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日記抄(2月26日~3月3日)

3月3日(火/上巳)晴れ、温暖

 2月26日から本日までのあいだに経験したこと、考えたこと、これまでの記事の補遺・訂正等:
2月26日
 1936(昭和11)年のこの日、陸軍の一部の将校がクーデターを起こす。当時大学生であった私の父親が間近で起きた事件として語っていた。その際に、手に入れたという「下士官、兵に告ぐ」というビラは、長いこと我が家に保存されていた。父の生前にもう少し詳しい思い出を聞いておけばよかったと今になってみると思う。わたしの父親は1915(大正4)年生まれだが、同じ年の生まれ(ただし早生まれ)である5代目柳家小さんが反乱軍の中に兵卒として加わっていたことはかなり有名な話である。

 NHKラジオ『実践ビジネス英語』の”Quote...Unquote"のコーナーで取り上げられた言葉:
Go west, young man.
  ―― Horace Greeley (American author, statesman and editor, 1811 - 72)
若者よ、西部へ向かえ。
 マルクス兄弟の1940年の映画『マルクスの二挺拳銃』(Go West、MGM、トゥリー・マーシャル監督)の冒頭、この言葉が引用され、しかし、この男たち(=マルクス兄弟)のことを知っていたら、そう言ったことを後悔しただろうというテロップが流れる。

 呉座勇一『日本中世への招待』(朝日新書)を読み終える。日本中世=平安末期から戦国時代までの人々がどんな暮らしをしていたかを、家族、教育、生病老死、交流(宴会、旅行など)などの項目を立てて面白く説明している。とくにおもしろかったのは、天正3年(1575)に薩摩の島津家の当主・義久の弟家久が京都、さらに伊勢まで旅行した際の記録である『家久君上京日記』の紹介である。また最近、『太平記』の中で出会った貞和5年(1349)の四条河原における田楽の興行(この際に桟敷が倒壊して死傷者が出て、天狗の仕業と噂された)のことに触れられている(210ページ)のも興味深かった。

2月27日
 NHKラジオ『まいにちスペイン語』応用編「すばらしきラテンアメリカ」はチリが舞台で、この国を代表するフォルクローレ歌手であったビオレタ・パラ(Violeta Parra, 1917 - 1967)の名が出てきた。代表作はGracias a la vida (人生よありがとう)で、検索したが、どんな歌かわからなかったのが残念である。
 また、イースター島をスペイン語ではla isla de Pascuaという(ということは、イースターはスペイン語ではpascuaである)ことを知った。

2月28日
 『NHK高校講座 倫理』で「日本人のものの考え方」について取り上げていた。日本文化や日本思想の特質についてはいろいろな人がいろいろなことを言っていて、そのなかのごく一部を抜き出して紹介していただけなのだが、和辻哲郎の「牧場、砂漠、モンスーン」という風土の分類が取り上げられたので、梅棹忠夫が第一地域・第二地域という彼独自のユーラシア世界区分に基づいて、この見解を強く批判していたことを思い出した。和辻について述べるのならば、梅棹の批判も取り上げるべきだし、他の意見も紹介して、学習者が自分で考えるようにした方がいいと思う。

2月29日
 『朝日』の「多事奏論」のコーナーの議論には首をかしげることが少なくないのだが、本日の山脇岳志記者による「シンガポールの教育」について取り上げた論考は大いに考えさせる内容を含むものであった。国際的な大学のランキングでの順位を気にしすぎると、大学の個性が失われる、個々の大学がどのような個性を伸ばすかを優先して研究・教育に取り組むべきだというシンガポールの大学関係者の意見が紹介されている。日本の高等教育改革は、どうしても欧米のほうに目を向けがちではあるが、20世紀の第4四半期に創設された「新構想大学」が(もちろん例外はあるが)アジアの同種の高等教育機関に比べて伸び悩んでいるのはなぜかということをもっと真剣に考えるべきであると思っていたので、大いに我が意を得た論説であった。

 倉本一宏『藤原氏』(中公新書)を読み終える。源平藤橘というが、そのなかで藤原氏の系譜につながる家名をもつ人々がいちばん多いといわれる。ちなみに倉本というのも藤原氏に連なる苗字だそうである。この書物は藤原(中臣)鎌足以来の公家・武家の藤原氏の系譜をたどるものである(公家の方が詳しい)。

