ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪

12月18日(火)

 今野晴貴『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』を読む。

 「ブラック企業」とは、「違法な労働条件で若者を働かせる企業」(11ページ)である。若年労働問題は、特定の職種を嫌ったり、就職しても厳しい労働条件に耐えられずに定着しない若者の「自分勝手」な意識の問題としてとらえられる傾向があるが、それだけではなく「経営の合理性」を求めて若者を使いつぶす企業が増えてきたという企業の側の問題として考える必要があるという。若者に理不尽ともいえる教育を行ったり、サービス残業を強要したりして、うつ状態に追い込み、「効率的に」退職させることで効果を上げているという。このような企業は、消費者の安全を脅かすだけでなく、被雇用者である若者の精神を蝕み、その治療を社会に押し付けることによって国家の財政破たんの要因ともなりうるという。この書物は、具体的な実例を挙げながら、そのような企業の実態を描き出している。

 個人的には、政府の「ワークルール」が、子どもに「権利を教えることではなく、企業の『厳しさ』を教えること」(224ページ)に向かっているようであるという指摘を含む、「キャリア教育」への批判が寄せられていることに関心がある。最近は学校でも非正規雇用の先生が増えていると聞く。学校自体が自らを教材として雇用の問題を考えるべき時代になっているのかもしれない。

 今のところお世話にはなっていないが、老人介護関係の仕事にこの種の企業が進出してくると、私たちの老後はきわめて暗いものとなる恐れがある。その意味で若者だけでなく、老人にも読まれてよい書物である。

 
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