スウィフトに

10月12日(日)曇り

 忙しく動き回っているわけではないのに、なかなか考えがまとまらず、文章が書けない。空白を作ると、あとが苦しくなるので、以前、ダブリンの聖パトリック大聖堂をたずねたときの印象から書いた詩を載せておく。

 スウィフトに

暗い大聖堂を出ると
明るい 緑の風景が 広がる
暗がりの 中で
ステンドグラスの 鮮やかな色に
見とれていた 目が
戸惑いながら
この 新しい 眺めに
目を 瞠る

ガリヴァ―は
小人国から帰った時も
大人国から帰った時も
物差しの違いに
戸惑い続けた

かつて
この大聖堂で
ジョナサン・・スウィフトが 説教していた
彼は この大聖堂の
首席司祭である以上に
パンフレットの匿名の筆者、詩人、
毒舌家、風刺家、
権力の
気まぐれだがしつこい

民衆の 友
(逆の存在だったこともあるのだが…)
ことばの威力を 誰よりもよく知り、誰よりもよく使いこなした
イングランドとアイルランドを 往復し
ガリヴァ―を 飛島から 荒廃した地上へと 旅させた
そして 荒廃の原因が
飛島の 政治にあることを語らせた

自分の説教を聞きながら
眠りに誘われている信者たちに
説教中に眠った 人々の魂の
行方について語った

眠っていた人々は
うとうとしながら、
フゥイヌムの 良心の声を
良心の声と 受け止められずに
うなされていたかもしれない
そして 暗がりの中で
スウィフトは どんな顔をして しゃべっていたのだろうか

暗い 大聖堂の中の
スウィフトの墓を訪れる人は 絶えない
ガイドが 彼のロマンスを語り
観光客たちを 笑わせているが
スウィフトの 肉声を 聞いたら
どんな気分になるだろうか

彼も 時々は
大聖堂を出て
緑の風景を眺め
風に吹かれたことが あったに違いない

強い風が 木の葉を舞い散らす
スウィフトの魂は いま
どこを向いて 何をしゃべっているのだろうか
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