 さらに大津透『律令国家と隋唐文明』(岩波新書)を読み終える。

 NHKラジオ『朗読の時間』は永井荷風の『ふらんす物語』から「放蕩」の放送を始めた。時代は違うのだが、以前このブログで紹介していた(現在中断中)フローベールの『感情教育』のパリの描写につながる部分があり、興味深く聞いた。

3月1日
 1919年、ソウルを中心に朝鮮の独立の示威運動が展開され、独立宣言書が発表された(3・1独立運動)。私の母方の祖父が朝鮮総督府の役人だったので、当時の日本人側の反応がかすかに我が家の語り草として残っている。

 1954年のこの日、漁船・第五福竜丸が、米のビキニ環礁における水爆実験で被災(9月23日に乗員の1人であった久保山愛吉さんが亡くなられた)。小学生だったので、こちらの方は自分自身の記憶として残っている。

 『朝日』の朝刊に「東大『2割の壁』を破れるか」という記事が出ていた。東大の学部学生における女子の比率は、2割を超えたことがないという記事であるが、他の大学ではどうなのかということも視野に入れて論じてほしいという気がした。

 松井大輔『サッカー・J2論』(ワニブックスPLUS新書)を読む。2000年に京都パープル・サンガに加入後、フランス、ロシア、ブルガリア、ポーランド、また日本ではジュビロ磐田、横浜FCでプレーして20年間に各国の1部リーグと2部リーグでの経験をちょうど10年ぐらいずつ積んできたという松井選手がJ2と海外の2部リーグでの経験を中心に、サッカーの見どころをまとめた書物である。松井選手というと、昨年の天皇杯の2回戦で、横浜FCが仙台大学に0‐1とリードされて、あわやという試合展開の中で、同点のシュートを決めた場面がいちばん印象に残っている。今年J1でどんなプレーを見せてくれるのか、それが楽しみでもある。

3月2日
 『朝日』の「声」欄に「短大 凝縮した学びの場だ」という短大の先生をしている方からの投書が掲載されていた。短大の学生は「すぐ社会人になるためか、緊張感があり学ぶ意欲も決して低くない」というのは、10年以上短大の非常勤講師をした経験からうなずける観察である。その10年以上のあいだに、2年制の短大、3年制の短大、それから短大卒の資格の取れる専門学校、また高等専門学校という4種類の学校で教えた。地方と大都会とでは違うかもしれないが、投書子と同じように学生たちの意欲ある学習態度に接した経験から、短大の意義について掘り下げて考えることをせずに、片っ端から4年制大学に改組していった「改革」には異議を唱えたいところがあり、興味深く読んだ。投書子は「社会に出たのち、もっと学びたいと思った時にいつでも学べる環境こそ必要ではないか」とリカレント教育の実現を望んでいて、それには私も賛成なのだが、それとともに、2‐3年制の短大から4年制大学への編入をもっと盛んにすることが入試改革よりも重要なのではないかと思っている。

雨に濡れ ミモザの花に春重し

森羅万象意に沿わぬこともあると知り
(かどうかはわからない)
ウイルスを袋に詰めて牢に入れ
{昔、雨水を牢屋に入れた上皇(=法皇)がいたと聞く。}

3月3日
 『日経』のコラム「大機小機」でコラム子が、アメリカ大統領選挙で「『急進左派』とされるサンダース氏、ウォーレン氏こそ中道である」、「サンダース氏らが唱える国民皆保険は、まともな民主主義国の世界標準である。『社会主義』と決めつけるほうが異質である」と論じていて、言われてみればその通りだと認識を新たにした。それはそうと、サンダース氏の言うことに反対ではないのだが、78歳という年齢が気になっている。

 同じく『日経』のスポーツ欄のコラム「スポートピア」で、野球解説者の仁志敏久さんが常総学院時代の恩師である木内幸男さんについて書いている「自ら考え動く木内野球」が自分の体験に基づく記事だけに興味深かった。それはそうと、今年の春の選抜野球は無観客で実施されるようである。どんな展開が待っているのであろうか。

 NHK『ラジオ英会話』の講師である大西泰斗さんが番組の最初にいうジョークが時としてつまらないと(謙遜して)言ったところ、番組パートナーの秋乃ろーざさんが常につまらないと返したのは、どうもその通りで、もう少し考えてほしいと思うところでもある。
  
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