日記抄(8月5日~11日)

8月11日(木)晴れ

 8月5日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
8月5日
 『朝日』朝刊に「世界遺産」の指定を受けているリヴァプールが市の再開発の結果、その地位が危うくなっているという記事が出ていた。この年で数か月過ごしたのはもう20年近く昔のことになってしまったが、古くからの景観を残しながら、再開発を行うのが難しいということはよくわかる。

 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
A wise man gets more use from his enemies than a fool from his friends.
     ---- Baltasar Gracián (Spanish prose writer and philosopher, 1601 - 58)
(賢者がその敵から得るものは、愚者がその友人から得るものより多い。)
この言葉を逆の方角から見て、敵から多くを学ぶことのできる人を賢いといい、友人の親身な忠告に耳を貸さない人を愚かであるということもできよう。

8月6日
 現地時間では8月5日、日本時間では本日の午前中にオリンピックの開会式が行われた。古代ギリシアのオリンピックでは、戦争の最中でも戦闘を停止して、競技に参加したというが、近代オリンピックは戦争のために3度中止された。今回は参加する国・地域の数が国連の加盟国を上回っただけでなく、難民の選手団も結成され、参加している。近代オリンピックが古代オリンピックに比肩する平和の祭典になるときが近づいてきているのであろうか。

 広島に原爆が投下された日。トルコの詩人であるナーズム・ヒクメットに「死んだ女の子」という原爆の被害者を歌った詩があり(作曲もされている)、中学受験の模擬試験の問題に出題されたことがあったのを覚えている。飯塚書店から刊行されていたヒクメットの詩集を持っていたのだが、手放してしまった後で、友人の知人であるトルコからの留学生がこの詩集を探しているというので、見つけ出して買って、貸したところ、その留学生が詩集を紛失してしまったといって、また新たに買い求めて返してくれた。その詩集も、今は手元にはない。

 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”Samba"という話題を取り上げた。
Samba music has an interesting history. I've always associated it with Brazil, and Rio de Janeiro, but its origins go back much further to Africa. Many people from Africa were forced to go to Brazil as slaves (around 4 million over 300 years according to some estimates), and they took with them their music and their religious traditions. These mixed with European and Latin American dance to become what we now know as samba.
(サンバには興味深い歴史がある。私はずっと、サンバというとブラジルとリオデジャネイロだと思ってきたのだが、サンバの起源は、さらにはるかアフリカまでさかのぼる。アフリカからたくさんの人がブラジルに奴隷として強制的に連れてこられ(300年以上に渡し、400万人くらいになるという推定もある)、その人たちは、自分たちの音楽や宗教的伝統もこの地に持ち込んだ。これらがヨーロッパやラテンアメリカのダンスと混ざって、いま私たちがサンバとして知っているものになったのである。)
 今では日本でも、夏になると各地でサンバを踊る催しが繰り広げられている。

8月7日
 『朝日』の朝刊の地方欄に神奈川区の浦島小学校が横浜の浦島伝説を掘り起こす活動を総合学習として行っているという記事が出ていた。そういえば、神奈川区のゆるキャラは亀太郎で、浦島伝説にちなんでのものである。浦島伝説はかなり広い範囲に分布しているので、伝説の残る各地域間で交流してみるのもいいかもしれない。

 望月麻衣『京都寺町三条のホームズ ⑤ シャーロキアンの宴と春の嵐』(双葉文庫)を読み終える。埼玉県から京都に移り住んだ高校生の葵は、寺町三条に店を構える古道具屋『蔵』でアルバイトをすることになった。店は「オーナー」と呼ばれる祖父、「店長」と呼ばれる父、「ホームズ」とあだ名される清貴さんの3代にわたる男性が経営しているのだが、「ホームズ」はその名の通り、主として骨董品が絡む数々の難事件を解決してきた。
 シリーズ第5作に当たる今回は、シリーズ主要メンバーの天橋立と城崎温泉への旅行から、葵の親友である香織の姉で呉服店の跡取り娘である佐織の恋愛問題、清貴と葵が出かけた京都のシャーロキアンたちの集まりで起きた踊り人形による脅迫文の事件、葵の在学する大木高校の卒業生で京都サンガで活躍する選手の不振の原因、そして清貴に嫉妬心を燃やす贋作師炎症による新たな挑戦まで、4編からなる。
 以前にも書いたが、大木高校というのは府立鴨沂高校がおそらくはヒントになっている命名で、山本富士子、団令子、田宮二郎など、日本の映画史に名を残す俳優たちの母校である。

