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日記抄(11月26日~12月2日)

12月2日(土)晴れ

 11月26日から本日までの間に経験したこと、考えたこと、前回の補足:

11月25日
 NHKラジオ「朗読の時間」では水上滝太郎(1887-1940)の作品を読んでいるが、そのうちの「銀座復興」が終わり、「果樹」が始まった。関東大震災で壊滅的な被害を受けた銀座が、住民たちとこの町を愛する人々の力で復興しようとする様子を、焼跡にいち早く店を出した料理店とその客の姿をとおして描いている。語り手の友人である銀座の有力な店の主人は、復興をあきらめていたが、そうした人々の姿に触れて、自分も店を再建しようとする決意を固める。かなりの部分が作者自身の経験に基づいていると思われる作品である。一方、「果樹」は地方から出てきた銀行員が、下町育ちの女性と結婚して、白金の寺の一角を借りて新しい生活を始める様子が描かれている。現在、白金の病院に通っているので、何となく親しみの枠物語の設定であるが、今後はどのような話になっていくか…。

11月26日
 NHKラジオ『高校生からはじめる現代英語』は、昨日放送分を高校サッカー観戦に出かけて聞き逃したので、本日、改めて聞き直した。”Former German Chancellor Kohl Dies" (ドイツのコール元首相が死去)というニュースが取り上げられた。主将に相当する英語表現は何種類かあり、それぞれの国によって決められている。ドイツ語圏であるドイツとオーストリアの首相はchancellor (ドイツ語のKanzlerに相当)で、日本の総理大臣はprime minister, 中国の国務院総理はpremierという。他にfirst ministerと呼ぶ国もあるそうだ。
 辞書によると、chancellorには米国の「大学総長」、英国の「大学名誉総長」という意味もある。手元にあるLongmanの辞書によると、
BrE the person who officially represents a university on special occasions (特別の場合に大学を公式に代表する人物)
AmEthe person in charge of some universities (大学の責任者)
とある。英国の大学では通常の経営の責任者はvice chancellorで、学位授与式など特別の場合にだけchancellorの出番は限られている。国家の首相と同じく、大学の責任者を何と呼ぶかについては、歴史的な経緯から様々な例があるようである。

11月27日
 NHKラジオ『まいにちスペイン語』の「スペインの街角」のコーナーではサラマンカ(Salamanca)が取り上げられた。スペイン西部のレオン州にある歴史の古い町で、とくにスペインで最も伝統のある大学の所在地として知られている(セルバンテスの小説によく出てくる)。日本人も多く滞在しているという話である。ゴシック様式の新カテドラル(大聖堂)とロマネスク様式の旧カテドラルが隣接していることが、写真入りで紹介されていた。どちらにしてもかなり古い建物である。

11月28日
 『まいにちスペイン語』の「ラテンアメリカの街角」のコーナーではメキシコのサン・みげる・で・あじぇんで(San Miguel de Allende)が紹介された。芸術家が多く集まっている町だそうである。

 司馬遼太郎『街道をゆく6 沖縄・先島への道」(朝日文庫)を読み終える。司馬が沖縄の人々と文化に日本人と日本文化の原型を見ていたこと、沖縄の歴史、特に海外との交流史に関心を抱いていたことが知られておもしろかった。

11月29日
 NHKラジオ『まいにちドイツ語』入門編「ケイと双子のライオン」では、日本人大学生のケイが、子どものころ読んだ絵本の中に登場する願いをかなえる双子のライオン像を探してドイツ各地を遍歴している。今回訪れたマウルブロンという小都市は、中性の修道院の建物が保存されていることで世界遺産に指定されており、この町の神学校で過ごした経験がヘッセの「車輪の下」に投影されているということでも知られる町だそうである。

11月30日
 『まいにちドイツ語』応用編「ベルリン――変転する都市」では”Kunst der Neuen Sachlichkeit"(新即物主義の文化)という話題を取り上げた。冷静で客観的な表現方法へのこだわりには、ひとびとが先行世代の大きな芸術理念に対して抱いた幻滅の気持ちが表れているようである。感情移入を拒否した新即物主義は、都会的だというかぎりにおいて、ベルリンと関係するものであったという。

 エマ・ジェイムソン「第九代ウェルグレイヴ男爵の捜査録」(ハーパー・ブックス)を読み終える。世襲貴族でスコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)の警視正であるアンソニー(トニー)・ヘザリッジがロンドンのイースト・エンド出身で個人的に問題を抱えた若く美しい女性部長刑事のケイト、インド亜大陸系の部長刑事ばはーるの助けを借りながら、ウェスト・エンドの高級住宅地で起きた殺人事件の捜査に当たる。被害者の妻はヘザリッジの元婚約者であった…。

12月1日
 『まいにちスペイン語』応用編「スペイン文学を味わう」では19世紀のスペイン文学作品を読んでいるが、第2作目のフアン・バレーラ(1824-1905)「ペピータ・ヒメネス」が終わる。聖職者になってアジアで宣教しようと考えていた神学生と、若く美しい未亡人の恋物語。バレーラは外交官でもあり、英語からの重訳ではあるけれども「浦島太郎」をスペイン語に訳しているそうで、一度読んでみたいと思う。

 『まいにちドイツ語』は”Bauhaus"(バウハウス)を取り上げた。1919年に建築家ヴァルター・グロピウスによってワイマールに創設されたこの芸術学校は、ロシア人のカンディンスキーやスイス人のクレーが教えるなど国際的な性格をもち、芸術と手工業(Kunst und Handwerk)を結びつけて、シンプルで機能性を重視したスタイルを持つ新しい建築・工芸・工業デザインを生み出した。しかし、その国際性のために、民族主義的なナチスの圧力を受け、1933年に解散せざるをえなかった。
 バウハウスの主力はアメリカに移り、我々も直接・間接にその影響に接している。私もグロピウスが設計した建物を訪問したことがある。
 『まいにちイタリア語』応用編「原文で読む古典の楽しみ」はフィレンツェの政治的指導者であり、文芸の世界でも活躍したロレンツォ・ディ・メディチの謝肉祭に向けた詩「バッコスの歌」を読み終えた。ロレンツォは1492年に43歳(一説に44歳)の若さで死ぬが、そのイタリア半島に及ぼした影響はコロンブスの新世界への到達の知らせ以上のものであったといわれる。

12月2日
 『朝日』の朝刊に高校の歴史教科書に取り上げる用語の精選をめぐり「歴史『覚える』から『考える』へ」という歴史教育の専門家の見解の解説記事が出ていた。歴史が人名や年月日の機械的暗記の科目になるのは問題だが、歴史的知識が増えれば増えるほど、問題点も多く見つかって探究が面白くなるという側面も無視できない。
 学校で教わらなくても、TVの時代劇や娯楽的な(娯楽的でなくてもいいが)歴史小説を通じて身についてくる歴史的な知識というのは少なくない。そういう知識を批判的に整理していくことが「考える」ということなのだ、ということであれば、それで構わない。 
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