探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

5月22日(水)晴れ

 このところ、北海道を舞台にした映画を見ることが多くなってきた。2010年の『海炭市叙景』、2011年の『探偵はBARにいる』、2012年の『しあわせのパン』と、佳作ぞろいである。『探偵はBARにいる』の最後でシリーズ化が予告されていたので、昨年中にシリーズ第2作にお目にかかれるのかと思っていたのだが、今年になった。第3作の予告はされていないが、東直己のシリーズ小説で映画化されていない作品はまだたくさん残っているし、この作品の興行成績はよいようであるから、これからも続編が作られるだろうと思われる。

 シリーズものというのは断片的にしか見ていない作品が多く、あまり偉そうなことは言えないのだが、第2作は意外に重要な役割を担うことになると思う。第一、ここで興行的に失敗してしまって、それっきりになるということだってある。第1作の二番煎じでもいけないし、あまりに独自路線に走ってしまうとシリーズとしての持ち味がわからなくなる。物語の展開についていえば、シリーズの奇数番の作品は第1作の路線を、複数番の作品は第2作の路線を継承するというやり方もある。それで、このシリーズに即して言えば、どのような事件が起きるか、事件に絡んでどのような女性が登場するか、事件の展開の中で前作から登場している主要および、主要ならざる登場人物たちがどのようにその個性を磨きあげて行くかというところにシリーズ化にあたっての見どころであろうか。

 語り手である探偵の出入り先のショー・パブの従業員であるおかまのマサコちゃんが全国番組のマジック・コンテストに出場して優勝するが、その翌々日に殺される。事件の捜査は意外に長引き、そのうちに探偵はよからぬ病気にかかり(どういう病気かは見てのお楽しみ)、復帰後、まだ犯人がわからないので捜査を始める。ところが関係者の口は固い。マサコちゃんはむかしある政治家の恋人であった過去があり、その死因を探ることは、この政治家の封印された過去を暴くことになり、探偵は政治家の支持者たち、反対派、そして第3のグループから追いかけられることになる。捜索の過程で探偵は謎の女性に付きまとわれるが、その女性は有名なヴァイオリニストであった。探偵とその助手は、彼女の公の姿と実像のギャップに戸惑いながらさらに冒険を続ける。

 行動派だがドジを踏むことも少なくない探偵を大泉洋、マイペースだが空手の腕は立つその助手を松田龍平というコンビの持ち味は第1作と不変、これからますます磨きがかかるか、変化が生じるかも今後の楽しみである。大泉はこのシリーズの他、『しあわせのパン』にも主演していて、北海道にますます深く根をおろしている。ヒロインが犯人への復讐に走るという前作の型を踏襲すると見せかけて、意外な方向に走る物語の展開が第2作としての最大の工夫であろう。前作で謎の女を演じていたのは小雪であったが、今回は尾野真千子。小雪があくまでクールにカッコよく演じていたのに対し、尾野は食い気が盛んなところを見せたり、熱くなったりと変化のある演技を見せる。映画の中では探偵の助手になってもいいというセリフがあったが、その可能性を残しておいてもよさそうだ。西田敏行、竹下景子が出演し、カルメン・マキの歌が流れた前作に比べて配役が薄いように思われる分、出演者がそれぞれの個性を発揮して補っているように思われる。フィクションとはいっても血を見るのが嫌いなたちなので、前作よりも流血の量が少ない点も好ましい。探偵を狙って登場する野球男が昔の野球選手のバッティング・フォームばかり真似するのが、どの程度観客に分かるか。バースやポンセというのはもう30年近く前に活躍した選手である。探偵が切れて、今の札幌の強打者は稲葉だろうというのはよくわかる。札幌オリンピックのジャンプ台が出てくるが、札幌ドームが登場しないのは残念。第3作はいかなる趣向となるか。
 
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