日記抄(4月29日~5月5日)

5月5日(木)晴れ

 4月29日から本日までの間に経験したこと、考えたことから:
4月29日
 田辺聖子『おくのほそ道を旅しよう』(角川文庫)を読み終える。1989年に講談社から『「おくのほそ道」を旅しよう』として刊行され、1997年に文庫化された書物を、発行元を変えて出版したものである。実際に、東京の深川から東北・北陸を旅行して、大垣に至る芭蕉の行程を辿って、書かれた書物で、『おくのほそ道』のわかりやすい解説になっている。田辺さんは大阪生まれで、関西で生活してきたので、完全アウェーの旅行である。それだけにさまざまな発見に満ちている。芭蕉が土地の富商・清風鈴木八右衛門に歓待を受けた尾花沢で、土地の人が芭蕉の「眉掃を俤にして紅粉(べに)の花」という句が紫式部によって壊された紅花のイメージを、再び取り戻してくれたと恩に着ているという話などは興味深い。もちろん、出版社の編集者をお供に連れ、途中での中断がある旅行ではあるが、芭蕉だって一人旅ではなかったのだから文句を言う筋合いではない。

4月30日
 NHKラジオ『攻略!英語リスニング』は”Pluto"(冥王星)について取り上げた。「ワンポイント・ニュースで英会話」でも紹介された探査機ニュー・ホライズンズによるこのdwarf planet (準惑星)にはice volcanoes (氷の火山)やglaciers (氷河)があるという発見が語られた。巻末のFree Talkによると、ニュー・ホライズンズ号には冥王星の発見者であるクライド・トンボーの遺灰の一部が積み込まれていたのだそうだ。

 書店で長谷川たかこ『ワカメちゃんがパリに住み続ける理由』(KKベストセラーズ)という本を見かけた。長谷川さんのブログ「長谷川たかこのパリのふつうの生活」は時々覗いているのだが、彼女が長谷川町子の姪であることは知らなかった。13歳の時に伯母のお供でパリを訪問し、それ以来その魅力に取りつかれているという。うらやましい話だ。

5月1日
 Eテレの「日本の話芸」で春風亭小柳枝師匠の「二番煎じ」を視聴する。この噺は春風亭柳橋(奇しくも4代目の春風亭小柳枝であった)や8代目の三笑亭可楽(これまた6代目の小柳枝であった)がよく演じていた他に古今亭志ん朝が演じたものを聴いた記憶がある。火事が江戸の名物の1つに数えられていた江戸時代のこと、町内の旦那衆が火の用心の夜回りをするのだが、寒いのでこっそり酒や肴を持ち込んで、休み時間に味わっていると、見回りの役人がやってくる。まだ江戸の記憶の残る関東大震災前の東京で育った柳橋や可楽、彼らと同世代の父親の薫陶を受けた志ん朝とは別の噺を作っていかなければならない世代の9代目小柳枝であるが、しっかり自分の噺にしていたのには感心した。口調のもたついたところはあるにしても、よくまとめていたと思う。昔々上野の鈴本で実際に口演に接したこともあり、ラジオ等では何度も聞いているのだが、その時よりもずっと上達しているように思った。

5月2日
 モンペリエっ子さんのブログ「海外生活紀」でLe chant des partisans (パルチザンの歌)という歌が紹介されていた。昔々、イヴ・モンタンが歌ったのを聴いた記憶があるが、歌の題名は知らずにいて、今回初めて知ることができた。モンタンの世代と、より若い世代の歌手とでは戦争に対するかかわり方が違い、そういう経験の違いは、歌への取り組みにも現れるはずである。
 私が若かったころは、自分よりも年長の戦争体験のある人たちがかなり多く存命中で、したがってかなり多様で個性的でもあるそれぞれの戦争体験について聞くことができた。戦争が好ましくないのは当然のことであるが、その戦争についての記憶を画一的にまとめてしまおうとすることが、好ましいことだとは思わない。
 文化や価値観の伝達ということで学校教育の役割が重視されるが、文化の中には学校教育の影響を受けにくい領域もある。「唱歌、校門を出でず」という言葉に示されるように、音楽などは学校教育から学ぶものの少ない領域ではないかと思う。
 (私のコメントに対して、モンペリエっ子さんから丁寧なコメントを返していただきました。あらためて感謝いたします。)

5月3日
 日産スタジアムでJ2の横浜FC対ファジアーノ岡山の試合を観戦する。横浜がこのところ好調なので、期待していたのだが、あまりいいところなく、0-2で敗れたのは残念であった。

5月4日
 七森さんのブログ「◎あちこち神社」は京都御苑の中の白雲神社を取り上げていて、西園寺家とのかかわりを記していた。西園寺家といえば、現在は京都大学の所有となっている田中関田町(せきでんちょう)の清風荘は西園寺公望の別荘の1つであった。西園寺さんはあちこちに別荘を持っていたのである。

5月5日
 太田和彦『山の神さま・仏さま』(ヤマケイ新書)という本が朝日新聞で紹介されていたのを見て、面白そうだと思って買って読んでいるところである。自分の経験を踏まえて山と伝統的な信仰との結びつきについていろいろと語っている本で、詳しいことは読み終えてから書こうと思うが、山登りは段階を踏んで難しい山に挑戦をするようにすべきであるというのは、4月28日放送(5月5日再放送)の「ラジオ英会話」に出てきた
You have to learn to walk before you can run.
(歩くことを覚えて初めて走ることができる。人間基礎固めが大切)
というのと共通する意見だなあと思った。
 四国八十八カ所のお遍路に出かける余裕がなくても、御府内八十八ヶ寺のように身近に巡礼の場が設定されているという個所に出会い、御府内八十八ヶ寺というのは初めて聞くなあと思って調べてみたが、一時私が文京区に住んでいたときの住まいの近くの寺が含まれていたりして、興味深かった。以前、玉川八十八か所というのに興味を持っていくつか寺を回ったのだが、それとは別のものである。わたしには玉川のほうが身近なので、再度挑戦してみようかと思っている。

 このブログを始めてから、読者のみなさんよりいただいた拍手の数が15,000を越えました。どうも有難うございます。これからも努力してブログを続けていくつもりですので、ご愛読くださるようお願いいたします。
 
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こんにちは!

こんにちは!
いつもにゃーごとまめたんに会いにきて頂きありがとうございます。

15000拍手、おめでとうございます。
これからも楽しみにしています。
ご無理のないようにブログを続けて欲しいです。
お願いします。
お身体も大切にして下さいね!!

Re: こんにちは!

コメントをありがとうございました。

私も、にゃーごとまめたんの記事、楽しく拝読しております。実は、福井県越前市が武生市であったころに、住んでいたことがあるのですが、猫の寺のことは知りませんでした。あるいは、私が他所に移ってから猫が増えたのかもしれませんね。

お体を大切に、猫ちゃんとの生活を楽しく続けられるよう、願っております。今後ともよろしく。
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