日記抄(4月9日~15日)

4月15日(水)晴れ後曇り、時々天候が急変し、強い風が吹いたり、雨が降ったりした。

 4月9日から本日にかけて、経験したこと、考えたことから:
4月9日
 NHKラジオ「まいにちイタリア語」応用編「描かれた24人の美女」の第3回は、アンドレア・デル・サルトの「カリタス」と、この絵を含めて彼の多くの絵画のモデルとなった彼の妻ルクレツィアについて、アンドレアの弟子であり、画家として活躍する一方で『美術家列伝』という書物を書いて、「最初の美術史家」と言う評価を得ているヴァザーリが次のように書いていることを取り上げた。
”Lei si divertiva a catturare i cuori degli uomini e tra gli altri irretì lo sfortunato Andrea...”(Giorgio Vasari, Le Vite, 1a edizione,1550)
「彼女は男たちをとりこにして楽しんでいたが、その中に不運なアンドレアもつかまってしまった」
 ヴァザーリが師匠の妻についてこのように書いたことをめぐり、彼はおそらく同門の兄弟弟子たちからかなり非難されることになり、その結果として、1568年に出版された増補版では、ルクレツィアへの悪口の大部分が削除されているという。アンドレアは聖母子を扱った作品の注文を多く受けたが、それらのほとんど同じ顔をした聖母のモデルになったのはルクレツィアであったという。
Se davvero Lucrezia era una moglie così cattiva come raccontano le Vite, e possibile che il pittore l'abbia sempre scelta come modella per il volto ella Vegine?
(ルクレツィアがもし、『列伝』で語られているとおりの悪妻だったとしたら、はたして画家はいつも彼女を聖母のモデルに選ぶことなどできたでしょうか)

 アンドレア・デル・サルトというと、漱石の『吾輩は猫である』の最初の章で、苦沙弥がなかなかうまく絵が描けないというのに対して、金縁の眼鏡の友人(その後、迷亭という名前が与えられる)が、「昔し、以太利(イタリー)の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に星辰あり。地に露華あり。飛ぶに禽あり。走るに獣あり。池に金魚あり。枯木に寒鴉あり。自然はこれ一幅の大活画なりと。どうだ君も画らしい画をかこうと思うならちと写生をしたら」という。いかにももっともらしいが、「池に金魚あり。枯木に寒鴉あり」あたりから16世紀イタリアの画家の発言としてはかなり怪しげになる(この時代のイタリアに「金魚」が知られていたかどうかはかなり疑わしい)。この言葉を真に受けた苦沙弥はネコの写生をしたりするのだが、後になって、友人が出まかせをいっていたことが分かる。
 注意深く辿っていくと怪しげな発言でも、なにかの権威がまぶされていると、無批判に受け入れてしまうところがある。そのあたりに着目した漱石の目は鋭い。それで、アンドレア・デル・サルトが出てくるが、漱石は英国留学中、どこかのギャラリーで彼の絵を目にしたことがあるのではなかろうか。さらに、おそらくヴァザーリの『列伝』は(もちろん英訳で)読んでいるのではなかろうか。このあたり、おそらく、すでに研究した人がいるはずである。

4月10日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」のLesson 1は”Bilingual Advantages”(バイリンガルの強み)という題を掲げて、この問題をめぐる様々な話題が語られた。番組パートナーのヘザー・ハワードさんが締めくくりの対話の中で話していた内容の中で、英語が日本ではminority languageだという発言にリアリティーを感じさせられた。ただの外国語ではなくて、日本の社会の一部で実際に使われている言語であるということである。

4月11日
 NHKラジオ「アラビア語講座」の第2回を聴く。講師の榮谷温子さんが話していたが、「アラビア語1つ覚えれば、約20か国で話ができるんだ。凄いなぁ」と思ってアラビア語の学習を始めたのだが、実際には地域ごとの方言があって、それほど問題は単純ではないそうである。現実は事前の予想を裏切ることが多いが、だから楽しみが多くなるということも言えそうである。

4月12日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」ではBrooklyn Bridge(ブルックリン橋)の話題を取り上げたが、その中に
I cross it every day, and I can’t get enough of it.(毎日渡ってるけど、見飽きるってことがないわね)
という文が出てきた。実は4月2日の「ラジオ英会話」にも
I can’t get enough of it. (いくらでも食べられるわ)
という表現が出てきた(ともに、女性の発言だったので、女性語に訳されているが、もちろん、男性が使っても構わない)。こういうふうに、2つの番組で、同じ表現が出てくると印象がつよくなって、覚えやすくなる。これからも同じようなことが起きることを期待しよう。

4月13日
 NHK「ラジオ英会話」の”Listen for It”のコーナーではSummer campのコマーシャルを聴きこんでいる。チャーリー・ブラウンやスヌーピーが活躍するシュルツの漫画『ピーナッツ』で描かれているように、アメリカの子どもたちの生活に夏のキャンプは欠かせないもののようであるが、日本ではそれほど盛んではないように思う。甘糟幸子の野草をめぐるエッセーの中に、日本でも本格的なキャンプをやってみようと、子どもたちを引き連れて丹沢の山の中に出かけるくだりがあったと記憶する。それなりに成功はしたのだが、翌年以降定着しなかったようである。

4月14日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」の時間で11から20までの数詞を取り上げた。昨日はイタリア語の時間で11から上の数詞を取り上げている。
 11はフランス語ではonze, イタリア語ではundici,
 12はフランス語ではdouze, イタリア語ではdodici,
17はフランス語ではdix-sept, イタリア語ではdiciasette,
19はフランス語ではdix-neuf, イタリア語ではdiciannnove
と微妙に違う。特に11と12が違う。

4月15日
 神保町シアターで『本日休診』を見る。井伏鱒二の同名作品の映画化である。井伏の「遥拝隊長」と「白毛」の一部が取り入れられていると思うのだが、『本日休診』の原作を読んでいないので、何とも言えない。渋谷実のこの映画については、また機会があれば触れるかもしれない。 
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