山口和幸『ツール・ド・フランス』

7月22日(月)曇り、夜になって雨

 山口和幸『ツール・ド・フランス』(講談社現代新書)を読み終える。

 1999年に英国に数カ月滞在していたが、その間、クリケットとラグビーのワールド・カップが英国(とラグビーについてはアイルランド)で、スペインのセビーリャでは世界陸上が開かれ、暇な時間は宿舎のTVでスポーツ番組ばかり見ていた。

 その中でツール・ド・フランスもTVで見ていたのだが、レースそのものよりも選手と沿道の観衆との興隆の方に興味をもった。ある選手が飛び出してきた観衆の1人とぶつかってしまったために、時間をロスしたのだが、翌日、その観衆が選手のところに謝りに行ったという場面が報じられていた。両者の距離の近さが印象に残った。箱根駅伝の観衆への規制の厳しさとは大違いだな、一度は本物を見に行きたいものだなと思ったが、実際に見に行ったことはない。日本に帰ってしまうと、ツール・ド・フランスは一部のマニアだけの興味の対象で、インターネットやBS放送で情報を得るのもなんとなく億劫になってしまう。それに私が熱心に見ていたレースがランス・アームストロングが「初優勝」したものであったこともなんとなくこのレースへの興味を失わせてしまった理由かもしれない。(1月28日の当ブログ映画『テッド』の批評でランス・アームストロングの名前を挙げている。)

 それでも、この書物が出版されたことはツール・ド・フランスが今年100回を迎えたことにもよるのであろうが、このレースの人気が少しずつ高まっていることの証拠であろう。そしてその人気の上昇には、この書物で触れられているように日本選手の参加が貢献しているように思われる。また、日本国内でも自転車のロード・レースがだんだんと人気を増していることも見逃すわけにはいかないだろう。ただ、私は自転車レースは見るだけで、自分で乗って楽しんでいるわけではないから、どうも及び腰になるところがある。

 山口さんは四半世紀にわたってツール・ド・フランスの取材を続けてきた経験をもとに、このレースがどのようなレースであるか、どんな選手が活躍してきたか、どんな歴史的な経緯をたどって発展してきたか、最近の動きと日本選手の参加、今後の展望について手際よくまとめ、このレースへの興味を誘っている。各章のあいだにはさまれているレースの要所についてのコラムも読みごたえがある。特に「モンバントゥー」が興味深い(ファーブルが彼の『昆虫記』でこの山に登った経験を書いている個所を思い出したのである)。改めて今年のレースについて、どうなっているのか覗いてみようと思った次第である(その程度の興味であることをご容赦願いたい)。
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