日記抄(11月11日~17日)

11月17日(木)晴れ、温暖

 11月11日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
11月11日
 NHKラジオ「まいにちイタリア語」応用編『古代ローマ幻想散歩』は”La salute e le malattie"(健康と病)という話題を取り上げた。古代ローマには(いつの時代、どこでもそうであるように⁉)優秀な医者とそうでない医者がいた。
I medici più bravi erano quelli greci he avevano frequentato le scuole greche di medicina.
(最も優秀だったのはギリシャで医学校に通った、ギリシャ人の医師たちだった。)
C'erano anche delle persone che si improvvisavano medici, e questi ciarlatani spesso causavano la morte dei malati. Marziale è sarcastico su uno pseudo-chirurgo di nome Diaulo (Diaulus).
(場当たり的な医師もいて、このようないい加減な医師たちはしばしば病人の死を招いた。マルティアーリスはディアウルスという、えせ外科医について皮肉を書き残した。)
 この番組ではしばしばマルティアーリスが引き合いに出されてきた。ローマ白銀時代のエピグラム(寸鉄詩)詩人であるマルティアーリスは松本仁助・岡道男・中務哲郎編『ラテン文学を学ぶ人のために』(世界思想社、1992)の中で、担当した岩谷智によって「猥褻さにせよ、〔皇帝に対する〕追従にせよ、マルティアーリスは時代の流れの中に身を置き、そして時代をえぐるエピグラム詩人であったがゆえに、逆にその時代のあり方からどうしても逃れることができなかった」(234ページ)と批判的に論じられている。この番組で彼の詩を多く取り上げているのは、時代が近い(マルティアーリスは1世紀、この番組に登場する人々は2世紀に生活していたと想定されている)ことのためではないかと思われる。あるいは講師の1人であるマルコ・ビオンディさんがこの詩人が好きだということであろうか。なお、マルティアーリスのラテン語・日本語対訳の詩集が大学書林から刊行されていて、長いこと探しているのだが、まだ見つけていない。

11月12日
 ニッパツ三ツ沢球技場でJリーグ2部の第41節、横浜FC対ツエーゲン金沢の試合を観戦する。0-0の引き分けに終わった。ホーム最終試合であるために、終了後、サポーターの選ぶMVPの発表などのセレモニーが行われた。MVPは3位が大久保哲哉選手、2位が南選手、1位がイバ選手ということで、3人とも30代であるのが問題ではないかと思う。グランドにやってくるサポーターの少なさをはじめとして、言いたいことはいろいろあるが、とにかく、来年は若手の活躍で、さらに上を目指してほしいと思う。

11月13日
 アメリカの俳優であるロバート・ヴォーンさんの訃報を聞く。82歳。これで『荒野の7人』に7人として出演していた俳優は全員鬼籍に入ったそうで、時の流れを感じさせられる。『荒野の7人』は黒澤明の『七人の侍』を翻案したもので、7人の「侍」を演じていたのは、志村喬、加東大介、宮口精二、稲葉義男、千秋実、木村功、三船敏郎と全員列挙できるが、7人の「ガンマン」の方は多少あやしくなる。木村功の役と三船敏郎の役を『荒野』の方では、ホルスト・ブッフホルツがまとめて演じているので、新しく設定されたガンマンを演じていたのがロバート・ヴォーンで、その後、TVの『0011 ナポレオン・ソロ』のソロ役で人気を博した。そういえば、共演のデヴィッド・マッカラムさんはまだ活躍中である。さらにその後、『タワーリング・インフェルノ』で高層ビル建築を推進する上院議員の役を演じていたのを覚えている。ご冥福を祈る。

 昨日に引き続き、ニッパツ三ツ沢球技場に出かけ、第95回高校サッカー選手権の神奈川県予選の決勝戦、相洋高校対桐光学園の対戦を観戦する。準決勝の戦いぶりなどから見て、桐光優位と踏んでいたのだが、その予想がいい意味で裏切られた好試合であった。桐光のスピードと技を、相洋がしっかり受け止めて、時々カウンターを仕掛け、互角の展開のまま、双方無得点で延長戦に入り、延長後半も終わろうとするころに、桐光が1点をとって勝負に決着をつけた。相洋はおそらく監督のゲーム・プラン通りの試合運びであったのだが、1点が取れなかったのは残念であろう。

