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日記抄(7月30日~8月5日)

8月5日(月)晴れ、暑し。

 7月30日から本日までの間に経験したこと、考えたこと、その他これまでの記事の補遺・訂正等:
7月30日
 NHKラジオ『まいにちフランス語』の”Bienvenue dans la francophonie"(フランコフォニーへようこそ)のコーナーは、カリブ海のフランス語圏の国:ハイチ(HaÏti)を取り上げた。
 「ハイチ」は先住民の言葉で「山ばかりの土地」という意味であり、フランス植民地時代にはサン≂ドマングと呼ばれていた。
Avant la Révolution française, la colonie de Saint-Domingue fournissait les trois quarts de la production mondiale de canne a sucre. On l'appelait la . (サン≂ドマング植民地は、フランス革命前には世界のサトウキビの4分の3を生産し、「カリブの真珠」と呼ばれていた。)
 しかし、革命の人権思想に刺激を受け、トゥーサン・ルヴェルチュールが率いるドレイの反乱がおき、1804年に、ハイチは初の独立した黒人共和国となった。
 ハイチでは独立時からフランス語が公用語とされたが、1987年にハイチ・クレオール語も公用語となった。日常生活ではクレオール語、公的な場面ではフランス語が用いられる。ハイチの人口は1100万人ほどで、42%がフランコフォンである。

 『三銃士』、『モンテ・クリスト伯』などを書いたアレクサンドル・デュマ(父)(Alexandre Dumas, père, 1802-1870)の父親トマ≃アレクサンドル・デュマ(Thomas-Alexandre Dumas, 1762-1806)はハイチで、フランス人の貴族と黒人の奴隷女の間の私生児として生まれ、後にフランスにわたって軍隊に入り、王党派から革命派に鞍替えして、陸軍中将にまでなるが、ナポレオンとの反目から軍隊を去るという劇的な人生を送り、息子であるデュマの多くの小説のモデルとなっている。

7月31日
 『まいにちフランス語』の”Bienvenue dans la francophone"はカリブ海に面した、フランスの海外県・地域圏(DROM)であるグアドループ、マルティニーク、フランス領ギアナ、海外自治体(COM)のサン=バルテルミー、サン≂マルタンを取り上げた。これらの地域ではそれぞれクレオール語とフランス語とが社会の中で併用されている。グアドループの人口は45万人ほどでフランコフォンの割合は84%、マルティニークでは38万人の人口の81%、フランス領ギアナは29万人の人口の62%がフランコフォンである。

 ナポレオン・ボナパルトの妻ジョゼフィーヌはマルティニーク島の大農園主の娘として生まれた。ジョゼフィーヌの息子であるウジェーヌ・ド・ボアルネはバイエルンの王女オギュスタ=アメリ―と結婚し、その子どもたちも各国の王族・貴族と結婚したために、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ギリシャの王族の先祖となった。(ということは、現在の英国の王室にも、その血が流れているということである。)
 グアドループ生まれの詩人サン=ジョン・ペルスはノーベル文学賞を受章した。1985年に日本で公開された映画『マルチニックの少年』は同島出身の作家J・ゾベルの少年時代の回想を、同じくこの島で生まれ育った女流監督ユーザン・バルシーが映画化したもので、高く評価された。

 倉田徹 張彧まん『香港 中国と向き合う自由都市』(岩波新書)を読み終える。

8月1日
 4月に行われた全国学力テストの結果が公表され、「話す」、「書く」のスキルにおいて課題があることがわかったという。最近の英語教育は、「コミュニケーション」重視、発信型の英語のスキルを育てることを主眼として改革が進められてきたのであるから、この結果に対する受け止めはかなり深刻なものがあるのではないかと思う。『朝日』の解説記事は、「発信力も基礎も不足」という見出しでまとめていたが、これは違うのではないか。「基礎はできているが、発信力が不足」している生徒と、そもそも「基礎ができていない」生徒の2種類があるという受け止め方をすべきではないのか。詳しい調査結果がわからないので、踏み込んだ論評は控えるが、この結果を単純に論評すべきではないと思うのである。

8月2日
 『NHK高校講座 古典』は『論語』の3回目(3回放送)。政治をテーマにした章句を取り上げたが、その中の国を保つ柱として、「兵」、「食」、「信」を挙げ、そのうち一つを捨てるということになれば、「兵」を捨て、さらに一つを捨てるとなると、「食」を捨てる、一番大事なのは人々の「信」だというのは、山岡荘八の『徳川家康』で、今川の人質になった竹千代(→家康)が、今川の軍師である太原雪斎に呼び出されて、聞かされる話である。この話は、どうも岡谷繁実の『名将言行録』に出てくるらしいのだが、確認していない(この本を読んだ記憶はあるのだが、この話が出てきたという記憶はないのである)。なお、竹千代と雪斎のこのエピソードは昔、テレビの『少年徳川家康』に取り上げられていたから、ある年齢の人だと思い当たるのではないかと思う。

