語学放浪記(28)

4月12日(土)晴れ

 NHKラジオの語学講座は2週目が終わった。これまでも書いてきたように、ラジオ番組を聴くだけでなくプラスアルファの努力が必要だと思って、色々と手立てを考えているのだが、なかなか実現しない。

 これまで、このブログでは私が英語をはじめとして、学校で教えられたり、ラジオやテレビの語学番組で取り上げられたりする、いわば主要言語とどのように付き合ってきたかについて書いてきたが、本当のところ、これまで書いてきた他にも、いろいろな言語を勉強しようと思い、ある言語については取り組み始めて、しばらくして投げ出し、ある言語については入門書を買っただけで投げ出し、ある言語については心の中で思うだけで実際には取り掛からなかったという経緯がある。スウェーデン語とか、ポーランド語とか、ハンガリー語とか、それぞれに勉強しようと思うに至った理由があり、そういう言語を列挙していくとかなりの数になる。

 言語への好奇心の先には何があるのだろうか。空港の売店で自分の旅行先でもない地方への旅行記を突発的に買うことがある。旅行先の本屋で、特に必要とするわけでもない言語の入門書を買ってしまうことがある。その言語を使って生活している人々の暮らしとか、社会の在り方についても興味があるが、それ以上にどのような文学作品が生み出されてきたかということに関心を持っている。

 自分でも詩を書いているから、外国語で書かれた詩にも興味がある。とはいっても、吉田健一が英語やフランス語の詩を口ずさみながら、目に涙を浮かべたなどというのは全く他人事である。私の場合は、W.B.イェイツの詩を英語で読んで、その意味は理解できても、詩としての価値を実感できるという域には達していない。イェイツの詩の背景にあるアイルランドの文学的な伝統についての理解も不足している。アイルランドに滞在した折には、この国の豊かな文学的伝統を本当に理解するには英語のほかにアイルランド語とラテン語の知識が必要だなと思った。ラテン語のほうは少しずつでも勉強してきたが、アイルランド語にはなかなか手が回らない。アイルランドに限ったことではない。映画『ハーフェズ』を見て、ペルシャ語の音の美しさとその文学的な伝統を改めて感じ、ペルシャ語を勉強しようかと思ったが、アラビア文字を見ただけで恐れおののいてしまって、書店で入門書を覗き見るだけで済ませている。

 文学的な興味から勉強したいと思った言語以外にも、別の理由で興味を持った言語もある。社会言語学的な興味というのか、少数言語に興味を持って、イベリア半島のカタルニヤ語とか、ガリシア語の入門書を買って読み始めたこともあるし、オランダの一部で話されているフリジア語についても入門書を購入した。どちらかというとヨーロッパの言語、その中でもロマンス語のほうに興味が向っている。一種の出来心で、アメリカに本部のある「(絶滅の)危機に瀕している言語(を守るための)基金」という団体と連絡を取っているのだが、そのニューズレターにスペインの北西部の3つの村だけで話されているファラ(Fala)語という言語を記録するだけでなく、その言語を使って生活している人々の農業や牧畜における伝統的な勤労や日常生活の姿を保存しようという試みが紹介されていた。ファラ語はポルトガル語やガリシア語に近い言語だそうである。勉強する気は起きないが、その存在を知っただけでも得したような気分になっている。
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