日記抄(6月18日~24日)

6月24日(土)晴れ、気温上昇

 6月18日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
6月18日
 NHKラジオ「高校生からはじめる「現代英語」」は”Drones, Autonomous Cars to Buzz Special Zones" (ドローン、自動運転車は特区で忙しく往来へ)というニュースを取り上げている。これらの新しい技術をめぐり、公道などで企業が実験するのは、許可を得るまでに何か月もかかるので、特区内では自由に試験走行できるようにするという。
That is why officials are planning to let developers carry out trials much more freely in the special zones.
(そのため政府は、開発企業が特区内でははるかに自由に試験(運転)を行えるようにすることを計画しています。)
 日本語の「自由に」は「他からの束縛なしに」という意味と、「思いのまま、上手に」という意味がるが、英語のfreeは他者による束縛から「自由な」という意味で、転じて「(自由だから)独立している」「料金がない、無料」「固定されていない」「気ままに」などの意味もある。翻訳に際してはこの意味の違いを念頭に置く必要があるという。
 それはそうと、「特区」を設けても、その選定をめぐり不明朗な点が生じたり、時間がかかったりするというのではあまり意味がないのではないかという気がしないでもない。

6月19日
 『朝日』の「語る…人生の贈りもの」というコーナーは各界の著名人が自分のこれまでの歩みを語るものであるが、今回は作曲家の一柳慧さんが登場することになった。むかし、働いていたデザイン・スタジオの社長が一柳さんと面識があって、それで一度だけその姿に接したことがある。
 それ以前に、職場に電話がかかってきて、F君という私の同僚の、寺の息子で、器用だがちょっととぼけた男が電話口に出た。社長、東京の内山田さんからお電話です。社長、内山田…そんな知り合いはいないなぁ…。電話を終えた後で、F君、一柳だよ。
 一柳さんが音楽を担当された吉田喜重監督の映画『エロス+虐殺』が上映されたばかりの時だったので、ちょっと、これはひどい聞き違いではないかと、私も思ったが、F君は泰然自若としたもので、「内山田洋とクール・ファイブの内山田さんかと思いました」。音楽といっても色々ある。
 その後、しばらくして、ご本人が我々の会社に現れた。あれが一柳さんだよ。F君は依然として興味を示さない。小野洋子の昔の旦那だよ! やっと興味を示した。音楽も色々、興味も色々。長く勤める社員があまりいないことで知られる職場であったが、私よりも早く、F君の方が辞めてしまった。今頃は、実家の寺の住職になって、苦労しているかもしれないな、と時々彼のことを思い出す。寺の名前を聞いておかなかったのが一生の不覚である。

6月20日
 NHKラジオ『まいにちスペイン語』の時間を聞くともなしに聞いていたら、
Socorro, hay una cucaracha en la cocina! (台所にゴキブリがいる! 助けて)
という文が聞こえた。こういう例文が出てくるのは、スペイン語だけではないかと思ったりした。日本ゴキブリ亭主などというので、男性名詞かと思うと、さにあらず、cucarachaは女性名詞である。むかし、横浜大洋ホエールズにいたポンセ選手の応援ソングが、メキシコの名曲「ラ・クカラチャ」であったのを思い出す。

 同じく『英会話タイム・トライアル』は乗り物についての会話を話題にしているが、新幹線は英語ではbullet trainだということで、話を進めていた。日本でも太平洋戦争前には「弾丸列車」を敷設する工事を始めていて、現在の東海道新幹線の新丹那トンネルはその工事を引き継いで完成されたものだと記憶する。

6月21日
 NHKラジオ『実践ビジネス英語』は、新たに”The Office of the Future"(未来のオフィス)というビニェットに入った。情報テクノロジーの発達の結果、アメリカの被雇用者の20から30パーセントが、少なくとも月に1回は職場の外で働くようになっているという。その結果として、
Places like coffee shops and private clubs want to be what they call "a third place" for people to go, apart from home and work. (コーヒーショップや会員制クラブといったところは、家庭や職場のほかに、人々がいくいわゆる「第三の場所」になりたいわけです。)
という現象が起きているという。いまに始まったことでもないと思うが、コーヒーショップにパソコンやタブレットを持ち込んだり、何かの打ち合わせをしたりている人をよく見かける。

 サッカーの天皇杯2回戦で横浜FCは同じJ2のツエーゲン金沢に0-2で敗れた。天皇杯よりもリーグ戦を重視するというのは仕方がないことかもしれないが、昔の横浜フリューゲルスは天皇杯で2回優勝していることも忘れないでほしい。福島県社会人リーグ1部のいわきがJ1の札幌を5-2で破ったのは大金星である。このほかJ3の長野が、FC東京を、茨城県代表の筑波大学がベガルタ仙台を、JFLの八戸が甲府を破っている。筑波大学の勝利は慶賀すべきではあるが、勉強の方は大丈夫かね。