 この日、横浜FCはアウェーでのC大阪戦で、0‐2から三浦カズ、イバがゴールを決めて同点に追いつき、ロスタイムに内田がゴールを挙げて、3-2で逆転勝利をおさめた。内田のゴールは本当に久しぶりで、復調ぶりはうれしい。

8月8日
 最近は、新聞の記事を読むよりも、新聞に掲載されている雑誌(特に週刊誌)の広告の見出しを読む方が楽しい感じがする。勤めていたころは、電車の中づり広告の見出しを楽しんでいたことを思い出す。『週刊東洋経済』8月13・20日合併号に「十字軍の思想」という記事が出ているらしい。アメリカのブッシュ前大統領がテロとの戦争を十字軍になぞらえていたという記憶があるが、ブッシュのように一流大学を出た人でも、十字軍は第2次を除き、ほとんどが失敗に終わっているという歴史的な事実を無視しているように思われるのは、困ったことである。

8月9日
 『朝日』朝刊に「発見・検証 日本の古代」シンポジウムの概要が紹介されていて、改めて「騎馬民族征服王朝」説をめぐる議論で盛り上がったと記されていた。私の書架に江上波夫『騎馬民族国家 日本古代史へのアプローチ』(中公文庫)があるが、単なる思い付きの結果とは思えない浩瀚な著作である。冒頭のアジアをその地理的環境によって4つに分ける議論など、和辻哲郎の『風土』や梅棹忠夫の『文明の生態史観』などよりも精緻な議論だという気がする。

8月10日
 NHKラジオ「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」では落語の『桃太郎』を英語に直して放送した。昔の子どもは、お父さんが桃太郎の話をすると、喜んで聞いているうちに眠ってしまったが、今の子どもは父親の話にいろいろ難癖をつけた挙句、自分なりの解釈を親に聞かせる…と親の方が眠ってしまうというお話。
 実はおとぎ話の『桃太郎』を題材にした落語はもう1つあって、『桃太郎後日談』といい、桃太郎が鬼ヶ島から帰ってきたのはいいが、なぜか元気がない。犬と猿と雉が聞きただしたところ、鬼の王様の娘に恋をしたというので、世話を焼いて結婚させるという話で、先代の昔々亭桃太郎(柳家金語楼の弟)がよくやっていたのはこちらの方だったはずである。実は、結婚したのはいいが…というさらにその先があるようで、続編を作り出すときりがなくなるのは、この話に限ったことではない。

8月11日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Word Watch"のコーナーで”from Toronto to Timbuktu"(世界中に、世界の隅々まで)という表現が紹介されていた。TorontoはもちろんカナダOntario州の州都、Timbuktuはアフリカのマリ共和国にあり、16世紀には西アフリカ最大のイスラム都市だったところで、「遠く離れた場所」(any distant of remote place)の代名詞としても使われる。長い旅のことを"from here to Timbuktu"というそうである。また”From Timbukktu to Kalamazoo"などのように珍しい地名(KalamazooはaMichigan州の都市)や、”fromToronto [Tallahassee] to Timbuktu”のように頭韻を踏んだ地名と並べて用いることもあるという(TallahasseeはFlorida州の州都)。
 Timbuktuは、砂漠の交易路の要衝としてその地位を築黄、黄金都市として知られるようになった。イスラーム世界の大旅行家イブン・バットゥータの旅行記に登場するほか、ヨーロッパの冒険家たちがこの都市を目指して危険な旅行を企てた。ユネスコの世界遺産になっているはずだが、イスラーム過激派による破壊活動の結果、その地位が危うくなっていると聞いたことがある。ジュール・ヴェルヌの小説にこの都市が登場する作品があるので、探してみてください。

 ニッパツ三ツ沢球技場で横浜FC対札幌コンサドーレの対戦を観戦した。ここ2連勝中の横浜と、目下J2首位の札幌の対戦で、序盤は札幌が優勢だったが、その後は互角の展開となり、後半70分にCKから札幌のGKがはじいた球を横浜のFW大久保選手が左足でけりこみ、これが決勝点となった。横浜は終盤に内田選手が登場、その一方で三浦カズ選手がベンチにも入らなかったが、14日の東京ヴェルディ戦に備えて温存したか、あるいは他の理由があったのか気になるところである。
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