2014年に見た映画から

1月8日(木)晴れ

 昨年=2014年は66本の映画を映画館で見た。既に書いたことであるが、そのうち2本は2度目の観賞で、始めてみた映画は64本ということである。日本映画が43本、外国映画が23本であった。このように日本映画が多いのは、これまでの私の映画経験の中では異例のことである。

 日本映画の新作をできるだけ見るように心がけているのだが、見落とした作品も多い。そのためか、もう一つ感心した作品というのが思い出せないのだが、中から3本を選ぶと『ぼくたちの家族』、『そこのみにて光り輝く』、それに『ほとりの朔子』ということになるだろうか。それぞれに不満もあり、同じ佐藤泰志の作品の映画化ということで『そこのみにて光り輝く』は『海炭市叙景』に及ばないのではないかと思ったりもするのだが、別の意見もあるだろう。鑑賞する作品の数をもう少し増やしたかったというのが実感である。

 それに対して、日本映画の旧作はこれまでになく見たという感じである。それも神保町シアターとシネマヴェーラ渋谷で見た映画の占める割合が多い。その中で一番古い作品が1941(昭和16)年の小津安二郎監督『戸田家の兄妹』であり、さらに川島雄三の監督昇進第1作である『帰って来た男』(1944=昭和19年)がそれに続く。両作品とも映画製作当時の世相を描きこんでいる(その点では『帰って来た男』の方が興味深い)一方で、戦後の、とくに昭和20年代、30年代の日本映画につながる要素を多く含んでいるように思われる。もう少しこのあたりの時代の映画を見ていこうと思っている。古い時代の日本映画をなぜ見るのか、ということだが、過去の日本の生活を同時代の映像を通して見つめなおすということが、自分の育ってきた環境を見つめなおすということにつながってくるからではないかと思う。

 そうした中で、一番強い感動を受けたのは、原作を読んでいるし、第1部だけだが舞台化されたものも見ている島崎藤村原作の『夜明け前』(吉村公三郎監督)で、これは直接私の個人使途はつながらないのだが、もっと一般的な意味で歴史とは何かについて映画がどのように答えることができるかという一つの例ではないかと思う。そのほか、今村昌平の初期の作品『果てしなき欲望』、溝口健二が戦後すぐにつくった『女優須磨子の恋』が印象に残っている。これらもすでに歴史の一コマになりかけている映画である。

 外国映画では相変わらずヨーロッパや中東の作品の方に関心が向かい、アメリカ映画はあまり見なかった。サウジアラビアの『少女は自転車にのって』、ハンガリー・ドイツ合作の『悪童日記』、イタリアの『ローマの教室』の3本を挙げて置こうと思う。このほかに、英国の『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う』についての記事への拍手が多かったのは、今後の参考にしたいと思った事柄であった。外国映画の旧作では、いまさらという感じではあるけれども『ロベレ将軍』、それから、『アメリカの影』をやっと見て、それぞれにいろいろなことを考えさせられた。

 2014年に見た映画全体を通じて、やはり自分史を軸にした歴史への関心が映画観賞の動機の一つになっているようである。が、思い返してみると、劇映画中心で、もう少しドキュメンタリー映画を見た方がよかったのではないかという気もしている。むかし京都でドキュメンタリー映画や実験映画を中心に見る映画サークルに属していたので、そういう初心を忘れたくないと思うからである。 
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