日記抄(3月26日~4月1日)

4月1日(土)雨が降ったりやんだり

 3月26日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
3月26日
 横浜駅西口のムービル2で『チア・ダン』を見る。福井県の高校のチア・ダンス部が顧問の教師の熱心な指導に戸惑ったり、反発したり、部が解散することになりそうな危機に出会ったりしながら、全米選手権で1位をとるまでを描く。実話に基づく作品だというが、それでかえって遠慮が生まれてしまったのか、教師にしても、生徒にしても、性格や背後の事情についての描写が浅くなっているように思われる。映画の中に登場する川が、福井市内の川に見えないと思っていたら、最後に出てきたタイトルで新潟市内でロケをしたということが分かり、何かがっかりした。

3月27日
 病院に診察を受けに出かける。X線写真と心電図をとる。

 神保町のすずらん通りの檜画廊で山崎優子えほんしごとと絵しごと展『こどものせかいとポンポロッコの森Ⅱ』を見る。神保町シアターで入場券を買って、まだ時間があったのでキッチン南海でカツカレーを食べる。ここは有名な店だが、これまで入ったことはなかった。その後、東方書店を覗いたら、尾崎雄二郎先生の論文集が並んでいたので、そのうち手に入れようと思う。文房堂で白人のカップルが何やら話していたのだが、何語を話していたのか、まったくわからず。

 神保町シアターで『愛の渇き』を見る。三島由紀夫の原作を監督の蔵原惟繕と助監督の藤田繁夫(のちの敏八であろう)が脚色、あとで原作を立ち読みした(三島は苦手なのである)が、比較的原作に忠実な映画化ではないかと思う。戦後、実業界から引退して阪急沿線(原作では豊中市)に隠棲している実業家は死んだ次男の妻(浅丘ルリ子)を愛人として暮らしているが、その妻は使用人の青年に興味をもっている。主人方の女性と使用人の間に愛情が芽生えるということになると、ロレンスの『チャタレー卿夫人の恋人』が思い浮かぶのだが、ここでは愛情らしいものは生まれないまま、物語はすれ違いで進む。あるいは三島は、ロレンスに対する批判としてこの作品を書いたのかと考えたりした。
 さらに渋谷まで出て、映画のはしごをしようかとも思ったが、体力が続かず。

 NHK「ラジオ英会話」は月末恒例のSpecial WeekでO.Henryの”The Last Leaf"をラジオドラマ化して放送している。この作品は子どものころから知っているのだが、一度も本格的に読んだことがなく、今回の放送を聞いて初めて気づいたことが少なくない。
In a little district west of Washington Square the treets have run crazy and broken themselves into small strips called "places".
(ワシントン広場の西にある小さな区域では通りがでたらめに走りつつ自らを分断しては”プレイス”と呼ばれる細長いエリアをいくつも作っていた。)
 Washington Squareというヘンリー・ジェイムズの小説があって、オリヴィア・デ・ハヴィランド主演で映画化され、オリヴィアがアカデミー主演女優賞をとった。日本では『女相続人』という題名で公開されている。大学の英語の授業で原作小説を読まされた記憶がある。その時の先生は、貴志哲雄さんであった。
 ワシントン広場の西の地域は、グリニッジ・ビレッジと呼ばれ、貧乏な芸術家たちのコロニーができていたのだが、画家を目指すスーとジョンジーという2人の若い女性が意気投合して、共同生活を送っていた。ところがジョンジーが肺炎にかかり、回復の見込みは10に1つしかないと医師に言われる。

3月28日
 「最後の一葉」の第2回。ベッドに横たわっているジョンジーは、窓の外の庭の先の煉瓦の建物を這い上がっている古いツタの葉の数を数えていた。数えきれないほどあった葉が、どんどん落ちてゆく。彼女は
Leaves. On the ivy vine. When the last one falls I must go, too.I've known that for three days. Didn't the doctor tell you?
(葉よ。ツタの。最後のが落ちた時に私も行く。もう3日前からわかってた。先生、そう言ってなかった?)
という。スーはジョンジーを励まそうとするが、ジョンジーは生きる意欲をなくしている。スーはやっとのことでジョンジーを寝かしつけ、世捨て人の鉱夫のモデルをやってもらっている階下のバーマン老人のところに出かける。

 NHKラジオ「まいにちフランス語」の時間の「話してみましょう!」のコーナーで、英語の歌My Wayのもとの歌がフランス語の であるという話題が出てきた。
C'est-à-dire que la chanson anglaise est une adaptation dela chanson francaise. C'est ça?
(つまり英語の歌はフランス語の歌の翻案だということですね。そうですね?)
 My Wayではプレスリーが歌ったものが印象的だったという話だったが、私が思い出すのは江川卓氏と交換でタイガースに移籍した小林繁投手のファンが開いた励ます会で、小林投手が歌ったものである。

