くきやか

7月23日(火)晴れ、暑くなりそうである

 昨日の当ブログ(山口和幸さんの『ツール・ド・フランス』の紹介)で「改めて今年のレースについて、どうなっているのかを覗いてみようと思った」などとのんきなことを書いたが、その日の夕刊に既に「★新城総合99位で完走」(共同→毎日)という記事が掲載されていたのであった。総合優勝は英国のクリストファー・フルームで、昨年に続いて英国勢が勝利を収めた。

 7月21日(日)の「毎日歌壇」に滋賀県の塚本深雪さんという方の次のような短歌が選ばれていた:
訪ねゆく三月書房くきやかに店主の声す槐咲く季

 京都の寺町二条にある三月書房は学生時代、よく通った書店である。遠くの土地に就職してからも京都に出かけると、必ずと言ってよいほど立ち寄っていた。この短歌を見て、まだこの書店が続いていることを知って懐かしく、また心強い気持ちになった。

 塚本さんは短歌の本や雑誌を探してこの書店に出かけているのだろうが、詩や文学評論、思想書、その他さまざまなジャンルの小規模出版物がそろっていた。たぶん、今でもそうだろう。特にこの書店で新しい号を見つけては買っていたのは同人誌『凶区』である。もっとも実際に買ったのは3冊ほどであったと記憶する。詩を書くことから、映画批評に興味の軸足を移そうとしていた時期なので、その両方にかかわっているこの雑誌はちょうど気分にあっていた。その他に『眼光戦線』などという映画批評誌を見つけて喜んでいたことも記憶している。私の友人2人が出したミニコミなども扱ってくれて、店頭で見つけて喜んだ(しかし買わなかったのだから友達がいのない人間である)こともある。

 ところで塚本さんの歌にある「くきやか」という言葉であるが、辞書によると「物のきわだってはっきりしていること。きわやかなこと。くっきりしていること」だそうである。そう言われてみると、40年以上前にこの店で店主をしていた女性の声は「くきやか」であった。就職後、久しぶりに店を訪ねると、その声が聞こえるのだが、姿が見えない。どうも代替わりして、娘さんが店を継いでいるようで、姿は似ていないのだが、声はそっくりなのである。それからまた時間がたってしまったので、塚本さんが歌に詠んだ今の店主がそのときと同じかどうかわからない。代々、声と話し方が受け継がれているのだとすれば、それもまたこの店の財産であろう。
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