8月3日
 『朝日』の「塾が教えない 中学受験 必笑法」という記事で、おおたとしまささんが、「無理やり勉強させるのではなく、安心感を与えることが親の役割」と書いているのが、自分の経験から言っても、その通りだと思われる記事であった。知育・徳育を通じて、子供が自分の存在、親との関係を通じて、安心感を抱くということが一番の基礎だと思うからである。

 同じく『朝日』の「古典百名山」で平田オリザさんが二葉亭四迷の『浮雲』を取り上げているのを興味深く読んだ。「四迷は新しい文体を得たが、それで何を書けばいいのかが解らなかった。彼はロシア語に堪能で、当時、西洋近代文学の頂点を極めつつあったロシア文学に精通していた。それとの対比から、己の力のなさを自覚していたのだろう。四迷が再び小説を書くのはこの20年後になる。」
 もっともロシア文学の方でも、トルストイの『戦争と平和』にやたらフランス語の部分が出てくるというよう菜、表現をめぐる問題はあったのである。オースティンの『分別と多感』に出てくるマリアンが『アンナ・カレーニナ』のキティーに似ているところがあると思う(ただし、マリアンの結婚後がどうなったかをオースティンは詳しく書いていないのに対し、トルストイはキティーの結婚後を詳しく書いている)。この例のように、この時代のロシア文学には、民族性を突き抜けたある種の普遍的な人物造形に成功しているところがあるように思うのだが、それとこれとは別の問題なのであろうか。

 『日経』に土曜日ごとに掲載されている「詩人の肖像」で吉増剛造さんが取り上げられていて、ご丁寧に学校歴まで紹介されていたので、吉増さんが東京都立立川高校→慶応義塾大学という経歴であることがわかった。吉増さんは1939年生まれだそうで、とすると、高校1年の時に同じ学校の3年に東海林さだおさんが在学していたということになる。部活動などで一緒にならない限り、学年がちがうと接触する機会はほとんどないはずであるが、それでも2人のかなり違う個性が同じ学校で学んでいたことを考えると、楽しくなるところがある。

8月4日
 『日経』の日曜日の紙面のまとめ記事「このヒト」に登場していたマイクロソフトのCEOサティア・ナディラさんの「『何でも知っている』から『もっと学ぼう』に変わらなければ」という発言が心に残る。学ぶことは、自分の知識の量や精度を見極めて、その改善を図ることでもある。

8月5日
 『日経』1面のコラム「春秋」に、先日行われた学力テストで、封筒の表にメール・アドレスを書けば、相手方に郵便が届くという解答をした子どもがいたという話が書かれていた。しかし、長谷川町子さんが書いていたように「世田谷区のサザエさん」でファン・レターが届いた例もあったそうである。サービスは、常識を超えるものではないかとも思われる。

 『まいにちフランス語』の”Bienvenue dans la francophonie"ではクレオール(créole)についての話題を取り上げた。この言葉は、スペイン語のクリオーリョ(criollo)を語源とし、当初は植民地で生まれたものを指して用いられていた。ナポレオンの妻となったジョゼフィーヌのように、植民地で生まれたヨーロッパ人がクレオールと呼ばれたのである。
 しかしその後、西欧文化と非西欧文化との接触によって生まれた新しい文化がクレオールとよばれるようになった。このクレオールの文化は、新しい文化の可能性を示すものとして世界的に注目されるようになった。
 クレオール語(Les langues créoles)とは、異なる言語を話す者同士が意思疎通の必要にせまられ、作り上げた言語(ピジン)が母語となった言語のことである。フランス語圏地域のクレオール語は、黒人の奴隷が使っていたアフリカの様々な言語と支配者の言語フランス語とが融合してできた混成語であるという。
 クレオール文化が世界的に注目を集めたのは、マルティニーク島出身の文学者たちの活躍によるところが多い。この島からはエメ・セゼール、エドゥワール・グリッサン、パトリック・シャモワゾー、ラファエル・コンフィアンらの文学者が出現した。
 そういえば、ラフカディオ・ハーンもクレオール文化に興味を寄せて、マルティニーク島を訪問したことがあるそうだ。 
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