッパツ三ツ沢球技場でJ2第5節、横浜FC対徳島ヴォルティスの試合を観戦する。前半に激しい攻勢をかけてきた徳島に2点を奪われて、その後の反撃及ばず、横浜は初黒星を喫した。選手の動きが悪く、ボールをめぐっての競り合いに負ける場面が多かった。予想外の寒さではあったが、それは相手も同じことなので言い訳にはならない。

日記抄(3月12日~18日)

3月18日(土)晴れのち薄曇り

 3月12日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
3月12日
 ニッパツ横浜球技場でJ2第3節:横浜FC対ザスパ草津群馬の対戦を観戦する。開幕の松本山雅戦にくらべると観客がかなり減り、前売り券を確保する必要もなく、老人割引で入場した。前半40分にゴール前でこぼれたボールを三浦カズ選手がけりこんであげた1点を守って、横浜が1-0で勝利し、3位に浮上した。試合後の談話でカズ選手が、イバ選手の近くにいればボールが転がってくることがあると思って、その機会を待っていたと話していた。決めるべき時に決めたカズ選手は立派だが、チャンスを作ったイバ選手の活躍も見落とせないのである。

3月13日
 NHK「ラジオ英会話」は”Harvey and Shirley Downsize"(ハーヴィーとシャーリー、身の回りを整理する)の2週目:”Getting Down to Business"(具体的な話に入る)で、ハーヴィーとシャーリーの老夫婦は家を売って身の回りを整理し、小さなマンション(small condo)とRV(recreational vehicle、キャンプ用で部屋やキッチンのついた車)を買うことにした。そこでRVを売ると言っているアリゾナ州トゥーソンに住む知り合いのゲーターに電話を掛ける。
How about knocking down the price a bit? (どうかね、少し値引きをしないかね?)
Sorry, buddy, I'm not budging on the price. (悪いんだけどねえ、値段に関しては一歩も譲りませんよ。)
Would you consider free delivery of the RV? (RVの無料配達を検討していただけるかな?)
You drive a hard bargain! (強気の交渉をするねえ!)

3月14日
 「ラジオ英会話」の続き。ハーヴィーはガレージセールをしようと提案する。
Let's have a garage sale. (ガレージセールをしよう。)
In the middle of winter? No one will show up. (冬のさなかに? 誰も来ませんよ。)
Sure they will. People love a bargain! (来るとも。掘り出し物が嫌いな人はいないよ!)
I'm not so sur about that. (それはどうかしらね。)

3月15日
 the Ides of March. ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が暗殺された日であることは昨年のこのブログで書いたはずである。確定申告に出かける。グズグズしていて、申告が最終日近くになるのは例年通り。昨年に比べると税務署にやってきている人が少なく、書類提出までそれほど時間がかからなかった。

 「ラジオ英会話」の続き。ハーヴィーとシャーリーの夫婦はいよいよガレージセールを始めるが、帝国よりも早く、お客がやってくる。シャーリーの紅茶セットに目を付けた女性が、45ドルで売ると聞いて
Could you come down in price a little? (価格を少し下げてもらえるかしら?)
交渉の結果、35ドルで買い取ることになり、2人は
Thanks for your business! ((お買い上げ)ありがとうございました!)
と声をそろえる。

 NHKラジオ「実践ビジネス英語」は”Money Matters"(お金のこと)の4回目。お金を大切にすることを子どもたちにどうやって教えるかについての議論が交わされるが、一人が
What do you think is the best way of explaining the growing gap between rich and poor to children? (貧富の差が広がっていることを子どもたちに説明するには、どうすれば一番いいと思いますか?)と問いかける。
That's a tricky one. (それは難しい問題ですね。)

 同じ番組の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
Knowledge is of two kinds: We know a subject ourselves, or we know here we can find information upon it.
-- Samuel johnson (English lexicographer and author, 1709 - 84)
(知識には2種類ある。ある事柄を自分自身が知っているということと、それにかかわる情報をどこで見つけられるかを知っているということだ。)
 lexicographerは「辞書編集者」。ジョンソンが独力で英語辞書を編纂した次第は上記の言葉を含む、いくつかのエピソードを引き合いに出しながら、面白おかしく、加島祥造『英語の辞書の話』に記されている。加島さんのこの本を読んだ後、ある講習会の講師をしていて、「知識には2種類ある」という話をしたのはもう40年近く前のことになってしまった。加島さんは最近は「タオ」についての著書で知られるが、大学の英語の先生をしていただけでなく、クリスティの『ナイルに死す』など英語ミステリーの翻訳者であり、『荒地』派の詩人でもある。実は、城米彦造とともに、私が目標にしている詩人である。

