探偵事務所23 くたばれ悪党ども

10月8日(火)晴れ

 10月7日、神保町シアターで「探偵事務所23 くたばれ悪党ども』(1963)を観る。「祝卒寿 鈴木清順 日活撮影所『鈴木組』のゴヒイキ20本」特集上映のうちの1本である。大藪春彦の『探偵事務所23』を原作として、山崎巌が脚本を書いた作品。宍戸錠が主人公の探偵田島英雄を演じている。

 鈴木清順監督の作品はそれほど多くを観ているわけではないが、それぞれ面白いと思って見た。しかし、そのほとんど全部が彼の評価が高まってから見たものであり、自分なりに発見した作家といえないのは残念である。個人的な意見としては小林旭主演の『関東無宿』がもっとも気に入っており(特に伊藤雄之助と中原早苗がいい)、『カポネ大いに泣く』に不満が残っている。企業の枠の中でいろいろと工夫を凝らしてつくった娯楽作品が面白く、自主的につくった作品はあまり面白くない。そういう意味で彼が日活を解雇されたのは残念であり、解雇したバカ社長はいくら責められても仕方のないところであろう。

 米軍の武器の横流しをめぐって銃撃事件が起きて、大量の死体が発見される。警察はただ1人の逮捕者である真辺を泳がせて、事件の背後関係を探ろうとするが、探偵事務所23の田島が現れ、これは暴力団同士の抗争ではなくて、その背後に別のグループが存在するとの推理を展開し、自分が囮になって真辺の背後を探ると言い出す。警察はしぶしぶ彼の申し出を承諾し、田島の潜入捜査がはじまる。真辺を通じて彼は畑野という謎の男の率いるグループに接触するが、このグループには美しい娘千秋が加わっていて、彼女はグループから抜け出したがっているらしい。

 それほど予算をかけないプログラム・ピクチャー(ただし続編はつくられなかったようである)だが、エキストラの人数の多さなどからまだまだ日本映画には活力が残っていたことが確認できる。東京の町には都電が走っていて、終わり近く殴りこみに出かける暴力団がオート3輪のトラックに載っていたりする場面が(その当時としては何ということもなかったのだろうが)、今となってみると懐かしく、楽しくさえある。その中で白いオープンカーを走らせる宍戸錠=田島の颯爽とした活躍ぶりが見事で、彼の探偵事務所のあまり役に立たないスタッフが巧みにコミック・リリーフを務めている。千秋を演じている笹森礼子の性格表現は、その後の松原智恵子のそれを連想させる。

 20本の上映作品のうち、見逃してしまったことを残念に思うものが少なくないが、今月25日までの上映なので、まだ間に合う作品も多い。また機会を見つけて出かけようと思った次第である。
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