フランス革命とロベスピエール

5月15日(木)雨のち曇り

 本日放送されたNHKラジオまいにちフランス語応用編「作家とともにパリ散歩」(再放送)の第11課は19世紀フランスの歴史家ジュール・ミシュレ(Jules Michelet, 1798-1874)の『フランス革命史(Histoire de la Révolution française) 』(1847-1852)の中の「ロベスピエールの失脚と恐怖政治の終焉」を扱った部分を取り上げた。厳密にいうと、ロベスピエールが処刑された後のパリの雰囲気の変化を、当時10歳だった男の思い出を中心にして描いた部分である。

 両親に連れられて劇場に行った子どもは、出口で初めて華やかな馬車の長蛇の列を見て圧倒される。上着を着た人々が帽子を脱いで、劇場から出てくる観客に「馬車はいかがですか」とたずねていた。こどもはこの初めて聞く言い回しの意味があまりわからず、その意味を教えてほしいと頼むのだが、ただil y avait eu un grand changement par la mort de Robesspierre. (ロベスピエールの死によって大きな変化が起こったのだよ)と教えられるばかりであった。

 馬車は富の象徴としてロベスピエールの支配のもとでは禁止されたのが、日の目を見ることになった。馬車を取り上げることで、ミシュレはロベスピエール死後の社会の変化を巧みに描き出している。とともに、このような変化が人々の心にいつまでも残るという事実も書き留めているのである。

 ミシュレは共和主義者であり、ロベスピエールの平等な社会の実現を目指す理想主義には共感していたが、その一方でその実現のために彼がとった態度については非難するという、両義的な評価を下している。そして彼の『フランス革命史』がロベスピエールの失脚により擱筆されていることに、彼のフランス革命についての見方が集約されていると講師の井上さんは説明していた。

 もう1人の講師であるヴァンサン・ブランクールさんによると今日でもロベスピエールについてフランスでは賛否の議論が絶えないという。ただ、彼の故郷であるアラスには彼の名前を冠したリセ(高校)があるという。

 ロベスピエールはその光と影があまりにも著しい例ではあるが、歴史上の有名人とその業績には、肯定面と否定面があり、しかもどれが肯定すべき点で、どこが否定すべき点なのかをめぐっては論争があるのが常である。歴史記述も、歴史教育も、このことを踏まえて読者、あるいは生徒の間で生産的な議論が起きることを期待して行われるべきではないかと思う。
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