3月16日
 「ラジオ英会話」の続き。ガレージセールで今度は、ハーヴィーの運転台付き芝刈り機(riding mower)に目を付けた客がいる。350ドルという値段を聞いて、
Is that your final offer? (それが最終提示価格?)
I'll throw in the garden tools. (おまけに園芸用具を付けます。)
It's a deal! (それで決まり!)

 「実践ビジネス英語」の続き。若者たちにお金の大事さを教える最良の方法として、1人がこんな意見を述べる。
If you ask me, one of the best ways to teach young people the value of money is for them to have part-time or summer jobs. (私に言わせてもらえば、若い人たちにお金の価値を教える最良の方法の1つは、アルバイトや夏の間だけの仕事をさせることです。) 私が接した学生たちの経験をまとめると、若者たちにとってアルバイトは、自分とは異質の人間との出会いという性格が大きいように思う。
 Too many people are ignorant about basic financial matters. (資産管理の基本的なことを知らない人が多すぎます。)というのはそのとおりで、私などもそのために苦労している。しかし、学校で金利や株式市場というようなことについて教えるのは、ある業界の一方的な宣伝の注入になる恐れや、宣伝できなかった業界からの猛反発を招く恐れがある。

 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編は”La vin (1) Partage et convivialité ~La vérité est dans le vin ~”(ワイン(1) 分かち合い、共に楽しむこと~真実はワインの中に~)という話題を取り上げた。
En France, on dit qu'il ne faut jamais boire seul, mais uniquement quand on est accompagné. Et rien n'est plus vrai lorsque l'on parle de vin. (フランスでは、決して一人で飲んではいけない、誰か一緒に飲む人がいるときにだけ飲むものだ、と言われる。ワインについて言えば、これ以上正しいことはない。)
 La vérité est dans le vin. というのはラテン語の《In vino veritas.》という表現をフランス語にしたものだという。「酒の中に真実がある」というのは、「ワインを飲むと、人は、素面では話せないようなことも話す」という意味だと解説されていた。これは大プリニウスが『博物誌』の中で述べていることを、ことわざ風に言い換えたもので、酔っぱらうと本性が現われるというようなことだと別の本に書かれていた(まあ、大体同じことである)。

 『日刊スポーツ』に俳優の渡瀬恒彦さんの訃報が出ていた。72歳。まだ活躍できる年齢であっただけに惜しまれてならない。実は、兄さんの渡哲也さんにくらべると、渡瀬さんの映画は見ていない。渡瀬さんが再婚された時に、お相手が新潟市の内野の人だという話を聞いて、身近な感じがしたことを思い出す。内野の酒である<鶴の友>でも探して、ご冥福を祈るとするか。

3月17日
 「まいにちフランス語」”Le vin"の2回目。
Lorsque l'on dine chez soi, avec des amis, choisir la bouteille que l'on va déboucher est tout un art. (自宅で友人と一緒に夕食をとるとき、その夜開けるワインを選ぶのは、まったくアートといっていい行為だ。)
私の場合、そういうことはなさそうである。

3月18日
 ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか〔下〕 権力・繁栄・貧困の起源』を読み終える。長期的な経済発展の成否にかかわる最も重要な要因は政治経済制度の違いであると論じるきわめて興味深い本である。最後の方で、ルーラ大統領時代のブラジルの経済的発展を肯定的に評価しているが、最近のブラジルでは、ルーラ時代の政治への反動が起きているようなので、今後の展開との関連も見ていこうと思っている。

