それぞれにお家の事情がある

4月20日(水)晴れ

 NHKラジオ「レベルアップ中国語」では「家家有本難念的経」(それぞれにお家の事情がある)という表現を中心に番組が展開された。家ごとに、すらすらとは読めない難しいお経がある⇒家ごとに、それぞれの難しい事情があるということのようである。

 この表現と関連して、トルストイの長編小説『アンナ・カレーニナ』の冒頭部分の日本語訳と中国語訳も紹介された:
「幸福な家庭はみな同じように似ているが、不幸な家庭は不幸のさまもそれぞれ違うものだ」(原卓也訳)
幸福的家庭都是相似的、不幸的家庭各様各的不幸」(曹資翰訳)
 そういえば、2月17日の「実践ビジネス英語」の時間の”Quote...Unquote"のコーナーでもこの言葉が紹介されていて、一度「日記抄」で取り上げたはずだが、再度引用すると
All happy families resemble one another, each unhappy family is unhappy in its own way.
 ロシア語ではどうなっているのか、知りたいところだが、探している暇も、探し出す技術も持ち合わせない。

 先週の金曜日である4月15日の「レベルアップ中国語」ではアメリカ人のジョン・P・オードウェイ(John P. Ordway, 1824-80)の歌”Dreaming Home and Mother" (故郷と母を夢にみて)のメロディーに中国の李叔同(1880-1942)が歌詞をつけた≪送別≫が紹介され、歌われた。このオードウェイの歌は、日本では明治時代に犬童球渓(1879-1943)が自由訳による歌詞をつけて「旅愁」として歌われてきた。本国であるアメリカでは忘れられた歌であるが、日本と中国では少し趣を変えてはいるが、歌い継がれてきたという。

 「この曲のメロディーと歌詞の著作権は、日本・中国・アメリカのいずれの国においても切れており、自由に使える」そうであるが、歌いだしの部分だけ、英語、日本語、中国語で紹介すると:

Dreaming of home, dear old home!
Home of my childhood and mother.

更けゆく 秋の夜 旅の空の
わびしき 思いに 一人悩む

長亭外、古道辺
芳草碧連天
晩風払柳笛声残
夕陽山外山


 英語の歌詞では歌い手は故郷と子ども時代、母親を懐かしみ、その夢を見たことを喜んでいるのに対して、日本語では歌い手は旅で故郷を離れて、父母を慕う内容である。さらに中国語訳では父母は登場せず、友人たちだけが歌詞に登場し、それも散り散りになってしまったと嘆く。そして「せめて一杯の濁り酒で、楽しみを尽くすとしよう。今夜は、別れの夢を見て、寒々となりそうだから」と夢の役割が英語によるもともとの歌詞とは逆になり、歌い手が酒を飲もうとするところなど、漢詩の世界を思い出させる。それぞれ、YouTubeでどんな歌かを確かめることができるらしいから、興味のある方は試聴してみてください。

 それぞれの歌詞を分析していくと、言語の違いだけでなく、その背景にある文化の違い、社会の歴史の違いといったものが窺われるところが興味深い。(なお、中国語の部分について、簡体字が入力できないので、日本語で使う漢字を使用していることにご留意ください。)
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