日記抄(2月5日~11日)

2月11日(木)晴れ

 2月2日の当ブログ「ダンテ・アリギエリ『神曲 煉獄篇』(22-2)」で、原初の世界が人類にとっての黄金時代であり、團栗の実でさえも滋味に富み、流れる水が甘露であったという個所をめぐり、セルバンテスの『ドン・キホーテ』に主人公が団栗を齧りながら、黄金時代について長広舌をふるう場面があると書いたが、これは前編第11章の出来事である。その際に「羊飼いの夕食」と書いたが、正しくは「山羊飼いの夕食」であった。訂正しておく。

2月5日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」では”Man Versus Robot”(人間対ロボット)と題して、ロボット工学の発展により人間の社会はどう変化するかについての話題を取り上げているが、本日はロボットの文章を書く能力が発展すると、ロボットがピューリッツァー賞を取るという事態が出てくるのだろうかという発言に対し、
Or be sued for libel or plagiarism. (あるいは、名誉棄損や盗用で訴えられるかです。)と別の登場人物が反応する。そこで、今度はロボットの弁護士が出てくるのではないかという話の運びになる。しかし、ロボットのジャーナリストや弁護士の出現以前に、人間のジャーナリストや法律家がロボット化するほうが現実的でもあり、怖いような気がする。

2月6日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」では”The Great Depression"(大恐慌)という話題を取り上げた。1929年の大恐慌に先立つ”the Roaring Twenties"(狂乱の20年代)の経済的な繁栄と、1932年に当選したフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領によるニュー・ディール政策までが扱われていた。
 テキストの”Tidbits"欄に講師の柴原先生が、子どものころにミュージカル映画『メイム』を見たという話を書いている。the Roaring Twentiesを体現するような派手な生活をしているメイムという女性のところに、孤児になった甥のパトリックが引き取られるが、大恐慌で一家は没落…ところが、という話で、私は日本公開時に封切で見ている。それ以上に、試写会で『ザッツ・エンタテインメント』を見ていたら、この映画の最後が『メイム』の紹介になる、近くで見ていた女性たちがメイムを演じている女優さんは誰かしら…と話していたので、ルシル・ボールだと教えたことを思い出す(これは1度書いたことがある)。それで、あっそうか、どこかで見たことのある顔だと思った…と感謝されたのである。

 1960年代に、”The Roaring Twenties"というアメリカのドラマが『マンハッタン・スキャンダル』という題名で日本のテレビで放映されていた。1920年代のニューヨークの町で働く新聞記者の活躍を描く者で、主人公の恋人の歌手兼ダンサーの役でこの番組に登場していたドロシー・プロヴァインという女優が私の御贔屓で、『おかしな、おかしな、おかしな世界』とか、『グレート・レース』とか彼女の出演した映画はよく見ている。『グレート・レース』を監督したブレーク・エドワーズ、出演したトニー・カーティス、ナタリー・ウッド、ジャック・レモン、ピーター・フォーク、そしてドロシー・プロヴァイン、みんなあの世に行ってしまった。せめて、この映画の主題歌である”Sweet Heart Tree"でも聞いてみるか…。

 経済学者のガルブレイスが、自分の生涯で起きたいちばん大きな出来事は、ケインズ革命であったと回想しているのを読んだことがある。ニューディールもケインズ革命の一端と言えるのだが、ガルブレイスにとっては経済理論のほうが政策よりも印象が強かったようである。今は理論においても政策においてもケインズはわきに追いやられているように思われるが、この番組がニューディールを肯定的に取り上げたのは、ちょっと興味深い。

2月7日
 Eテレの『日本の話芸』で桂米丸師匠の落語の口演を見ていたのだが、あまりにもつまらないので途中で切ってしまった。別に新作落語がよくないというのではなくて、米丸さんの話が面白くないということである。同じ新作中心でも、故人になった春風亭柳昇師匠の高座はうまいとはいえなかったが、愛嬌があって面白かった。どういうことか、もう少し、寄席で落語を聞きこんでおけばよかったと思う。

2月8日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」ではla Cathédrale Notre-Dame de Rouen (ルーアンの大聖堂)が取り上げられた。この大聖堂の尖塔は151メートルの高さがあるそうである。パートナーのジャン=フランソワ・グラヅィアニさんによると、その高さは、天への飛翔、神に近づくことを象徴的に表しているという。日本の五重塔や三重塔にも同じことが当てはまるのであろうか。

2月9日
 医師の診察を受けに出かけ、その後薬局で薬が揃うのを待っていたら、近くにいた人がいやに立派な薬手帳を持っているので、薬手帳をほめても仕方がないなと、なぜかうちで飼っている猫がよく立派な尻尾をしていると褒め?られることを思い出した。
 その後、黄金町の駅の近くの「洗濯船」という洋食店でナポリタンを食べる。この店は、今柊二さんが神奈川の定食屋シリーズの中で取り上げていて、よく前を通るのだが、初めて入ってみた。ちょっと手狭ではあるが、家庭的な雰囲気の好感の持てる店である。シネマ・ジャックで映画『Re:Life リライフ』を見て、天気がいいので、地下鉄に乗る気分ではなく、バスに乗って帰ってきた。

2月10日
 田中啓文『鍋奉行犯科帳 今日に上った鍋奉行』(集英社文庫)を読み終える。鍋奉行こと大邉久右衛門が相撲部屋で寄せ鍋を食べるというくだりがあり、2月3日付の当ブログで、このシリーズが歴史的な事実をよく押さえていると褒めた(ちゃんこ鍋の起源はそれほど古いものではない)のを後悔している。江戸時代の鍋料理は基本的に小鍋仕立てであったことを作者は知っているはずであるが、抑えが利かなくなったようである。

2月11日
 朝日新聞の「天声人語」に、故・小沢昭一さんの「寒月や出ていく末の丁と半」という句が紹介されていた。丁が出ても、半が出ても冬の寒さは変らないという気持ちもこめられているかもしれない。

 「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
No one should be ashamed to admit they are wrong, which is but saying, in other words, that they are wiser today than they were yesterday.
----Alexander Pope (English poet, 1688 - 1744)
(自分が間違っていると認めることをだれも恥じるべきではない、それは、別のことばで表せば、きょうはきのうより賢くなっている、と言っているのだ。)
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