 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”Cleopatra"を話題として取り上げた。
Age cannot wither her, nor custom stale her infinite variety. (年齢を重ねても容色は衰えず、逢瀬を重ねても無限の変化は新鮮さを失わない。) というのは、彼女の美しさと魅力を表現したシェイクスピアの言葉だそうである。エジプトの女王であったが、マケドニア系ギリシア人の王朝であるプトレマイオス朝の出身である。しかし、彼女は先祖以来の伝統を破って、初めてエジプト語(コプト語のことであろうか。現在のエジプトで公用語になっているのはアラビア語である)を話したという。
She was educated in various subjects including mathematics and philosophy, and could speak around tn languages. (数学や哲学を含むいくつもの学問を学んでいて、およそ10言語を話すことができた。)
と、語り手は、彼女の知性の高さも忘れてはならないと述べているが、それゆえに自信過剰になっていた部分もあるのではないかという気もする。
 ご存知の方も多いと思うが、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』でシーザー(カエサル)がブルータスに殺される場面で、そこだけが”Et tu, Brute?"(ブルータスよ、お前もか?)とラテン語になっている。柳沼重剛によると、これはスエトニウスの『ローマ皇帝伝』(ラテン語で書かれている)の中で、このセリフだけがギリシア語で”Kai su, teknon?"(我が子よ、お前もか?)となっているのに対応させたものだという。当時の教養あるローマ人たちは、ギリシア語を読み話すことができた。とは言うものの、数か所に傷を負って死に瀕している時に、ギリシア語で叫ぶというのはすごい。「しかし教養もここまでくれば本物だともいえるし壮絶だともいえる。…これはただひたすらに凄い」(柳沼(1991)『語学者の散歩道』研究社、25ページ)と半ばあきれている。
 だから、カエサルにしても、アントニウスにしても、クレオパトラとはギリシア語で話していたと思われる。と、なると、たぶん、会話は押され気味だったのではないかと推測される。
 この番組でも触れられていたが、彼女とカエサルの間に生まれたカエサリオンという息子がいて、一時期母親とともにエジプトのファラオになっているが、オクタウィアヌスに殺されたらしい(はっきりしたことはわからない)。クレオパトラの娘は、生きながらえているので、大坂の陣の後の豊臣秀頼の子どもたちの運命に似たところがあると思う。 

日記抄(3月5日~11日)

3月11日(土)晴れ

 3月5日から、本日までに経験したこと、考えたことなど。
3月5日
 『朝日』の朝刊に林典子『ヤズディの祈り』(赤々舎)という本の書評が出ていた。イラク北部の山間部に暮らす少数民族の人々がこうむった運命を見つめる内容のようである。イラク戦争をキリスト教とイスラーム教の戦いだと考えた人々がいたが、イラクにはキリスト教も少なからずいたし、イスラーム教徒でもキリスト教徒でもない人々もいて、戦争によって大きな被害を受けたのはむしろそれらの人々であったという事実をもっとしっかりと認識する必要がある。

 横浜FCはV・ファーレン長崎とアウェーで対戦し、1-1で引き分けた。負けなかったことで良しとするか。

3月6日
 NHK「ラジオ英会話」は遠山顕先生が体調を回復して再登場。よかったよかった。番組の方は昨年11月に放送する予定だった”Harvey and Shirley Downsize" (身の回りを整理する)を放送した。冬のリゾート地であるワイオミング州のジャクソンホールに住むハーヴィーとシャーリーのクローンショー夫妻は大雪に見舞われている。窓の外の雪を見ながら、ハーヴィーは
It's never ending! I'm sick and tired of shoveling snow. (まったくよく降るなぁ。雪かきするのにはうんざりだ。)
どうも彼は、RV(部屋やキッチンのついたキャンピング・カー)でアリゾナを旅行した経験が忘れられないようである。

3月7日
 『朝日』朝刊のコラム「経済気象台」に聖書の中にはライオンについての記述があると記されていた。むかしは中東やヨーロッパにもライオンが住んでいたのである。中東やギリシアの古代遺跡で見いだされるライオン像には実際にライオンを見なければできないような描写があるが、中世に描かれた聖ヒエロニムスとライオンの図などのライオンの姿は見てないことが明らかなものも数なくない。

 同じ『朝日』の紙面で「留学生を受け入れる」という問題について、3人の識者が発言をしている。3人ともそれぞれの立場で正しいことを述べているのだが、議論がかみ合っていない。議論の整理がされていないことが、この問題の最大の問題である。

