ケンとメリー 雨上がりの夜空に

12月1日(日)晴れ

 映画の日。109シネマズMMで『ケンとメリー 雨上がりの夜空に』を観る。109シネマズMM全体では会館前に長蛇の列ができていたのだが、この映画を観ていたのはわたしが数えたところでは5人だった。もっと多くの人たち、特にマレーシアが舞台になっているので、マレーシアを訪問した経験のある人に見てもらって、映画についての議論を深める必要があるのではないかと、残念に思う。

 マレーシアに向かう飛行機がハリケーンに見舞われる。マレーシアでボランティアとして日本語を教えている娘が現地で結婚式をあげるというのを阻止しようと、会社の商品の荷物を届ける名目で出張してきた初老のサラリーマン片倉健。ハリケーンの影響でクアラルンプールから遠く離れた遠隔地の空港に到着、バスとタクシーに乗車を拒否され、親切にしてくれたと思った女性に財布をすり取られる。弱り目にたたり目の彼を乗せてクアラルンプールまで運ぼうというのはモウリス・マー、通称をメリーというトラックの運転手、小龍(シャオロン)と名づけたおんぼろトラックを乗り回している。

 なぜか片言の日本語が話せるメリーは、健の娘である縁(ゆかり)を知っているという。英語、中国語、マレー語が入り乱れながら、多様性の国であるマレーシアを2人が、意気投合したり、反目したりしながら旅していく。メリーがマレーシアの多様性の良さを得々と語るセリフの一方で、トラックが盛んに揺れる場面が片言の会話が陥りがちな建前過剰と現実のギャップを簡潔に示していて面白い。はたして彼らは結婚式に間に合うのか、間に合ったとしても結婚式はどのような結末を迎えるのか?

 メリーが代表しているのはマレーシアというよりも、東南アジアの華人文化であるようで、健が高倉健と間違えられかけたり、ブルース・リー(李小龍)のまねを演じたりする場面も挿入される。旅が進むにつれて、健は妻ががんで死にかけているときも仕事に追われていたことや、メリーが過去に結婚寸前に逃亡したことなどが明らかになってくる。父と娘の性格の類似や、それだけ反目が深刻であることも知らされる。

 映画の焦点は文化の摩擦や親子の問題に向けられており、マレーシアのブミプトラ政策とそのための華人が直面している問題といった政治的・社会的な問題は取り上げられていない。マレーシアに出かけたことのある方の意見を伺いたいというのは、そういうことである。健を演じている竹中直人が被っているかつらを時々直す場面が、あるいは隠れたメッセージなのかもしれないなどと思ってしまう。
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