大学の第二外国語について

3月24日(金)晴れのち曇り

 大学に入学して直面する問題の一つは、第二外国語として何を選ぶかということである。その際に、何のためにその言語を学ぶのか、どの程度できるようになることを目指すのかということも考えておいた方がよい。

 何のために外国語を学ぶのかという目的をめぐっては、実用的な目的と教養もしくは趣味という目的の2つが考えられる。ただし、趣味と実益を兼ねてという言葉もあるように、この両者は相互に関係しあうところがあって、どちらか一方だけのために学習するということはありえない。学習者の心構えとしてどちらに重点を置くかということである。グローバルな言語状況というのは、英語の一人勝ちであって、英語以外の外国語を専門にするには、それなりの覚悟と努力が必要であるし、専門にしない場合にも、しっかりした目標を定めることが求められる。ただ勉強したという記憶が残るというのでは困るのである。
 どの程度ということになると、いくつかの言語には検定試験があり、またヨーロッパの言語についてはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)という枠組みが設定されていて、A1ならば「ごく簡単な表現を聞きとれて、基本的な語句で自分の名前や気持ちを伝えられる」、A2であれば「日常生活での基本的な表現を理解し、ごく簡単なやり取りができる」、B1ならば「日常生活での身近な事柄について、簡単なやり取りができる」というふうにその内容も示されている。なんとなくでいいから、自分なりにこのレベルまでは到達しておきたいという水準を決めることが大事である。

 何語を選ぶかという場合に、もう一つ考えておきたいのは、学習者が高校卒業までに勉強してきた英語(あるいはその他の外国語)の能力を見極めておくことである。実際問題として、外国語の学習は必要がないという人、英語以外の外国語の学習は必要がないという人は多い。また、(私もそうだが)英語以外の言語を勉強しても、結局使い物にならないという人も少なくない。使い物にならなくても、それなりの意味はあるのだということが、以下の内容になる。

 現在、NHKのラジオ・テレビで学習できる外国語は英語は別にして、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、韓国語、中国語、アラビア語、ポルトガル語の9言語である。ポルトガル語はラジオでしか開設されていないが、その他の8言語は両方で勉強できる。第2外国語を選ぶとすれば、この9言語の中から選択するのが無難だろうと思う。大学によっては、これらの言語のすべての授業を開講していない場合もあるだろうし、これら以外の言語の授業を開講している場合もあるだろうが、まず実際にその言語に接してみて感じをつかむことが大事ではないかと思う。

 以下、各言語について私が考えていることと、その言語との付き合いを書き連ねていく。要するに、自分が興味を持てそうな言語を選択すればよいので、その参考にして頂ければ幸いである:
中国語:世界で最も多くの人々に使用されている言語であり、その使用者の多くが中華人民共和国に集中しているとはいえ、シンガポールなど華僑人口の多い国もあるし、世界各地にチャイナタウンができているのはご承知だと思う。国連の公用語の1つである。古い歴史をもつ言語であり、日本との地理的な距離の近さ、日本語との共通語彙の多さや影響関係など、実用面でも、教養面でも学習する意義が大きい言語である。もっとも、現在の中華人民共和国の政治体制や、言論の自由をめぐる状況など否定的な要素も考える必要があるだろう。実際に会話に取り組むということになると、発音で苦労するはずである。私は、英語、ドイツ語の次に中国語を履修、一時かなり熱心に勉強した時期がある。その後、何度か勉強しなおしたが、かなり変化の激しい言語であるという印象がある。これからも中国社会の変動とともに、言語も大きく変わる可能性がある。中国の神話・伝説・少数民族の言語や文化に興味があり、これらの分野は、社会の変動にはあまりかかわりがないかもしれないと思っている。中華料理店によく出かけるので、その面でも多少の興味を維持し続けている。

スペイン語:中国語、英語に続いて多くの人々に使用されている言語ではないかと思う。スペイン語圏諸国は優れた文学的伝統を持つ一方で、科学技術においては後れを取っているようである。国連の公用語の1つである。就職して社会人になってから、これからは第三世界の時代であると思い、その中で重要な言語の一つがスペイン語だというようなことから、かなり長い間スペイン語を勉強していた。ただし、かけた労力という点では英語、中国語に比べて劣り、最近は語学番組を聞き流しているだけなので、かなり能力が落ちているようである。

フランス語:中国語、英語、スペイン語の次に多くの人々に使用されている言語である。フランスのほか、カナダのケベック州、ベルギー、スイスの一部、ハイチ、西アフリカ諸国で使われている。国連の公用語の1つである。中国語、スペイン語にくらべて、第二言語として使用する人々の数が多い言語である。最近の傾向としては、英語、スペイン語に押されがちではあるが、優れた文学的伝統を持つだけでなく、科学技術の方面でも多くの業績がフランス語によってなされてきた。定年退職後、フランス語とラテン語を集中的に勉強しようと思ってそれなりに努力しているのだが、なかなか成果が上がらない。

韓国語:使用する人の数ではこれまで挙げた3言語に遠く及ばないが、日本の隣国なので重要性は高い。観光や交流事業のために、歴史的な知識とともに、最低限の会話能力は身に着けておいてよいと思われる。また韓国、北朝鮮の情勢について正確な情報を得るためにも、高い能力を持った人材が必要とされる言語でもある。学生時代に入門書を買って初めの方を読んだことはあるが、本格的に勉強したことはない。韓国に出かけたことはあるし、韓国語ができればいいとは思うのだが、取り組む余裕がない。

ポルトガル語:ポルトガルの人口は1千万人程度であるが、ブラジルでは1億8千万人の人々に使用されており、ポルトガル系の住民が住んでいる国・地域はほかにも少なくない。ブラジルは経済的な発展が予測される国の一つであり、ポルトガル語は安土桃山時代の日本との交流を通じて日本語にもその影響を及ぼした。日本人がもっと興味を持ってよい言語の一つである。ブラジルに出かけた時に、飛行機の中でポルトガル語のアナウンスを聞いていて、日本のキリシタン文化の中でポルトガルの果たした役割の大きさを感じたという経験がある。フランス語、スペイン語、イタリア語、どれをとっても中途半端なので、ポルトガル語に手を出してもろくなことにはならないと自制しているところである。

アラビア語:中東・北アフリカの多くの国々で使用されている。国連の公用語の1つである。これらの地域の持つ地政学的な重要性から学ぶ必要の大きい言語である。とはいえ、字を見るだけで嫌になるところがある。発音もかなり難しい。何度かNHKのアラビア語講座を聴いて、そのたびに挫折を繰り返してきた。アラビア語の通訳をしていた小池東京都知事はすごいなあと、この点だけは感心している。

ロシア語:ロシアを中心にカザフスタンなど旧ソ連を構成していた国で使われている。国連の公用語の1つである。かつてソ連が持っていた国際的な影響力のため、ロシア語を第二言語として学ぶ国は少なくなかった。現在でもそれらの国々の人々がロシア語を使って交流しているのを見かけることがある。ロシア語は優れた文学的伝統を持つだけでなく、科学技術においても注目すべき業績がロシア語で発表されてきた。大学時代に、ドイツ語、中国語に続いて勉強して、初級の単位は取ったが、中級に進む余裕がなく、放置しているうちにほとんど忘れてしまったのは残念である。昨年、再挑戦してみたが、最後まで続けられなかった。

ドイツ語:ドイツ、オーストリア、スイスの大部分で使われているほかに、中欧・東欧にドイツ語を話す人々の多くの言語の島がある。どこまでをドイツ語の方言と考え、どこからをドイツ語とは別の独立した言語と考えるかは結構難しい問題である(ルクセンブルクや、フランスのアルザス=ロレーヌ地方の言語など)。使用する人口ということからいうと、日本語よりも少し少ないくらいではないかと思う。日本をはじめ、ドイツ語の学習を重視してきた伝統を持つ国は少なくないが、ドイツの国際政治・経済に占める地位の高さにもかかわらず、ドイツ語の国際的な地位はあまり高くないし、英語のできるドイツ人はきわめて多いことも留意する必要がある。大学時代の第二外国語であるが、普通の人が2年で取得する単位取得に3年をかけてしまった。付和雷同で、あまり興味が持てない言語を選択するとこういうことになる。

イタリア語:イタリアとスイスの一部で使われているほかに、アメリカ大陸をはじめとしてイタリア系移民のコミュニティーが形成されている国・地域は少なくない。使用する人口はそれほど多くはないが、芸術・文学などにおいて優れた伝統をもち、また科学技術においても無視できない成果がイタリア語で発表されてきた。イタリアとイタリア語への興味は趣味的なもので、自分の研究との関係はあまりないが、その分、気楽に勉強している。もっとも気楽な分、上達が遅れているという面もある。
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No title

うちの院試は、本業の英語と第二外国語でした。

元々、院に行くつもりはなく
ぷら~と近所に移転してきた外大に
聴講生というのがあって、
軽い気持ちで行っていたら
やぱり、出会いとはあるものです。
タイムの授業の時の先生が
何を思ったのか、私に「大学院に来ませんか?」
私は、全く勉強していなかったのも先生はご存知で
「3年間、頑張りなさい」と言われ、
その気になってしまいました。

私の第二外国語は、仏語でした。
大学を卒業して、もう10年経っていました。

もちろん、仏語は、勉強しなおし。。
聴講制度で、英米文学、言語学、仏語等を3年間取り続け
知り合いにボランティアで仏語の家庭教師をしてもらい、
2年目の時、仏語はよくできているが、英語がちょっと。。とおとされ
3年目は、仏語は去年、全然できてなかったけど、今回は、よくできている。先生、去年、ほめてくれたやん。。。

で、何とか、ほんとに3年目で入れてくれたのは良かったけど、
私、入った後のことは、考えていなかった。。

それは、私は、修士課程5年いましたよー
出るのも大変!
うちは、英語50ページ以上。。。

ほんと、死にそうでした。
ほんと、あれは、えらい目にあいましたよー
2度と忘れん!!!!

Re: No title

たびたびのコメントをありがとうございます。大学院を受験したのは今から48年前のことですから、かなり昔になります。外国語は英語とドイツ語で受験、面接のときに英語はトップだと言われました(ドイツ語の方については何も言われず)。それで慢心して、英語をあまり勉強しなかったのが、後々まで響いたように思います。いまでも、大学院時代に英語をもう少し勉強しておけばよかったと後悔しております。
 もし、人生をやり直せるのであれば、高校の英語の先生になろうかと思うことがあります。英語を入り口にして、世界の言語について興味をもつ人を一人でも多く育てたいと思います。私の出た中学・高校にはやたらいろいろな言語を教える歴史の先生がいらっしゃったのですが、残念なことに私が中学校3年の時に亡くなられてしまいました。他にも、中学生相手にラテン語を教える神父様(カトリックの私立校だったので)がいらっしゃったりと、中等段階の方が語学への関心への刺激は大きかったようです。

私の大学院時代は、修士課程は4年(休学すれば別ですが)しかいられませんでした。結局3年かけて博士課程に進学、修士課程の3年目はアルバイトをやめて勉学に専念⁉したのですが、大学院中退のアルバイト先の先輩から「末は博士か大臣か」ですかとからかわれました。結局、博士にも大臣にもならないままです(人生、逆転があるかもしれない⁉)。
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