日記抄(7月22日~28日)

7月28日(木)晴れたり曇ったり、関東甲信地方の梅雨明けが宣言された。

 7月22日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
7月22日
 『朝日』の朝刊にアジアの大学のランキングで日本の大学の順位が軒並み下がったという記事が出ていた。ランキングが大学の実力の正確な指標ではないが、それでも留学の際の進路選択の目安としての影響力は小さくないので、大学側も苦慮しているというような「常識的」な書き方がされていたが、実際のところ、問題はもっと大きいのではないか。1970年代以降、日本を含むアジアの諸国で多くの<新構想大学>が設置されたが、それらの大学の少なからぬ部分がアジアのランキングの上位を占めているにもかかわらず、日本の新構想大学は(東京教育大学の豊かな人的資源を継承した)筑波大学を除き、下位に甘んじているということがもっと深刻に受け止められる必要がある。つまりここ50年間ほどの日本の高等教育政策は間違っていたことを認め、その原因を究明する努力がなされなければならないということである。

7月23日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」では„Greenwich Village "(グリニッジ・ヴィレッジ)を取り上げた。ニューヨーク市マンハッタン区の南
the area around Washington Square Park and west to the river
(ワシントン・スクエア公園付近とそこから西の川岸まで辺りの地域)
で、新しい芸術・文化の運動がここを中心に何度も起きたことで知られる。”Washington Square"というと、ヘンリー・ジェイムズの同名の小説があって、大学の2回生の時に喜志哲雄先生の英語の授業で読んでことがある。授業の際に先生が黒板にニューヨークの地図を描かれて、Washington Squareはこのあたりだと示されたのを覚えているが、授業をぼんやりときいていた不肖の学生である私は実際に足を運ぶことなく、人生を終えようとしている。この小説の映画化は日本では『女相続人』という題名で公開されたが、この作品でオリヴィア・デ・ハヴィランドがアカデミー主演女優賞を取ったことでよく知られている。

7月24日
 Eテレ「日本の話芸」で三遊亭遊三師匠の『抜け雀』を視聴する。小田原のある旅館に泊まった汚い身なりの武士が宿代代わりに屏風に描いた雀が毎朝屏風から抜け出すので評判になる。すると、ある時噂を聞いてやってきた立派な身なりの武士が、止まり木がなければこの雀は死ぬと言って、鳥かごの絵を描く。雀はそのかごの中に入って羽を休める。ますます評判が高くなって、小田原の殿様がこの絵を2000両で買い上げるといってくる。雀を描いた絵師の承認がないと売れないと主人が絵師を待っていると、以前とは打って変わって立派な身なりをして、その絵師が現れる・・・。親子で超絶した技量の持ち主であったという話である。口演中「えー」が連発されたこと、最後に親の勘当が解けたというのを2回言ったことが減点材料だが、その他の点では無難な出来であった。

 ニッパツ三ツ沢球技場で横浜FC対ギラヴァンツ北九州の対戦を観戦する。前半21分に北九州の池元選手がゴール前でのもみあいからシュートを決めて1点を先行、横浜にいた時は突破力には抜群のものがありながら、決定力に難があった池元選手であるが、成長ぶりを見せつけられた場面である。後半、54分に横浜の佐藤選手が左足で決めて追いついたが、その後追加点を奪えず、ロスタイムに入り、北九州の原選手がコーナーキックからゴールを決めて勝負あったかに思われたが、横浜が最後の土壇場にゴール前のもみ合いから永田選手のゴールで1点を奪い、辛くも追いついた。格下の相手に、辛くも引き分けというのはどうも情けない試合ぶりである。

7月25日
 『朝日』の朝刊に「姿なき国民的監督」という見出しで、アッバス・キアロスタミ監督の死がイランでどのように受け止められていたかという記事が出ていた。キアロスタミ監督の作品は国内では上映できない状態のようである。映画の製作活動が自由に展開できないにもかかわらず、キアロスタミ監督以外にも、『オフサイド・ガールズ』(ジャファール・パナヒ監督)とか、『彼女が消えた浜辺』、『別離』(ともにアスガー・ファルハディ監督)のようにイランからは注目すべき作品がうまれているのはその理由について考えてよいことである。

 病院に検診に出かける。この病院の古い建物はドラマなどでも撮影に利用されているようだが、改修工事が始まっていた。心電図を取ったりしたため、思ったよりも時間がかかり、この後で渋谷に出て『花影』と『けものみち』を見に行く予定を変更して、そのまま横浜に戻ることになった。

7月26日
 『朝日』の朝刊では26・7の2日間にわたり日本の国公立大学のいくつかを紹介する記事を掲載する予定で、今日は宇都宮大、九大、熊本大、筑波大、都留文科大、東京海洋大、東北大、秋田大が取り上げられていた。文科省高等教育局長の常盤豊氏による「社会に貢献できる大学へ」というインタビュー記事も掲載されていたが、どのような社会にどのように貢献するのかが問題である。

7月27日
 『朝日』の朝刊に吉川弘文館から刊行される須田勉『国分寺の誕生』という書物の広告が掲載されていたので、本屋で一部を立ち読みする。私の座右の書の1冊である玉手英四郎『わが心の国分寺』が参考にされていることが分かり、ちょっと嬉しく思った。本屋の書架に倉本一宏さんの現代語訳による『小右記』(吉川弘文館)が並んでいて、倉本さんが『御堂関白記』(藤原道長)、『権記』(藤原行成)に続き、藤原実資の日記の現代語訳にも取り組んでいることが分かった。

 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
The devil can cite Scripture for his purpose.
            (from The Merchant of Venice )
         ーーWilliam Shakespeare (English dramatist and poet, 1564 -1616)
(悪魔は、自分の目的のために聖書を引用しかねない。)

7月28日
 『朝日』の朝刊に福岡伸一さんという生物学者が「効率の価値 見せた画家」という見出しで、16世紀イタリアの画家ジョルジョ・ヴァザーリ(1511-1574)について書いている。レオナルド(1452-1519)やミケランジェロに比べると、作品は見劣りするが、依頼を受けた作品は期日までに必ず仕上げたので、高く評価されたという。それは遅筆のレオナルドにはできない仕事ぶりであった。ところで、福岡さんはヴァザーリがレオナルドと同時代人であると書いていたが、2世代ほど若いので、同時代人というのには少し無理があるのではないかと思う。(ヴァザーリは画家であるとともに、美術史家として名を残していることをご存知の方は多いはずである。)

 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
A lie can travel halfway around the world while the truth is putting on its shoes.
          ―― Mark Twain (U.S. writer, 1835 -1910)
(真実が靴を履いている間に、嘘は地球の反対側まで移動できる。)
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