3月8日
 NHK「実践ビジネス英語」は新たに”Money Matters" (お金のこと)という話題に入った。あるコラムニストが
Children deserve to know what their parents make. (子どもは親の収入額を知らされるべきだ)
と主張しているのを読んだということから議論が始まる。いわゆるcitizenshipの教育の中でも、政治や法律と並んで、経済や職業は重要な項目となるはずだと改めて考えさせられた。

3月9日
 「実践ビジネス英語」の議論の続き:
 昔は、子どもたちに金銭のことや家計のことについて教えないのがふつうであったのだが、
It doesn't make much sense these days to try to protect children from the reality of family finances. I mean, think of all responsibilities their generation will face starting with the huge student loans they'll have to pay off. (家計という現実から子どもたちを守ろうとするのは、今ではあまり意味がありませんね。というのも、考えてみてください、返済しなければならない巨額の学生ローンに始まり、彼らの世代がこれから直面することになる様々な責務を。)
というふうに話が展開する。
 パートナーのヘザーさんによると、日本の「奨学金」は米国のscholarshipではなく、student loanに対応するものだとのことである。

 NHK「まいにちフランス語」応用編は”Fruits de mer (1) Les Français les aiment d'une bien étrange manière"(海の幸(1) フランス人は不思議な方法で楽しむ)という話題を取り上げた。fruits de merは「海の幸」と訳されているが、poisson(魚)は入らないのだそうだ。貝類とか、ウニとかエビやカニがfruits de merということのようである。

3月10日
 「まいにちフランス語」の中でパートナーのヴァンサン・デュレンベルジェさんが話したこと:
En France, je dirai qu'on mange la galette des Rois à l'Épiphanie, les crêpes pour la Chandeleur. (フランスでは「公現祭」の1月6日には、アーモンドのお菓子、ガレット・デ・ロワを食べます。2月2日「ろうそく祝別の日」には、クレープを食べます。)
 辞書によるとgarette des Roisというのは中に、そら豆か陶製の人形が隠してあって当たった人が王(女王)様になる決まりだそうである。アーモンド(almond)というのは英語で、フランス語ではamande(アーモンドの木はamandier)という。
 子どものころ、アーモンド・チョコレートというのが売り出されたのがアーモンドに出会った初めであるが、実は「聖書」にはアーモンドはよく出てくる植物である。例えば、「創世記」30.37に「ヤコブは、ポプラとアーモンドとプラタナスの木の若枝を取って来て、皮をはぎ、枝に白い木肌の縞を作り」とある。ところで、文語訳聖書では「茲(ここ)にヤコブ楊柳と楓と桑の青枝を執り皮を剝ぎて白紋理(すぢ)を成(つく)り枝の白き所をあらはし」とある。ポプラが柳、アーモンドが楓、プラタナスが桑というのはだいぶ違う。違いすぎる。

3月11日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”Around the World in Eighty Days" (八十日間世界一周)を話題として取り上げた。ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne 1828-1905)が1872年11月6日から12月22日まで新聞小説として『ル・タン』紙に連載し、1873年にパリのエッツェル社から単行本として出版された作品(フランス語の原題はLe tour du monde en quatre-vints jours)である。英国の富豪フィリアス・フォッグが1872年10月2日に彼が会員である<改革クラブ>の会員たちと80日間で世界を一周するという賭けをして、新たに雇い入れたパスパルトゥーという従者と旅行に出かける。
 この小説は1956年に当時大プロデューサーとして知られ、エリザベス・テイラーの夫でもあったマイク・トッドが映画化、マイケル・アンダーソンが監督、脚本担当の1人が監督としても知られるジョン・ファロー(モーリン・オサリバンの夫で、ミア・ファローの父)、フォッグをデヴィッド・ニーヴン、パスパルトゥーを闘牛士出身の喜劇俳優であるカンティンフラス、それにインドから旅に加わるアウダを当時まだ若手の女優であったシャーリー・マクレーンが演じた。旅の途中で出会う人物を有名な俳優たちが演じていて、カメオ出演の名の起こりとなったといわれる。原作ではロンドンからスエズ運河までフォッグは予定通りに旅行するのだが、映画では鉄道が不通でアルプスを気球で越えようとしてスペインに流されるという波乱がある。ここでカンティンフラスが闘牛を演じる見せ場があるわけである。この映画を見たのはもう60年も昔になってしまった。
 
 
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