グッモーエビアン!

10月27日(日)晴れ

 午前中、空いた時間を使って109シネマズMM横浜で『グッモーエビアン!』を見た。昨年度公開された作品であるが、何とか音楽祭の一環として特別に上映するということらしい。しかし、「ロック」によって結びついているらしい「家族」を描いたこの作品が音楽祭の趣旨にふさわしいかどうかは疑問である。さらに「グッモーエビアン」という題名も耳慣れないところがある。(Good morning, everyone!をOz(オーストラリア風の)英語で言うと、こういうふうに聞こえるらしい。)

 そうはいっても、なかなか面白い映画であった。中学生のハツキはシングル・マザーのアキと二人暮らし。実はアキにはヤグ(矢口の省略形らしい)というパートナーがいるのだが、自転車事故で入った思いがけない保険金を資金として海外旅行中なのである。ある日、そのヤグから「グッモーエビアン」と書きなぐった絵葉書が届く。オーストラリアを出て、アジアへと向かうという。十代でハツキを妊娠したアキは、ハツキの父親ではないが、まだ中学を卒業したばかりだったヤグから求婚される。ヤグはまだ法律的に結婚できる年齢になっていなかったので、そのまま3人で暮らしてきたのである。ヤグがヴォーカル、アキがギターを担当するバンドを組んで一時期は活動していたのだが、今は解散してアキは忙しく働いている。

 ハツキにはトモちゃんという親友がいる。風変わりな結びつきの「家族」をもつハツキを理解するただ一人の級友であるが、ハツキは経済的に豊かで夫婦円満に思われるトモちゃんを羨ましく思っている。産休に入った先生に代わって若い小川先生が彼女たちのクラスの担任となる。Good morning, everyone! あっ、そうか。

 1年半の不在の後、ヤグが戻ってくる。アパートにたどりつく前に路上で腹を減らして行き倒れになり、ハツキを見つけて追いかける途中でまた、自分は腹を減らしていたことに気づくという相変わらずのデタラメぶりである。そういうヤグをアキは寛大に迎えるが、そういう2人がハツキには気に入らない。3年生になったハツキは進路をめぐる三者面談を迎えているが、アキは自分のことは自分で決めろと言って出かけようとしない。ハツキは次第に不満を募らせ、1人で先生と面談した後、自分に対して何か言いたいことがあるのに言い出せないらしいトモちゃんのヤグが自分の父親ならいいという言葉に腹を立ててけんか別れしてしまう。

 善意から出た言葉に傷つくこともある。青年前期という激しい変化のさなかにあればなおのことそういういことは起こりやすい。自分が傷ついたことをあからさまに打ち明けることで、他人を傷つけてしまうこともありうる。他人の気持ちを理解することは難しいというエピソードが連続する物語の中で、家族には決まった形があるわけではなく、いろいろな形があってよいのだが、それに気づくのは難しいという主張が展開される。風変わりに見えるが自分の生き方を貫くアキとヤグと接する中で、ハツキが次第に成長していく。「家族」を音楽を結び付けているという設定に無理が感じられるのだが、主張そのものはよくわかる作品であった。

 アキを麻生久美子、ヤグを大泉洋、ハツキを三吉彩花が演じている。映画の後半でヤグがハツキを乗せて自転車を飛ばしていくうちにトラックと衝突する場面がある。『俺はまだ本気出してないだけ』にも同じような場面があった(ただし後ろに誰かを乗せていた訳ではない)と思うが、そのあとの展開は違う。『俺は』で主人公の娘を演じていたのが橋本愛であったが、この作品でハツキの親友のトモちゃんを演じているのが能年玲奈である。能年さんは『あまちゃん』を演じる前には、中学生の役を演じていたのかなどと、映画そのものを離れた楽しみ方もできる。
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