日記抄(7月2日~8日)

7月8日(水)雨が降ったりやんだり

 7月2日から8日にかけて経験したこと、考えたことなど:
7月2日
 NHKカルチャーラジオ「文学の世界」は『ボブ・ディランの世界を読む』の第1回。彼が世に知られるきっかけとなった『風に吹かれて』という歌が、単なる反戦歌ではなく、より多様な解釈を可能にする内容をもち、その後の彼の音楽活動の展開を示唆するものだという。それよりも、「風に吹かれて」という歌がディラン自身ではなく、ピーター・ポール&マリーの歌唱によって広がったという話のほうが考えさせられるところが多かった。この番組はその性格上、講義形式であるが、ディランの歌は原詩を検討したり、歌唱を聴き比べたりして、演習形式で掘り下げていく方が面白いだろうと思う。

7月3日
 7月から始まったNHKラジオまいにちフランス語応用編「ニュースで知りたいフランス文化」は「復活祭とチョコレート」という話題を取り上げた(4月に放送するほうが適切な話題ではないかと思う)。
C'est pour fêter la résurrection du Christ. La date n'est pas fixe, mais le dimanche de Pâcques tombe toujours entre le 22 mars et le dans certains autres pays. Le lundi qui le suit est un jour férié. Les enfants ont environ deux semaines de vacances scolaires.
(キリストの復活をお祝いするためのものです。日付は固定されていないのですが、フランスとその他の複数の国々では、3月22日から4月25日までのどこかに、復活祭の日曜日が必ず来るようになっています。その次の月曜日は祭日です。子どもたちには、約2週間の学校休暇があります。)
Autrefois, pendant les Paques, on offrait de vrais œufs. Aujourd'hui, on offfre des œufs en chocolat, ou les enfants font la chasse aux œufs.
(昔は、復活祭の期間に、本物の卵を贈っていました。現在では、チョコレートでできた卵を贈ったり、子どもたちは卵探しを行ったりします。)
Pour petits et grands, pas de fêtes de Pâquetes sans chocolat.
(子どもにとっても大人にとっても、チョコレートなしの復活祭なんてありえません。)
その一方、
Une grande quantité de chocolat est vendue chaque année au Japon à la Saint-Valentin.
(毎年日本では、バレンタインデーに大量のチョコレートが販売されます。)
それは結構なことなのだが、チョコレートの生産・輸出国であるコートジボアールやガーナの生産現場の現状にも目を向けてほしい。

 NHKカルチャーラジオ「私たちはどこから来たのか 人類700万年史」の第1回を聴く。「人類の進化は複雑であり、全体像をとらえるのは難しい」という。急いで結論を求めることなく、のんびりと聴いていくことにしよう。

7月4日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」では”Venicce"(ベネチア)を取り上げた。講師の柴田さんは英語では「ベニス」だが、現地語であるイタリア語では「ベネチア」であるというようなことをいったが、イタリア語には様々な方言があって、私が調べたところでは現地の方言ではヴェネシアというような発音になるらしい。「現地語」という言い方も気をつけて使わないといけない。

 キャロル・ダグラス・ネルソン『おやすみなさい、ホームズさん 上』(創元推理文庫)を読み終える。『シャーロック・ホームズの冒険』の冒頭の作品「ボヘミアの醜聞」(A Scandal in Bohemia)に登場するホームズがその知恵の働きに脱帽したただ一人の女性であるアイリーン・アドラーが、アメリカの宝石商ティファニーの依頼を受けて、マリー・アントワネットゆかりの宝石の行方を探るというストーリー。実在の人物(ティファニーとか、オスカー・ワイルドとか、作曲家ドヴォルザークとか)と、ホームズの世界の人物(ホームズ、ワトスン、アイリーン・アドラー)と作者が新たに創作した人物が入り乱れて物語は進行していく。

7月5日
 NHKEテレ「日本の話芸」で入船亭扇遊師匠の「不動坊」を聴く。ある長屋で借金を残して死んだ講釈師の妻の行く末を案じた大家が長屋の中で一番の働き者に借金を返すことを条件に、この妻と所帯を持つという話を持ち掛ける。この話を聞いた同じ長屋のひとり者連中は面白くないので、近所に住む落語家の弟子に不動坊の幽霊を演じさせ、結婚をぶち壊そうとするが…。面白いことは面白いが、当時の長屋の様子というのが今一つよくわからないので、どうやって幽霊をぶら下げるかなどの描写が不十分であり、肝心の幽霊が化けて出る場面の効果が薄れている。いっそのこと、「落語劇」という形にして上演した方がわかりやすいかもしれない。時代の変化で落語の中には、別の形をとったほうがわかりやすいものがほかにも出てきそうである。

7月6日
 キャロル・ネルソン・ダグラス『おやすみなさい、ホームズさん 下』(創元推理文庫)を読み終える。作曲家ドヴォルザークに見いだされ、東欧でプリマドンナとして成功を収めたかに見えたアイリーンであったが、ボヘミアの皇太子をめぐる宮廷内の陰謀に巻き込まれ、国王暗殺事件の謎を見事に解いて見せたのはいいが、皇太子→新国王の愛人として囲われようとする動きに反発して英国に逃げ帰る。そして、「ボヘミアの醜聞」に描かれた事件が、アイリーンの側から語られることになる…。誰でも一度は考えてみるが、作品にまとめてみるのは難しい、アイリーンの側から「ボヘミアの醜聞」を描くという試みにかなり見事に成功している。

7月7日
 雨の日や曇り空の日が続いているのとどのように関係するのか(あるいはしないのか)分からないが、午後、パソコンに向かっているうちに居眠りを始めることが多くなっている。TVを見ていたら、タイでは干ばつが続いて、道路にひびが割れたりさまざまな影響が出ているという。グローバルな気象の変化が、これからも続くのか、さらにそのことによってどのような影響が生じるのか、気になるところである。

7月8日
 水村美苗『増補 日本語が亡びるとき』をさらに読み進んでいる。水村さんがベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』における「宗教的想像共同体」と「聖なる言語」の議論について言及している個所に出会い、6日付の「ローマ帝国の言語」で私が書いたようなことをアンダーソンも書いていること(つまり、私が引用したソーヤーは多分、アンダーソンの本を読んでいたということである)に気付く。「聖なる言語」をめぐるアンダーソンの議論は水村さんにとっては世界の言語状況を考えるうえでそれほど決定的な意味を持つものではないようである。このあたり、さらに掘り下げてみたいと思う。

 NHKカルチャーラジオ「プロテスト・ソングとその時代」は木曜日放送の「ボブ・ディランの世界を読む」と連動しているような、いないようなところがある(する、しないは、聴いている方の意識の問題かもしれない)。1971年の第3回全日本フォーク・ジャンボリーをきっかけとして、日本のフォーク界は第2世代が台頭し、一種の世代交代が起きたことが当時の録音を紹介しながら語られた。同時代を生きていながら、これらの動きにそれほど関心もなく、かかわりもしなかったのはなぜか…ということを今になって考えている。 
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