6月22日
 NHKラジオ『実践ビジネス英語』は”The Office of the Future"の続きで、
The office of the future is a concept dating from the 1940s. It was synonymous with the "paperless office."
(未来のオフィスというのは、1940年代に始まった構想ですね。これは「ペーパーレスオフィス」と同じ意味でした。)という。
American office workers print out or photocopy something like a trillion pieces of paper each year.
(アメリカのオフィス・ワーカーがプリントアウトしたりコピーしたりするのに使う紙は、毎年およそ1兆枚です。) という事態が依然として続いているのだが、それでも、
For the first time in history, there is a steacy cecline of about one to two percent a year in office use of paper.
(職場での紙の使用量は、歴史上初めて、毎年確実に約1~2パーセント減少しているのです。)ともいう。どこかの国では、ペーパーレスが別の意味で解釈されているのか、紙の書類を残さないだけでなく、電子情報がすぐに消去されてしまうようになっているらしい。末恐ろしいことである。

 同じく「まいにちフランス語」応用編「インタビューで広がるフランス語の世界」は、第21課「学校の記憶、家族の記憶(1)」で、男女2人の中学(コレージュ)の思い出が語られる。パリ郊外の公立中学校に通ったロランさんは語る:
Je me rappelle une question. J'étais au collège. L professeur demandait : 《Quels sont les élèves qui ont quatre grands-parents français ?》 On était 31. Il y a deux élèves qui ont levé la main.
(ある質問を思い出します。中学にいたころのことです。先生がこう尋ねました。「祖父母4人ともフランス人の人は?」 31人生徒がいましたが、手を挙げたのは2人でした。)
 ロランさん自身は、祖父母がポーランド人だったので、手を挙げなかったという(翌日の放送で、ロランさんの父方の祖父母は第二次世界大戦中にアウシュビッツに収容されていたという話が出てきた)。

 神保町シアターで「映画監督 鈴木清順の世界」の特集上映から『野獣の青春』(1963)と『百万弗を叩き出せ』(1961)を見る。『野獣の青春』は<青春>とはあまり関係のない話で、2つの暴力団が敵対する街(東京の一角)に流れ者のジョー(宍戸錠)が現われて、ある事件の真相を突き止めようとする・・・という話で、映画館のスクリーン裏に暴力団の事務所があったりする。当然のことながら、上映されている映画は日活映画で、見覚えがあったりして・・・。『百万弗を叩き出せ』は八丈島から出てきた青年(和田浩治)が川崎のボクシング・ジムで修業を積み、チャンピオンへの道を歩むという物語。ジムの経営者夫婦を演じている金子信雄、渡辺美佐子の演技が出色。

6月23日
 『朝日』に「売れぬ漢和辞典 改訂に苦心」という記事が出ていた。角川から出ている『新字源』が10年かけて作業を進め、新しい版を出すという。『新字源』の編纂者の1人である西田太一郎先生は、教養部時代にお世話になった先生の1人で、私がこの辞典を使っているのは、そのことが大きく影響している。だから、改訂版を買って使うかどうか、大いに迷っているところである。そういえば、高校時代は、簡野道明編の『字源』を使っていた。今、手元にあったら、結構重宝するのではないかと思う。辞書は新しい方がいいとは限らないのである。

6月24日
 『朝日』に銀座にある聖書図書館が6月30日をもって閉館し、その蔵書の大部分が青山学院大学に寄贈されるという記事が出ていた。中でも、江戸時代の終わりごろに、鎖国下の日本での布教を目指していたドイツ人宣教師ギュツラフが漂流民たちの助けを借りて訳した『約翰福音之傳』(ヨハネによる福音書)は貴重な資料だという。この福音書の最初の「初めに言(ことば)があった。言は神と共にあった。言は神であった」と訳されている部分をギュツラフは「ハジマリニ カシコイモノゴザル。コノカシコイモノ ゴクラクトモニゴザル。コノカシコイモノワゴクラク。」と訳しているという。「ロゴス」を「カシコイモノ」と訳しているところに、ギュツラフの苦心がうかがわれ、これはこれで見事な翻訳ではないかと思う。

 日産フィールド小机でプレナスなでしこリーグ・カップ2部の横浜FCシーガルズとオルカ鴨川FCの試合を観戦した。一進一退の攻防が続いたが、後半に横浜が守備の乱れから1点を失い、0-1で敗北。体調を崩した能代谷さんに代わり、神野さんが采配を振るっているが、選手に勝利を目指して全力で戦うという姿勢がどうも感じられないという問題点はそのままである。  
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