歴史のために

1月5日(月)晴れ、温暖

歴史のために
 中国の詩人元好問は12世紀から13世紀にかけて中国の北方を支配していた金王朝に役人として仕えていたが、金が元に滅ぼされた後、金の歴史を書くことに没頭した。中国ではある王朝が滅びると、それに取って代わった王朝に仕える学者たちによって、前の王朝の歴史が編纂されるしきたりがあり、自分が書き残した歴史記録が、新たに編纂される歴史に利用されることを期待しての作業であった。
 彼がそのような歴史編纂の作業を歌った詩である「野史亭雨夜感興」を自由に書き換えてみた。

主役ではなくても
当事者としてかかわった出来事もあるし
目撃した出来事もある
文書で確かめた出来事もあるし
噂で聞いただけの出来事もある

いろいろな出来事の記録が
手元にあって
その一つ一つを
できるだけ細い筆を使って
小さな字で 詳しく
かきとめる

戦乱の中から起こった
金は
戦乱によって滅びた
文字の中から
この時代を生きて、死んだ
できるだけ多くの人々の
喜び、悲しみ、苦しみ、悩みが
浮き上がるように
小さな字のひとつひとつに
心を込める

誰かが
読んでくれるだろう
そして書き写し
書き写して
後の時代に伝えてくれるだろう

そうはいっても
老眼に 小さな字はつらい
手のしびれ、指の痛み
頭痛
戦乱と
つかの間の平和の時代の
人々の暮らしと心を
記録する
私の努力は
どこまで続くのか

筆をとめて
深夜のかすかな雨音を聞く
かすかな、かすかな雨音を聞く
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