 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”Voltaire"を取り上げた。
Defender of freedom of speech and freedom of religion, poet, playwright, author, philosopher, historian, polymath and a scarbrous wit, Voltaire was one of the foundational figures of the European Enlightenment -- a philosophical movement of the 18th century that advocacted the primacy of human reason and the ideals of liberty and progress.
(言論の自由と信仰の自由の擁護者であり、詩人、劇作家、作家、哲学者、歴史家、白学者、そしてきわどいウィットに富んだ人物。ヴォルテールはヨーロッパの啓蒙思想の礎を築いた人物の1人である――啓蒙思想とは、18世紀の思想運動で、人間の理性と自由と進歩の理念を擁護するものであった。)
 ヴォルテールはイエズス会の学校の出身者で、かくいう私もそうなので、いわば大先輩にあたる。デカルトとヴォルテールを生みだした精神的な伝統が自分の中に少しではあるかもしれないが、とにかく流れているのだ――と思いながら、毎日を過ごしているのである。

11月14日
 漫画家の高井研一郎さんが亡くなられたそうだ。九州の出身であるのに、なぜか石ノ森章太郎の主催する東日本漫画研究会に参加、赤塚不二夫さんの協力者としてギャグの開発に貢献されたことまではよく知っているのだが、独立して『総務部総務課山口六平太』などの作品を描いたということである。

11月15日
 東京大学が女子学生に家賃の援助を行うという記事が『朝日』の朝刊に出ていた。入試改革だけでなく、学生の経済的な条件に目を向けようという姿勢には拍手を送りたい。

 『週刊女性』11月29日・12月6日合併号の広告によると、石田純一さんが「僕は池上彰さんになりたい」と語っているようであるが、
 池上さんと肩を並べるだけの情報収集と分析の努力をしているのかどうかはあやしいと思う。

11月16日
 『朝日』の朝刊に「知床の遺跡から銅銭」という記事が掲載されていた。9世紀の≪オホーツク文化≫に属する遺跡の中から平安時代の政府が鋳造した銅銭が見つかったという。銅銭がどのような役割を果たしていたのかも興味深い問題である。

 『日経』の朝刊に14代350年続いている「加賀の御用釜師」と茶釜の話が出ていた。

 NHK「ラジオ英会話」では、アリゾナ州をRVで旅行している老夫婦がBronco Corralという名の観光客用のレストランに入り、料理を注文するという話が展開された。妻のシャーリーはbuffalo burgerを夫のハーヴィーはbarbecue rattlesnake with cactus fries (バーベキューのガラガラヘビにサボテンフライ)を注文する。corralというと思い出すのが、”O.K. Corral"であり、ガラガラヘビの料理というと思い出すのが、サム・ペッキンパー監督の映画『砂漠の流れ者』である。
 番組の後の方で披歴されたのだが、実はこれらの料理は講師の遠山顕さんが、実際にアリゾナ州で食べたものだそうである。

11月17日
 『朝日』の朝刊によるとオックスフォード辞典は、今年の単語として"post-truth"(世論形成において、客観的事実が、感情や個人的信念に訴えるものより影響力を持たない状況)を選んだという。

 同じく、トランプ新大統領がどのような科学政策をとるかに注目が集まっているかという記事も興味深かった。これまでのところ、あまり多くのことを語っていないのは、優先順位が低いからではないかというのだが、本当だとすれば困ったことだ。

 NHKラジオ「まいにちイタリア語」応用編「古代ローマ幻想散歩」では”Gli incendi e i vigili" (火事と消防士たち)という話題を取り上げた。Gli incendi erano molto frequenti a Roma e quello del 64 d.ç. è ritenuto il peggiore nella storia di Roma. (ローマでは火災が頻発したが、紀元64年のものがローマ史上最悪のものとされている。) Dopo l'incendio del 64, l'imperatore nerone ha cercato di rendere la città più sicura. (紀元64年の火災の後、皇帝ネロは街をより安全なものにしようと努めた。) 
 火事と喧嘩は江戸の華などといわれる1600年以上も昔の話である。 
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