3月29日
 「最後の一葉」の第3回。スーとジョンジーの階下に住むバーマン老人は、40年の間ほとんど絵を描いたことがない芸術の失敗者で、プロのモデルに払う金がないような画家たちのモデルになってわずかな金を稼いでいたが、2人に対しては優しかった。スーからジョンジーの話を聞いたバーマンは、軽蔑と揶揄の言葉でわめきたてた。
Some day I vill baint a masterpiece, and ve shall all go away.
(いつか俺が傑作を描いて、そしたら皆でここを出よう!)
 willをvill、paintをbaint,weをveと発音しているのは、ドイツなまりだと説明されていたが、バーマンというのはユダヤ系の名前なので、イディッシュ語に引きずられているのかもしれない。
 昨年7月のこの番組で放送された同じO.Henryの”Witches' Loaves"(魔女のパン)に登場する建築製図士もドイツなまりの英語を話していた。19世紀のアメリカ大陸には、貧困から脱出しようと、あるいは圧政から逃れようと多くのドイツ人が渡来、ドイツ系のコロニーがたくさんあり、ドイツ語で教育する学校も開かれていた。ところが第一次世界大戦でドイツが敵国になると、それらの学校は閉鎖されたという歴史的な経緯がある。

 黒田龍之助『その他の外国語 エトセトラ』(ちくま文庫)を読み終える。

3月30日
 「最後の一葉」の第4回。壁のツタの葉は1枚だけになってしまったが、嵐と北風にもかかわらず、その1枚がそのまま残っていたので、ジョンジーは生きる希望をとりもどす。そしてどんどん回復していくが、逆にバーマンの方が肺炎で入院したという。起き上がることができるようになったジョンジーに、スーはバーマンが死んだこと、あらしの夜に雨に打たれながら最後のツタの葉を描いていたことを知らせる。
Ah, darling, it's Behrman's masterpiece -- he painted it there the night that the last leaf fell.
(ああ、あれこそ、バーマンさんの傑作なの――最後の葉が落ちた夜に、あの人が描いたものなの」

 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote ... Unquote"のコーナーで紹介された言葉は:
Great things are done when men and mountains meet.
        ――William Blake (English poet and painter, 1757 -1827)
(人と山が出会うとき、偉大なことがなされる。)
意味不明な言葉で、そこがブレイクらしいと言えばいえる。壽岳文章訳のダンテ『神曲』にはブレイクの挿絵が使われているので、関心のある方はご覧ください。

 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編は”Fromage ou dessert? (1)  Comment terminer un repas en beauté"(チーズ、それともデザート? (1)食事における有終の美)というテーマを取り上げた。食事の最後に
《Fromage ou dessert?》 Pour une grande partie des convives, on ne fera pas de choix. Ce sera fromage ET dessert.
(「チーズ、それともデザート?」。ほとんどの人にとって、それは選択するものではない。チーズ、それと、デザートになるからだ。)
 私は甘いものをとらないので、チーズだけでいい。

3月31日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編の続き(最終回)。
Quant au dessert, tout le monde aime la petite touche sucrée qui vient conclure le repas.
デザートといえば、だれもが、食事の結論となるちょっとした甘いものが好きだ。
 ということは私は例外になるかもしれない。健康上の理由もあるが、甘いものはとらないのである。

4月1日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”Bravery"(勇敢さ)を話題として取り上げた。ある人間が勇敢な行動をするとき、脳でどんなことが起きているか、そしてホルモンにどんなことが起きているかが科学的に解明されてきたという。
Faced with a sudden desperate situation, the brain stimulates production of adrenalin.
(絶体絶命の状況に直面すると、脳はアドレナリンの分泌につながる刺激を出す。)
アドレナリンは行動に備えて、心拍数を挙げたり血糖値を上げたりして体に準備をさせるホルモンで、扁桃体と影響しあっているが、この扁桃体は脳の中にある器官で、決定を下したり、恐怖や不安といった感情を処理したりしている。人によっては恐怖で行動ができなくなるが、恐怖を克服できる人もいる。訓練によって勇敢さを身に着けることもできる、その例としては消防士や飛行機の客室乗務員が挙げられるという。
 4月から英語の番組編成が変わって、この番組がなくなるのは残念である。あと1回残されている放送をしっかり聴くことにしよう。

 森茂暁『足利尊氏』(角川選書)を読み終える。 
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