年頭にあたって

1月1日(日)晴れ

 あけましておめでとうございます。
 私の住んでいる横浜では、よく晴れて、穏やかな元日を迎えることができました。皆さまはどのような元日をお迎えでしょうか。
 昨年中は、多くの方々にこの「たんめん老人のたんたん日記」へのご訪問を頂きました。厚くお礼申し上げます。
 今年は、さらに充実したブログづくりを心掛けていきたいと思います。これまで以上のご愛読・ご支援をお願いいたします。

 相変わらず、読んだ本、見た映画についての論評、歴史・地理にかかわる雑談、時々おもいうかぶ詩などを書き連ねていきたいと思っています。その中で、『神曲』と『太平記』についての連載も続けていくつもりです。『神曲』の方は既に天国篇の第9歌を終えて、どうやら、今年中に終りまでたどり着きそうですが、気持ちを緩めずに本文と解説をしっかり読みながら理解に努めていきたいと思っています。『太平記』の方は昨年の年頭に予想したよりも進み方が遅れていて、まだ第3分冊に進まないままです。おそらく今年中には第3分冊(16巻~21巻)に進むことになるでしょうが、第16巻で楠正成が戦死、第20巻で新田義貞が自殺、第21巻で後醍醐天皇が崩御と大変な展開が待っています。

 杉浦明平は岩波新書の『戦国乱世の文学』の中で、室町時代から戦国時代が日本の歴史における大きな変動期で、「一個の人間として他のどの時代よりも生きるに値するすばらしい時代であるというイメージを捨てることができない」(ⅲページ)と述べています。この本の中で、この時代を代表する人物の1人として、杉浦が高師直の名をあげていることから、彼が南北朝時代を『戦国乱世』の時代に含めて考えていると推測できます。しかし、文化は必ずしも「社会的行動の花々しさと一致しないものらしい」(同上)として、能や狂言の発達、雪舟の絵画などのすばらしい文化的な成果はあるにしても、文学史的には不毛の時代とされていると論じていることに目を向けています。

 そして、「軍記物語さえ『太平記』で叙事詩的性格を失って、『義経記』や『曾我物語』のようにフィクション化するか、それとも『明徳記』その他の局部的な戦争記録に分解してしまって、文学的に論じるに値しなくなる」(同上)と軍記物語の変質・衰退について指摘し、その変質・衰退の表れのひとつとして、『太平記』の前半には「日本の歴史全体を見渡す高い統一的な視点」(4ページ)がみられるが、後半になると「内乱と内紛の永久運動風の繰り返し」(同上)になってしまっていることを取り上げています。

 軍記物語の代表的な作品である『平家物語』を時代の転換期に現れた叙事詩として評価するのが、マルクス主義的な歴史学者であった石母田正をはじめとする人々ですが、これはさらに歴史の転換期には偉大な叙事詩が生まれるというヘーゲルからマルクス主義に引き継がれた文学史の理論に応えようとするもののようです。確かに、『平家物語』には、叙事詩といっても差し支えのないような性格があるのですが、『太平記』はそのような叙事詩といて構想され、作られていった作品といえるのかは疑問で、そのあたりのことにも目を配りながら、読み進めていきたいと考えています。それから、『太平記』が今後、どのようにその記述の対象とスタイルを変化させていくかも検討していきたいところです。

 このほか、昨年取り上げたジェイン・オースティンのその他の小説の紹介、また鷗外の『青年』に続いて、漱石の『三四郎』についての論評、この2作品から出発して、日本における<教養小説>の可能性についても探っていきたいと考えています。文学というものについて、もう少し広い視野から考え直そうと白川静『中国の古代文学』を読み始めているのですが、果たしてブログで取り上げることになりますかどうか…。

 もちろん、このほかの動機や関心から、また単なる楽しみのためにいろいろな本を読んだり、映画を見たり、その他の取り組みをしたりすると思いますが、それらはそれぞれの機会に発表していく(場合によっては発表しない)ことにするつもりです。

 付記:昨年、忘年会を開いてみようかと思っていたのですが、機会がなかったので、新年会を開こうと思います。1月18日シネマヴェーラ渋谷で16:25(~18:41)上映予定の『猫と庄造と三人の女』(豊田四郎監督)、あるいは1月19日神保町シアターで16:30(~18:18)上映予定の『煙突の見える場所』(五所平之助監督)の鑑賞後に集まるというのを考えているのですが、ご意見・ご関心のある方はコメントでご連絡ください。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

いつもご訪問いただきありがとうございます。

明けましておめでとうございます。

昨年中は、ご訪問ありがとうございました。

本年もよろしくお願いします。

No title

明けましておめでとうございます。
昨年は当ブログに訪問して頂き誠にありがとうございました。
本年もよろしくお付き合いのほどよろしくお願い致します。
健やかな一年でありますように。
プロフィール

tangmianlaoren

Author:tangmianlaoren
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR