日記抄(7月9日~15日)

7月15日(水)晴れ後曇り、夜になって雨が降り出す

 7月9日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
7月9日
 NHK「ラジオ英会話」の”U R the ☆! (You are the star!)”のコーナーの会話の前半部分
Wow, there are a lot of bees! (まあ、ハチがたくさん!)
Yes, they're sucking nectar. (ええ、花の蜜を吸っています。)
 ここで「花の蜜」と訳されているnectarはギリシア神話でこれを飲むと不老不死になるという神々が飲む酒に語源をもつ。nectarと対になるのが、ambrosiaという食べ物で、これも食べると不老不死になるという。こちらは辞書によるとbeebread =「蜂パン(蜜蜂が花粉で作って巣に貯え幼虫の食料とする)」という意味も持つそうである。

7月10日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編は「夏時間への移行」という話題を取り上げた。
En France, il y a l'heure d'été et l'heure d'hiver. Le passage à l'heure d'été à toujours lieu le dernier dimanche de mars. À la télévision, on explique alors qu'il ne faut pas oublier d' avancer sa montre d7une heure. (フランスには、夏時間と冬時間があります。夏時間への移行は、常に3月の最後の日曜日に行われます。その時テレビ絵は、腕時計を1時間進めるのを忘れないように、という説明がされます。)
 これはフランスだけのことではない。
Les dates de changement d'heure sont les memes pour tous les membres de l'Union européenne. (自国の変更日は、EUのすべてのメンバー国に関しておなじです。)
 だから冬時間が行われている間は、日本とフランスの時差は8時間、日本と英国の時差は9時間だが、夏時間になると日本とフランスの時差は7時間、日本と英国だと時差は8時間ということになる。

7月11日
 NHKラジオ「アラビア語講座」でレバノンの国民的な歌手であるファイルーズの「ヤ・アナー」(聞き違いがあるかもしれない)という歌の一部を放送した。この歌はベートーヴェンの曲にアラビア語の歌詞をつけたものだという説明であったが、聞こえてきたメロディーはモーツァルトの交響曲40番であった。この番組は毎年、ほとんど同じ内容で放送されているのだが、誰もこの間違いに気付かなかったのであろうか。

 同じく「攻略! 英語リスニング」では”Marie Antoinette"を取り上げた。The last queen of Franceとして紹介されていたが、厳密に言えばこれは間違いである。ルイ16世でフランスの王制はいったん途切れるが、その後また復活し、さらに立憲王政になり、1848年まで続く。その意味で、最後の王妃というのはルイ=フィリップの妃であったマリー・アメリー・ド・ブルボン≂シシレ(1782-1866)ということになる。彼女の後に、ナポレオン3世の妃のウジェニー・ド・モンティジョがフランスの君主の妃となるが、ウジェニーはqueenではなくてempressである。とはいうものの、マリー・アメリーはマリー・アントワネットと比べてはもちろんのこと、ウジェニーと比べても話題に乏しい女性である。肖像画を見ても、かなり見劣りがするのは気の毒である。

7月12日
 「攻略!英語リスニング」は”Marie Antoinette"の続き。講師の柴原さんは彼女に同情的なコメントをしていたが、私は、彼女がルソーの「自然に還れ」というスローガンをごく表面的に理解して、プチ・トリアノン宮に小屋を建てて、そこで田舎娘の扮装をして時間を過ごすのを好んだという話を思い出す。フランス革命を準備した思想の多くの部分が宮廷と貴族たちのサロンで醸成されたという思想史的な経緯も見過ごすべきではないのである。マリー・アントワネットは彼女なりに時代の空気を感じ取ってはいたのだが、その意味を深く理解できなかったところに悲劇がある。

 NHK Eテレ「日本の話芸」は桂文楽の「鰻の幇間」を放送した。名人といわれた先代・文楽がよく演じていた噺だが、社会的な弱者である芸人=幇間が騙されるという筋なので、あまり後味がよくない。先代は自分や周囲の人間の経験を踏まえて、それなりの実感をもって演じていたのだが、当代の文楽にはそのような経験がない分、いくら基本に忠実に演じてもどうも噺が平板になっているのではないかと思う。というよりも聴いているうちに寝てしまったので、しっかりした感想が書けない。

 私の家の近くにある高校の生徒が「生麦事件」について、教科書の本文に出てこないけれども、試験の問題になったというような話をしているのが聞こえた。彼らが通っている道からちょっと曲がって少し歩いたところにある本覚寺は、生麦事件の際に被害に遭った英国人の一部が逃げ込んだ場所であり、当時はアメリカ公使館として使われていた。歴史を書物ではなくて、自分の足で確かめるような勉強をしてほしいものだと思うことしきりである。

7月13日
 佐高信 松元ヒロ『安倍政権を笑い倒す』(角川新書)を読む。安倍首相と笑いというのは興味深いテーマであるが、ここでは本題の脇で語られている話題のいくつかについて論評しておく。
 漱石と鴎外を比較して、漱石が西園寺首相に招かれても同席を断った一方で、鴎外はのこのこ出かけて行ったこと、彼は官僚としても出世街道を歩んだことなどを指摘しているが、これはむしろ世の中をどのようによくしていこうと考えるかについての2人の考え方の違いと解釈すべきではなかろうか。漱石は制度の外から論評し、鴎外は中から改革しようとしたということではないかと私は思っている。
 佐高さんは私と同い年なのだが、飯沢匡とその業績についてあまりよく知らない様子なので、ちょっと驚いた。大人向けの活動についてはともかく、子ども向けの放送番組制作で大きな業績を残された方である。佐高さんは子ども時代にラジオ番組の『ヤン坊 ニン坊 トン坊』とか、テレビ番組の『ブーフーウ-』とかに接したという記憶がないのだろうか。
 とはいうものの、この本の中で紹介されているマルセ太郎の「思想のないお笑いは見たくない」という発言には賛同しておきたい。かつて、伊丹万作がルネ・クレールの風刺喜劇映画について「思想のない風刺」であって、必ず行き詰まると予言していたという話を思い出す。
 
7月14日
 暑い中、大汗をかきながら墓参りに出かける。たまたま私の家の墓の隣の隣の隣の墓にお参りに来ていた女性が話しかけてきた。私の家の隣の墓が、このところお参りに来る人がいない状態になっているのだが、もともとその家は女性の近所に住んでいた一家なので、交流があったことを思い出し、なんとなく気になって…という話であった。

 その後、池袋の新文芸坐で鈴木清順の『肉体の門』と『殺しの烙印』の2本の映画を見る。これらの映画については、機会を見つけて書いてみるつもりである。

 NHKラジオ「入門ビジネス英語」で講師の柴田真一さんがアメリカ人はあまり謝罪をしないようだがという話題を持ち出した際に、パートナーのハンナ・グレースさんが”apology without solution"でも困ると切り返していたのが印象に残った。文句を言う人が本当に求めているのは「解決」であって、「謝罪」ではない。「謝罪」によって、「謝ったのだからこれでいいだろう」と「居直り」を決め込むというのでは問題は先延ばしされるだけである。 

7月15日
 夜になって雨が降り、少し涼しくなったが、日中は暑かった。医者からはもう少し水分をとらないと熱中症になる恐れがあるといわれる。 

 「安保」法案、衆院の特別委で強行採決。首相はこれから国民に丁寧に説明するというが、順序が逆ではなかろうか。 
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