モミの木

11月19日(土)雨、夜になってやむ。

 クリスマスまであと1か月以上あるというのに、クリスマス商戦が始まっている。昨日(18日)だったと思うが、横浜駅西口のJOINUSを歩いていたら、ドイツ民謡「モミの木」のメロディーが聞こえてきた。この歌はもともとクリスマスの歌であるから、聞こえてきても不思議はない。この歌というと思い出すことがいくつかある。

 中学・高校の6年間を過ごした学校は(外国人の先生が多い学校であったが)、ドイツ人の先生が3人もいらっしゃった。いや、私が中学に入学した時には4人だったのが、そのうち1人の先生が他の学校に移られたので3人になったのである。卒業後に知ったことだが、その3人のうち2人の先生は、ドイツにいらっしゃったときにヒトラー・ユーゲントと対立するカトリックの青年運動に参加されていたそうである。

 それで、専門家ではないから偉そうなことは言えないのだが、学校文化の中にドイツの青年運動の影響がかなり持ち込まれていたように思う。学校の創設当時は毎月遠足をしていたというのはどうもすごい話である。私の時代にはさすがにそういうことはなかったが、いろいろな息抜き場面があったことを懐かしく思い出す。学校で独自に作成した歌の本があり、遠足や海の家や山の家やその他の行事の際に歌う(ことを推奨される)歌が掲載されていた。その中にはドイツの青年運動の中で歌われていた歌がかなりあったようである。詳しく検討したわけではないが、ドイツの大学生の歌のCDを買ってきて聞いたことがあったが、知っている歌がほとんどなかった記憶があって、ということは我々が歌っていた(あるいは、歌わされた)歌は青年運動関係の歌だったようだと考えている次第である。そういう歌に日本語や英語の歌詞を付けて歌ったが、中にはドイツ語の歌詞がそのまま残っているものもあった。その1つが「モミの木(O Tannenbaum)」で、学芸会の際にこの歌を先輩方がドイツ語の歌詞で歌っているのを聞いたことがあるが、我々の学年は歌ったことがないはずである。高校時代に芸術の科目としては音楽を選択したが、イタリア語の歌は歌っても、ドイツ語の歌は歌わなかった。(もちろん、イタリア語を習っていたわけではない。)

 先輩方が「モミの木」をドイツ語の歌詞で歌ったのは、どなたかこの歌を教える先生がいらしたということであろう。ドイツ人の先生がいらっしゃったのだから、中学あるいは高校でドイツ語を勉強したことがあるかというと、そういうことは全くなかった。ドイツ語を教えるくらいならば、英語を余計に教えようというのが学校の方針であったように思う。ある先生は、ドイツ人といっても、アメリカの大学で、英語を母語としない外国人にどのように英語を教えるかということを専攻されていたのであるし、テレビの英会話の時間にゲストとして出演されたことがあるくらいで、ドイツ語は大学に入ってから勉強すればよいと考えられていたのであろう。
 
 これは別のドイツ人の先生の話であるが、日本の学校でよく歌われている「気のいいガチョウ」という歌に「スワビア民謡」と注記されているのはおかしい、「ドイツ民謡」とすべきであるといわれたことがあった。スワビア(Swabia)というのは、ドイツのシュヴァーベン(Schwaben)地方(現在のバーデン=ヴュルテンベルク州とバイエルン州の西部)のことを英語でこういうので、今、考えてみると、この歌を日本に紹介した人は、アメリカの歌の本からこの歌をとったからこうなったのであろう。アメリカにはドイツからの移住者が少なからずいたし(かのトランプ氏もドイツ系である)、ドイツの歌も入ってきたのであろう。

 ということで、学校文化におけるドイツ(の青年運動)の影響というのは、遠足と歌、山の家、あとはサッカーがその当時は強かったことなどであろうか。
 
 「モミの木」という歌には別の思い出がある。大学に進学してから、高安国世先生のドイツ語の時間でこの歌に出会った。先生が著者であるドイツ語の読本の中にこの歌が収められていて、授業中わざわざこの歌を歌ってくださった。ドイツ語はあまり熱心に勉強しなかったので、どうもそんなことしか授業中の思い出がないのは、困ったことである(同期会の時に、先生から発音を直されたという思い出を語っている友人がいたが、そういう記憶は全くないのである)。先生はついでに、この歌がメーデーの時などに歌われる「赤旗のうた」の原曲であるということにも言及された。

 調べてみると、この歌はアメリカでもクリスマスの歌として歌われているだけでなく、独自の歌詞をつけて、ニューヨーク州にあるコーネル大学(アイヴィー・リーグの一校)の校歌、メリーランド州の州歌(Maryland, O Maryland)、さらにアイオワ州の州歌になっているそうである。それだけ歌いやすい歌だということであろう。日本ではあまり歌われないが、メロディーはよく聞かれる歌になっている。
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