日記抄(12月2日~8日)

12月8日(木)晴れ

 12月2日から本日までの間に経験したこと、考えたことを例によって書き連ねる。
12月2日
 新潟県の上越地方の養鶏場で鳥インフルエンザが発生した、渡り鳥から伝染したらしいというニュースを聞いて、以前、その近くに住んでいた高田城址の周りを囲んでいる堀の鴨たちは大丈夫かと心配になった。下越地方の瓢湖の白鳥の間にも鳥インフルエンザがみられるようである。

 NHKカルチャーラジオ「漱石、近代科学に出会う」では、漱石が文学を科学の方法で研究しようとしたことが語られた。彼の重大な関心事の1つが文学と科学の関係であったのは、講師の小山さんが言うように、漱石自身の資質にもよるのであろうが、漱石が留学した当時の英国においてそういう議論があったことも否定できないのではないか。

12月3日
 『朝日』の朝刊に西本願寺が築地本願寺に送った書状の控えを集めた『江戸江遣書状留帳』から松の廊下での刃傷から赤穂浪士の討ち入りにいたるまでの経緯が記されているという記事が出ていた。本願寺は吉良氏をめぐる動向に大きな関心を払っていたようである。若いころの徳川家康を苦しめた一向一揆が吉良氏と結んでいたことを思い出す。

12月4日
 NHK Eテレ「日本の話芸」で三遊亭円輔師匠の『芝浜』を視聴する。酒好きで仕事に身の入らない魚屋が女房に急き立てられて朝早く市場に出かけ、芝浜で大金の入った革の財布を拾う。家に帰って大喜びで酒を飲んで寝てしまい、目が覚めると夢だったといわれて、心がけを改め、一生懸命に働きだす…。円輔師匠のもとの師匠であった3代目桂三木助が得意とした噺であるが、三木助門下だったころの円輔師匠は前座だったので、この話の稽古はしてもらわなかったのではないか。どちらかというと、夫婦の情愛の方に力を置いた演じ方で、先週の金馬師匠の高座同様に年の功が感じられた。

12月5日
 NHKラジオ英会話は講師の遠山顕さんの体調が回復しないために、KatieとJeffが番組を進行して、"Ken's Special Selection"として2009年12月他の放送内容を再構成したものを放送している。
 リポーターのノエル・ケリーは北極にあるSt.Nick (Santa Clausの別名。St.Nicholasの愛称)の攻防を訪れ、彼を助けて働いているエルフ(elf =小妖精)たちの歓迎を受ける:
I wasn't expecting the red carpet treatment. (このような大歓迎をしていただき驚きました。) red carpet treatment が「丁重な歓待」を意味すると辞書にも掲載されている。

12月6日
 テレビ東京の『開運!なんでも鑑定団』にゲストとして出演したボクサーの長谷川穂積さんが可児才蔵の鎧兜と槍を持ち込んで、鑑定を依頼した。どうも本物だったのは兜だけで、あとは後世に付け加えられたものらしかったが、福島正則の家臣だったこの豪傑をめぐり、杉浦明平が『戦国乱世の文学』(岩波新書)のなかで「可児才蔵が自分の武功の事績を神かけて偽りなしと誓って記した『誓文日記』」(17ページ)という本があるけれども、見つけることができなかったと書いていたのを思い出した。

12月7日
 NHKラジオ『実践ビジネス英語』のテキスト12月号巻頭に講師の杉田敏さんが、当ブログでも取り上げた9月26日付の『読売』の「話し言葉を瞬時に別の言葉に翻訳する自動音声翻訳技術の開発が進んでいる」という記事についての感想を書かれているのが注目される:
 「日本は外国語の苦手な人が多いこともあり、世界で最も自動翻訳の研究が進んでいる国の1つ」とのこと。自動翻訳の精度は年々高まっている一方で、「主語や目的語のない、くだけた話し言葉や、長文の翻訳は難しく、今後の課題となる」と記事にはありますが、課題はそれだけで終わらないでしょう。
 「意味」は決して辞書の中にあるのではありません。その言葉を使う人とそれを受け取る人の頭の中に存在します。そして、両者の意味するものが一致しない場合もしばしばです。

 外国語の「苦手」な日本人にどれだけしっかりしたソフトが開発できるのかというのが(杉田先生ではない)私の疑問である。自動翻訳機の利点は、もしトラブルが起きた時には機械のせいにできるということになるかもしれない。

 さて、『実践ビジネス英語』は本日から”Slow Living"(スローな生活)という新しいVignetteが始まった。登場人物の1人が、
I find I'm becoming more and more impatient these days. (近ごろ私はますますせっかちになっているようです。) と切り出す。コンピューターの動きが遅いと、コンピューターを怒鳴りつけたりする。
I hate myself for doing that. (そんなことをしている自分に嫌気がさしています。)

 それはあなた1人だけのことではないと、同僚の1人が話を引き取る。
Welcome to the modern world. (現代世界へようこそ。) この言い方には、「それが今の世の中というものだよ。君もやっとわかったのだね」といったニュアンスがあるという。そして話は、すぐに満足感を得たいという傾向がデジタル化と結びついているという方向に進む。
I guess you could call it the dark side of the digital age. {それ(=忍耐力の低下)は、デジタル時代の負の側面と呼んでもいいでしょう。}

 コンピュータの動きが遅いので、怒鳴るということは、確かに私にもあるなと苦笑いをした次第である。

 同じく「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」では落語「酢豆腐」の英語版”Sour Tofu"を演じた。8代目(先代)の桂文楽が得意とした噺。酢豆腐を食わされる気障な若旦那の描写が面白かったのだが、英語版になるとまったく別の話が展開されている。なお、この噺は上方落語と東京でも柳派の落語家は「ちりとてちん」という題名で演じている。

12月8日
 NHK「ラジオ英会話」で、ゲストハウスについて、そのクリスマスライトにノエルは感激する。
It's really Christmassy.(クリスマスムード満点だわ。)
Christmassyという語は辞書に出ているが、〔インフォーマル〕と注記されていた。北極で使われている電源に興味を持った彼女は
Just out of curiosity, how do you generate your electricity here? (ちょっと伺いたいのですが、ここではどうやって電気を起こしているのですか?)と尋ねる。just out of curiosityという言い方は、5月31日放送(11月21日、28日にも再放送された)「入門ビジネス英語」でも使われていた。
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