日記抄(2月26日~3月4日)

3月4日(土)曇りのち晴れ

 従兄姉の誰かれが亡くなったとか、誰それが病気で倒れたとかいう種類のニュースを頻繁に耳にするようになった。いずれは、私もそのようなニュースのタネになることは間違いない――あまりいい気分にはならないが、受け入れざるを得ない現実である。

 2月26日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
2月26日
 ニッパツ三ツ沢球技場でJ2第1節:横浜FC対松本山雅の対戦を観戦する。前売り券の売れ行きが好調だというので、慌ててバックスタンドのA席を購入したのだが、少し早めに出かけても、行列ができるほど入場者が集まっていた。ただし、半分近くが松本のサポーターであった。Jリーグ名誉女子マネージャーの称号を持つタレントの足立梨花さんが来場、横浜FC PR大使のゆるキャラであるキャッチ―君と一緒に試合前とハーフ・タイムにピッチを回っただけでなく、試合開始直前にはキャッチー君とPK勝負を行った。試合は一進一退の攻防となったが、前半16分に横浜が野村選手のゴールであげた1点を守り切り、初戦の勝利を飾った。前線でのイバ選手の活躍、ボランチの中里選手、佐藤選手が見せた好プレー、新加入のヨンアピン選手の手堅い守りなど横浜の今年に期待を持たせるものであった。

2月27日
 『朝日』朝刊の地方欄に川崎市の夢見が崎についての記事が出ていた。太田道灌がここに城を築こうと思ったが、夢見が悪かったので断念して、江戸に城を築いたというのは俗説だそうである。JRの新川崎駅と東急(と横浜市営地下鉄)の日吉駅の間にあって、一度、両駅の間を歩いてみようと思っているのだが、実現しないままである。

 NHK「ラジオ英会話」は、”Grammar for Better Conversation"(もっと話したくなる 英会話文法)の一環として、「意志を表す助動詞willをチェック!」という話題を取り上げた。「willは「~だろう/でしょう」を気にせずが使えることが多い」、というのは、英語では単純明快な気持ちで表現しているのに、「~だろう/でしょう」と訳すと不確かなニュアンスが生まれてしまうことがあるからであるという。

2月28日
 『朝日』朝刊の広告記事で、千田稔さんが出雲という地名をめぐって、中国の宗教や思想から影響を受けていると考える方が自然ではないでしょうかという意見を述べていた。中国には多様な文化が存在し、中国から日本へと文化が渡来する経路も多様であるということも指摘しておいた方がよかったかもしれない(あるいは指摘したのだけれども、この記事では省かれていた可能性もある)。同じ記事で、島根県の知事が、日本の各地に「出雲」にゆかりのある地名や神社が見いだせることについて触れていたが、これも重要な問いかけである。

 E.C.ベントリー『トレント最後の事件』(創元推理文庫)を読み終える。アメリカ実業界の大立者マンダースンが英国にある別邸で殺害された。マンダースンの秘書であるバナーからこの殺人事件についての通報を受けた《レコード》新聞社(架空の社名である)の社主ジェームズ・モロイ卿はこの事件の真相を突き止めるべく、画家で名探偵のトレントに捜査を依頼する。彼はこの事件を解決して記事を作成すべく、特派員として現地に赴くが、そこで被害者の美しい妻であるメイベルと出会う。被害者の死体の様子や死の前後の状況をめぐってはさまざまな疑問点が浮かび上がる。マンダースンのもう1人の秘書であるマーローには、大学時代に演劇をやっていたという過去があり、彼が犯人であるという可能性が大きいのだが・・・。トレントの問い合わせに答えた友人が、マーローは学生時代にシェイクスピア劇の(フォールスタッフではなくて)バードルフ、(ロミオではなくて)マキューシオを演じていたと知らせてくるというのが意味深長に思われる。

 横浜駅西口ムービル3で『LA LA LAND』を見る。偶然の出会いを重ねたジャズ・ピアニストの男性と、女優志願の女性が恋に落ちる。2人はそれぞれの夢を持っているが、その実現はお互いの将来を邪魔するかもしれない…。冒頭のハイウェーでの交通渋滞の場面からの群舞は見ごたえがあったが、その後はミュージカル場面としての見せ場が少なかったように思う。むしろ、2人が『理由なき反抗』を見ている場面で、上映途中にフィルムが焼けて上映が中断されるという箇所が、昔はそういうことがよくあったなぁと思わされて印象に残った。ただ、映画のあらすじと『理由なき反抗』とがあまりよく結びつかないという気もしている。

3月1日
 ヨーロッパ文化の研究家の饗庭孝男さんが2月21日に亡くなられていたという記事が『朝日』に出ていた。饗庭さんの父親は滋賀県で学校の先生を歴任されていたということで、『故郷の廃家』という著書によると、彦根高女に勤務されていたこともあるという。実は死んだ私の母が彦根高女の卒業生で、在学中に饗庭先生という先生がいたと話していた。ただし、直接、教わったかどうかは聞き洩らした。

 私の母の父、つまり私の祖父は朝鮮総督府の役人だった。私の母の姉、つまり伯母がまだ少女だったころを朝鮮で過ごし、1919年の3.1独立運動に遭遇して、大人たちが「暴徒が…」、「夜間(の外出は危険だ)…」といっているのを聞きかじって、ボートや薬缶の怪物が出るのだろうかなどと思っていたと話していたそうである。生前にきちんとした話を聞いておけばよかったと今になって後悔している。

3月2日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」は”Casual Dress Revolution"の第5回で、登場人物の1人が
For me, the three main criteria are comfort, convenience, and a professional look. (私の場合は主な基準が3つあって、それは快適さ、着こなしやすさ、プロフェッショナルらしい外見ですね。)という。criteriaはcriterionという語の複数形であるが、この形を単数形としても使うようである。

 同じ番組の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
I didn't have time to write a short letter, so I wrote a long one instead.
     ―― Mark Twain (U.S. writer, 1835 -1910)
(短い手紙を書く時間がなかったので、代わりに長い手紙を書いた。)
作家らしい一言ではないだろうか。

3月3日
 NHKラジオ「英会話タイム・トライアル」では往年のキャンディーズのヒット曲「年下の男の子」を英語で歌った。”He's munching on apples..."というような歌詞で、詳しく検討してみると、日本語と英語の違いがよくわかるかもしれない。歌の題を”Toyboy"と訳していたが、辞書によるとこれは「《俗》若い男めかけ、若いツバメ、愛玩用の男の子」ということで、これまた日本語の意味を正しく訳しているとは言えないような気もする。それはさておき、ジェニー・スキッドモアさんの歌唱はなかなかよかった。

 同じく「ラジオ英会話」では時制の一致について説明されたが、放送の最後でジェフ・マニングさんが来週から遠山顕さんが放送に復帰すると予告した。この番組の3月号のテキストを見ればわかったことであるが、放送の中でいわれた方が感激が大きい。

3月4日
 一ノ瀬正樹『英米哲学史講義』を読んでいて、ヒュームを取り上げた第5章に差し掛かり、もう20年以上昔に、エディンバラを訪れた際に、散歩していたら、近くにヒュームの墓があるという標識を見かけたことを思い出した。そのときは、そのまま通り過ぎてしまったのだが、その後、訪れる機会がないままに過ごしている。ヒュームの墓参りをするよりも、彼の著書を読む方が意味のあることかもしれないが、エディンバラにはもう一度行ってみたいと思っている。 
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

饗庭孝夫先生、お亡くなりになられたのですね。
フランスが専門だったと思います。
饗庭先生の本を確か持っていたように思います。

近日、聞いただけで、
仏文の松原先生、中世英語の河崎先生、
東大の久保内先生が亡くなられています。

私の先生は、みんな80代ですが、元気です。
でも、いつか、そういう日が来るのでしょうね。
さみしい限りです。

Re: No title

たびたびコメントをありがとうございます。『アミエルの日記』の中に、彼が尊敬していた学者の多くが世を去ってしまったことを嘆いている箇所があって、それでもまだシェリングが生きているというように記されていたと思います。人間の寿命には長短があって、それが歴史の展開の中で微妙なあやになっているのは興味深いことです。
本日(すでに昨日になっていますが)、大学院時代の恩師と電話で話したので、その分、貴兄のコメントの印象が深くなっております。重ねて、お礼を申し上げます。

No title

ひと言、添えますが
私は、「貴兄」ではなく
女性です。

詩人のマラルメは男性ですが、
マラルメが大好きな女子です。
プロフィール

tangmianlaoren

Author:tangmianlaoren
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR