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ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(17)

11月3日(日・文化の日)曇り

 19世紀初めのイングランド、ロンドンの北の方にあるハートフォードシャーのロングボーンという村の地主であるベネット氏にはジェイン、エリザベス(エライザ、リジー)、メアリ、キャサリン(キティー)、リディアという5人の娘がいた。この家系の決まりで、財産は男系で相続されることになっており、娘たちの1人でも裕福な紳士と結婚してくれることがベネット夫人の願いであった。
 ジェインはロングボーンの近くのネザーフィールド邸を借りたビングリー氏という青年紳士に心惹かれ、ビングリー氏も彼女に思いを寄せている様子であり、彼の姉妹たち、ジェインとエリザベスの間にも友人同士の付き合いが始まる。一方、ビングリー氏の親友だというダーシー氏という大富豪の青年はエリザベスと最悪の出会いをするが、その後、彼の方ではエリザベスに魅力を感じ始めている。
 ベネット家の財産を相続することになっているコリンズという青年がロングボーンを訪問する。彼は教区牧師の地位を得たので、ベネット家と和解したいというが、本心としては美人で気立てがいいという5人姉妹のうちの1人と結婚することが目的である。そして彼はエリザベスに白羽の矢をあてる。そのエリザベスは、近くのメリトンの町に駐屯する国民軍のウィッカムという士官と知り合う。彼はダーシー氏の悪い面を知っているようで、彼のうわさでエリザベスと盛り上がる。
 ネザーフィールド邸で開かれた舞踏会で、エリザベスはウィッカムと踊ろうと楽しみにしていたのだが、彼は出席せず、コリンズと最初の2曲を踊ることになり、さらにダーシーに踊りを申し込まれ、承諾してしまう。その後、エリザベスはコリンズに付きまとわれて自由に行動できなかっただけでなく、母親の非常識なおしゃべりにも苦しめられる。
 翌日、コリンズはエリザベスに結婚を申し込み、エリザベスはそれを断るのに苦労する。自惚れの強いコリンズは、彼がエリザベスに好かれていないことがわからないのである。結局父親の助けを得て、ようやく断ることができる。(以上第1巻20章まで)

 コリンズの求婚をめぐるもめ事はどうやら終わったが、その後、気まずい雰囲気がつづいたのは言うまでもない。しかしコリンズはエリザベスにしつこく付きまとうことをやめたかわりに、ミス・ルーカス(シャーロット)にその矛先を向けたようであった。エリザベスは、予定されていた土曜日よりも早く、コリンズが訪問を切り上げることを期待していたのであるが、彼はそのまま居座っていた。

 姉妹は、メリトンに出かけて、エリザベスはウィッカムと会うことができた。ウィッカムはダーシーと会うことは避けた方がいいので、わざと舞踏会を欠席した、その方が多くの人々を不快にさせずに済むといったので、エリザベスは彼の自制心を高く評価した。
 彼女たちがウィッカムともう一人の士官に付き添われて帰宅した後、ジェインのもとにミス・ベネットからの手紙が届いた。手紙を読んで、ジェインは一瞬表情を変えたが、努めて平静を装うとしていた。エリザベスは気になったので、その後2人きりになった時に手紙の中身について尋ねた。

 その手紙によると、ビングリーはロンドンに赴き、姉妹も彼に続いてロンドンに移ったこと、ネザーフィールドに戻ることはないということであった。ミス・ビングリー(キャロライン)の手紙には、彼女がジェインとの別れを惜しむ一方で、兄のビングリーがダーシー氏の妹であるミス・ダーシーと結婚することを望んでいることが記されていた。

 ジェインは手紙の文面をそのまま受け入れようとするが、エリザベスはビングリーのジェインに対する気持ちに変わりはなく、ミス・ビングリーはダーシー氏と結婚したいという自分の願望をかなえたいために、兄とダーシー氏の妹の結婚を望んでいると書いているのだと姉を納得させようとする(ミス・ビングリーはダーシー氏のエリザベスへの思いについて知っているために、このようなことを書いているという側面もあるが、その点をエリザベスは見落としている)。

 二人は相談して、母親であるベネット夫人にはビングリー一家がロンドンにたったことだけを話し、ネザーフィールドに戻るつもりがないことは打ち明けなかった。ベネット夫人は落胆はしたが、すぐに気を取り直して、彼らがロングボーンを訪問した時のもてなしについて考えたりしていた。

 その日、ベネット家とルーカス家は一緒に夕食をとることになっていて、このときもミス・ルーカスはコリンズ氏の相手を引き受けてくれた。エリザベスはそのことでミス・ルーカスに礼を言うが、ミス・ルーカス(シャーロット)は実はコリンズ氏の気持ちを自分の方に引き付けて、エリザベスの方に戻らないようにしようとたくらんでいたのであった〔エリザベスとシャーロットは親友であったが、親友だからといって、こういう問題で同じ気持ちを抱くとは限らないのである〕。コリンズ氏と別れるとき、シャーロットは自分の彼との結婚の望みはかなり強いと思ったのだが、彼女の予期していた以上に事態は急に進んで行く。

 翌朝早く、コリンズ氏はロングボーン邸を抜け出すと、シャーロットに求婚し、彼女はそれを受け入れた。2人はすぐに、サー・ウィリアム・ルーカス夫妻の承諾を求め、夫妻は喜んで結婚を認めた。27歳で結婚の見通しが立っていなかったシャーロットの結婚は一かにとって望外の喜びだったのである。一方シャーロットは、結婚を承諾したものの、極めて冷静な気持であった。「教育があっても財産のない若い女にとっては、結婚は喰いはぐれないための唯一の恥ずかしくない手段であり、幸福が得られるかどうかはいかに不確かであろうと、貧乏を免れるための予防策としては最も快適なものに違いなかった。その予防策を今や手に入れたのである。すでに27歳で、美貌にも恵まれなかったシャーロットは、この幸運を沁じみと噛締めた。」(大島訳、218ページ)

 シャーロットはエリザベスにはこのことを自分で打ち明けようと思ったので、婚約の件は黙っているようにとコリンズ氏にくぎを刺した。土曜日の朝早く、コリンズ氏は出発することになっていたので、金曜日の夜に一家に別れを告げた。ベネット夫人のまたご訪問くださいという社交辞令に対し、彼は近々またお邪魔しますと言って、一家を驚かせた。そしてケントへと戻っていった。

 翌朝、エリザベスはシャーロットからコリンズ氏と婚約したと聞かされて驚く。彼女は気を取り直して、シャーロットの説明を聞くが、シャーロットが「選んだ運命ではほどほどの幸福も不可能だと思われるだけに、ひどく胸が痛んだ。」(大島訳、223ページ)

 物語は急転、コリンズ氏はシャーロットと結婚することになる。ジェインとビングリー氏の関係はいったん打ち切られ、エリザベスはダーシー氏の思いは知らず、彼に偏見を持ち続け、ダーシー氏と反目しているというウィッカムに好意を抱いている。物語はこの後、どのように展開するか、下の3人の妹たちの身辺に何か起きるかもしれないし、依然として目が離せないのである。

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