日記抄(7月9日~15日)

7月15日(日)晴れ、暑し

 7月9日から本日までの間に経験したこと、考えたこと、その他:
7月9日
 神保町シアターで「神保町シアター総選挙」で第1位となった「女優・高峰秀子」の特集上映の中から、『放浪記』(1962、宝塚映画、成瀬巳喜男監督)と『細雪』(1950、新東宝、阿部豊監督)を見る。
 『細雪』は谷崎潤一郎が戦争中に書いた小説の映画化(その後も何度か映画化されているが、原作の雰囲気がまだ残っている中での映画化という点に価値がある)。須賀敦子がこの小説を高く評価していたことを知って、読み始めたのだが、途中で止まってしまっている。大阪で代々続いてきた商家の没落していく様子を、その血を受け継ぐ4人姉妹の中で、長女と次女は結婚していて、3女と4女が相手を探す過程を中心に描いている。長女=花井蘭子、次女=轟夕起子、三女=山根寿子、四女=高峰秀子という配役に、この映画が戦前・戦中の面影をかなり強く残す作品であることが見て取れる。登場人物の衣装や、花見の場面など見ていると、カラーで撮影されていないことが実に残念である。次女夫婦が芦屋に家を構えているということで、芦屋の風景が出てくる。実は50年以上以前に亡父が芦屋に単身赴任していたことがあって、その時のことを思い出して、少し懐かしかった。

7月10日
 『朝日』の朝刊に『AERA』7月17日増大号の広告が掲載されていた中で、「埼玉の小中トンデモ教育 親にも「午後9時以降のスマホ使用ダメ」という見出しが気になった。〔7月15日=本日、薬局に置いてあったこの雑誌を読んだところ、保護者のスマホ使用を制限するなど、学校が保護者を「指導」する例が多くなっていると書かれていた。地方・地域・学校によって違いはあるのだろうが、あまり学校の影響力が強くなりすぎない方がよいと思う。〕

7月11日
 『朝日』朝刊の地方欄を見ていたら、尾木直樹さんと茂木健一郎さんが法政女子高で対談した内容が紹介されていて、もっと「AO入試」を盛んにすべきだと主張されていたようである。個性豊かな学生を採用しようとして始められたAO入試であるが、それに対応して受験産業の側では専用の予備校を設けたりしている。それに、入学後に彼らの個性に応じた教育を提供しなければ、いくら個性豊かな学生を入学させても意味はないのではないかと思う。(個性に応じるばかりが教育ではない…ということも確かなのだが…) 
 個性を尊重すべきだとアタマでは分かっていても、現実に子どもの個性に直面すると我を忘れるという親(教師)は少なくないようである。むかし、子どもの出来が悪くて困っているという話を友人から何度か聞いたことがあるが、出来が悪いということも個性である(まあ、あまり役に立ちそうもない個性であることは認めるが…)。個性を捨てさせて、一定の型にはめようとすることも時には必要で、要は程度問題だが、自分の子どもになるとどうしてもその程度が分からなくなるというところが問題なのである。

 松原隆彦『目に見える世界は幻想か? 物理学の思考法』(光文社新書)を読み終える。数式や難しい図表を一切使わず、ひたすら言葉だけで書かれた物理学の入門書である。「物理学とは、常識に対する挑戦である」(6ページ)という立場から、近代以降の物理学の紆余曲折の経緯が辿られ、そこから現在の理論が概観されている。特に、第2章「天上世界と地上世界は同じもの」で天上や地下の「別世界は、私たちの住んでいる地上世界とは根本的に異なる原理原則で存在しているようだ」(42ページ)という古代人の世界観がどのようにして克服されていったかを論じているが、一方でダンテの『神曲』を読み、他方でガリレイの『星界の報告』を読んだところなので、興味深く読むことができた。

7月12日
 NHKラジオ『実践ビジネス英語』は”Understanding the Millennials" (みれにある世代を理解する)というビニェットを放送している。5日に放送された第1回では、
Americans stay at one job for an average of four and a half years, but that millennials tend to job-hop more often. (アメリカ人は1つの職に平均4年半留まるけれども、ミレニアル世代の人たちはそれよりも頻繁に転職する傾向がある。)という話題から、舞台となっている会社に新たに加わったみれにある世代に属する社員が自分たちの世代の特徴についての一部の誤解を解きながら、いろいろと議論を進めるという展開になる。今回言われたのは:
 We millennial have higher student loan debt, poverty and unemployment than boomers and Generation Xers did when they were the same age. (私達ミレニアル世代は学生ローンの負債、貧困、失業が、ベビーブーム世代やX世代の人たちが同じ年齢だったころよりもひどいのです。)ということである。
 ブーマー (baby) boomer は第2次世界大戦終戦後から1960年ごろまでに生まれた人々、ジェネレーションXは1960年代、1970年代に生まれた人々、ミレニアルは1980年代、1990年代に生まれた人々を呼ぶ言い方である。このような世代間の生活スタイルや価値観、特に職業意識の違いは昨年の5月のこの番組でも”Generation Gaps In the Workplace" (職場における世代間ギャップ)というビニェットの中で議論されていた。
 最近の新入社員が3年たたないうちに辞めることが多くなっているという話題が日本でもよく取り上げられるが、外国でも探せば同じような事例が見つかりそうだと思ったりした。

 同じ番組の”Quote...Unquote”のコーナーで紹介された言葉:
When a man's stomach is full it makes no difference whether he is rich or poor.
---- Euripides (Greek playwright, c.480 -c. 406 B.C.)
人はおなかがいっぱいの時には、その人が金持ちでも貧乏でも違いはない。
中国の古典『管子』の「牧民」編には「倉廩実則知礼節、衣食足則知栄辱」とある。
腹を満たすことの重要性の認識は両者に共通しているが、そこから先が違うようだ。

7月13日
 ”Understanding the Millennials"の議論は、
Millennials don't have a monopoly on wanting things like career opportunities and a healthy work-life balance.It's just they tend to be rather more vocal about it. (就業の機会や仕事と私生活の健全なバランスといったものを望んでいるのは、ミレニアル世代だけではありませんね。彼らはそれを、他の世代よりもかなり強く声高に主張する傾向があるだけなのです。) という結論に達し、
And businesses better be prepared to liten to them. (そして、企業は、彼らのいうことに心よく耳を傾ける方がいいですね。)
というところに落ち着く。わが国の「働き方改革」はどのような方向に進んで行くのかも、気をつけてみていく必要がありそうである。

 この日の”Quotes...Unquotes"は
What a smile and have friends; wear a scowl and have wrinkles.
           ―― George Eliot (English noelit and poet, 1819 -80)
笑顔でいると友達ができる。しかめっ面をしているとしわができる。
ジョージ・エリオットは女性であったが、この当時は女性が小説を書くということが世間一般に認められていなかったので、男性の名前で小説を書いていた。

7月14日
 『実践ビジネス英語』の”Just in Jest"のコーナーで取り上げられた戯言:
laugh and the world laughs with you. Snore and you sleep alone.
(笑えば、世界はあなたとともに笑う。いびきをかけば、あなたはひとりで寝る。)
もとはことわざで、Laugh and the world laughs with you. Weep and you weep alone. (笑えば人はともに笑う。なけばなくのはひとりだけ。)というそうだ。

7月15日
 ニッパツ三ツ沢球技場でJ2第23節横浜FC対FC岐阜の試合を観戦した。4連敗中の横浜は、岐阜にボールを支配される時間が長く苦戦を続けたが、後半62分にGKからのボールを受けたジョン・チュングン選手のミドル・シュートが決まり、この1点を守り切って久しぶりの1勝をもぎ取った。試合内容に不満はあるが、とにかく勝ってよかった。
 2種登録の齋藤功佑選手の途中出場、最年長の三浦カズ選手のベンチ入り、レアンドロドミンゲス選手の入団挨拶など、これからに向けて明るい話題となってほしい出来事あり。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

tangmianlaoren

Author:tangmianlaoren
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR