海外旅行断片

7月5日(日)雨が降ったりやんだり

 NHK「ラジオ英会話」の7月放送分は”Thailand Adventure"をテーマにして旅行の際の英会話を取り上げ、同じく「攻略!英語リスニング」ではこの夏の休暇に”Venice"に旅行に出かけるという女性が語る話が放送された。「ラジオ英会話」の6月29日~7月3日までの放送分はBangkokでの出来事を取り上げているので、私がもう10年以上前にこの都市を訪問したときのことを思い出した。特に7月2日放送分はバンコクのThe Grand Palace訪問の場面であり(We can get there easily by riverboat. そこまでは川船で簡単に行けるわ)、さらにThe Temple of the Emerald Buddhaに舞台が移るのだが、エメラルド寺院は私も出かけたし、川船にも乗ったので、その時のメモを改めて探してみた。

 昼食後、ホテルに戻り、着替えをして(ネクタイ着用だったのを外して)、14時ごろから市内観光に出かける。プロン・ボンからBTS(高架鉄道、当時はまだ地下鉄がなかった)に乗り、サイアムを経由してサプラン・タスキンから川船でチャオプラヤー川をさかのぼり、ター・チャーンで下りる。船の料金が8バーツとあきれるほど安いのに驚く。その代り、乗り降りの際はぼんやりしていると川に落ちそうになるぐらい運行は乱雑である。ワット・プラケオー(エメラルドの寺院)をまず訪問する。日本でいうと伊勢神宮と東大寺を一緒にしたような国家寺院だそうである。到着したのが遅かったので、本尊のエメラルドの仏像は、外からしか見られなかったが、「ラーマ―・ヤナ」のタイ・バージョンである「ラーマキエン」物語を描いた壁画を見物できたのでまずは満足する。実際のところ、有名な建造物よりも、境内のいたるところに置かれた狛犬!?が興味深く、何枚も写真をとった。続いて大涅槃仏像のあるワット・ポーを見学する。

 その後、タ-・ティアンから渡し船に乗ってワット・アルンを見物する。渡し賃はわずかに2バーツである。ワット・アルンは1767年にビルマからの攻撃を受けてアユタヤ王朝が崩壊した後に、ビルマ軍を撃退した英雄タークシン将軍がトンブリーを首都として王朝を開いた時に国家寺院とした、現バンコク王朝のワット・プラケオーに相当する寺院である。タークシン将軍は晩年精神錯乱状態となって寺に幽閉され、処刑されてその生涯を終え、バンコク王朝が成立したのだそうだ。

 この寺院は三島由紀夫の『暁の寺』の舞台となったそうだが、そんなことよりも仏塔に上がったときに見かけた黒猫がかわいかったことのほうが印象に残っている。もっとも、三島も猫が好きだったという話である。その後、近くの土産物店でも猫を見かけた。タイはシャムネコの本場であるが、すべての猫がシャムネコというわけではもちろんなく、黒猫だの白黒のぶち猫だのがのんびり昼寝をしているのはあまり日本と変わりがない。

 再び渡し船を渡って、川下りの舟に乗り継いだが、空模様があやしくなってきたのでオリエンタル・ホテルの船着き場で下船する。ホテルの喫茶室でお茶を飲んだのだが、同じ時間帯に大江健三郎さんが読者に囲まれて談話会のようなことをしている姿を見かけた。大江さんが灰色の詰襟服を着ていたのにどうも違和感を感じた。このホテルに泊まったサマセット・モームとか、三島とか、有名な文学者の著作が展示されていたのだが、一番会ってみたいのはノエル・カワードだなと思った(もっともすでに故人になっている)。ロンドンのヴィクトリア駅の近くにノエル・カワード・ホテルというのがあったことを思い出したりした。雨の勢いが一向に衰えないので、タクシーでサパーン・タクシーンに向かい、BTSでプロン・ポンに戻る。

 読み返してみて、好奇心全開とは言えず、見たいものしか見ていない感じがする。旅行から帰って梅棹忠夫の『東南アジア紀行』を読み直して、旅行に行く前に読んでおけばよかったと後悔したものである。それでもバンコクに入ったことがあるから、少しはあそこはどういうところだということはできる。

 一方、以前にも書いたことがあるが、イタリアには出かけたことがないから、当然、ヴェネツィアにも出かけたことがない。はるか昔につき合っていた女性が、ある代表団の一員としてイタリアに出かけたのだが、フィレンツェやローマなどを見て回ったのはよかったのだが、ヴェネツィアに到着したあたりで仲間の中で小競り合いが始まって、その結果ヴェネツィアについてはあまり印象に残っていないという話をしていたのを思い出す。旅行では、旅行者同士のけんかや、病気、事故などによって旅先の印象が大きく変わることがある。ただ、現地に出かけたことがあるというだけで、わかることはそれほど多くはないのかもしれない。
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