日記抄(1月22日~28日)

1月28日(木)晴れ、温暖

 前回の「日記抄」で書き洩らしたことをいくつか:
 映画『百合子 ダスヴィダーニヤ』を見に出かける前提として、日本では教養小説と呼べるような小説がほとんどない(中野重治の「歌のわかれ」や『むらぎも』はその中での例外と言える)中で、野上弥生子や宮本百合子のような女性の作家の作品の中には教養小説と言えるものがあるのではないかという興味があった。これは日本の教育制度が、男性の教育は上(公権力の側)から、女性の教育については下から(民間の篤志によって)発展してきたことと関連するのではないか…などと考えている。それよりも、何よりも、野上や宮本の作品を読まなければならない(どちらかというと、わたしは林芙美子のほうが好きである)。

 NHKラジオ1月21日放送の「まいにちフランス語」応用編で、映画『ポリー・マグ―おまえは誰だ』に関連して、シンデレラ(フランス語ではサンドリヨン)の物語には、シャルル・ペローが書き記した物語のほかにも様々な異伝があるという話が出てきた。その中には、王子がサンドリヨンの家に出かけると、姉娘が出てきて、王子が持ってきた靴を履くが、足が大きくて靴が入らない。母親が、王妃になれば歩く必要がなくなるといって、姉娘の足の指を切り落とさせる(講師の芳野さんが怖いですねぇといっていた)という異伝が紹介されたが、グリム童話の話の運びはこちらの方になっていると記憶する。山室静『世界のシンデレラ物語』(新潮選書)は持っているだけで、目を通したことはないのだが、読んでみたら、さらにさまざまな展開があるのかもしれない。

 1月22日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
1月22日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote ...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
Do not talk a little on many subjects, but much on a few.
  ――Pythagoras (greek philosopher and mathematician, c.570- c.495.BC)
(たくさんの事柄について少し話すのではなく、少しの事柄についてたくさん話しなさい。)
 漱石の『猫』の11《最終話》に、「ピサゴラス曰く天下に三の恐るべきものあり曰く火、曰く水、曰く女」という個所があり、ここではピタゴラスではなく、ピサゴラスと発音されているが、現代の英語ではパイサゴラスというような発音になっているようである。

 竹内真『ディスレスペクトの迎撃』(創元推理文庫)を読み終える。銀座の文壇バーという華やかな舞台で、大御所ミステリー作家である辻堂珊瑚朗が、その周辺で起きる様々な怪事件の解決に挑む。登場人物の個性が楽しく入り組み、その点で読みでのある短編集である。

1月23日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」では”Elizabeth Taylor"をトピックとして取り上げた。英国のパブでちょっとしたクイズ大会が開かれ、リズ・テイラーについての問題が出題されるという設定で、
(1) In what city was Elizabeth Taylor born? ---- in London.
(2) What was the name of the 1944 movie that made her a star? ----National Velvet
(3) For which movies did Elizabeth Taylor win an Academy Award? ----Butterfield 8 and Who's afraid of Virginia Woolf?

(4)and(5) Of the seven people Elizabeth Taylor married during her life, who did she marry twice and on which movie did she meet him? ---- Richard Burton and Cleopatra
(6) Elizabeth Taylor is famous for saying, "Big girls need big ..." what? ----diamonds.
(7) What color was Elizabeth Taylor's eyes said to be? ---- Violet.
(8) Elizabeth Taylor was passionate about raising money to combat what illness? ---- AIDS.
という問題が出題されたのだが、こういう質問にはほとんどこたえられる。私はリズよりもオードリーのほうが好き(という点ではごく一般的な映画ファン)であったのだが、それでもリズについてはかなりのことを知っていて、あらためて自分の英語力の偏りについて考えさせられた。むかし、京都に祇園会館という映画館があって、そこでエリザベス・テイラーの出演映画2本(『花嫁の父』と『危険な旅路』と記憶する)と『三人の女性への招待状』の3本立てを上映していたので、『三人の女性…』を見に出かけたのだが、その後で、級友から映画館でおまえの姿を見かけたが、リズが好きなのか? おれも好きなのだと話しかけられた記憶がある。私達の年代というのが、日本ではリズ・テイラーが好きだという連中がいた最後の世代ではないかと思う。
 『三人の女性への招待状』はスーザン・ヘイワード、レックス・ハリソンという2人のアカデミー主演賞受賞者をはじめ、その直後にアカデミー主演賞を取ったクリフ・ロバートソンとマギー・スミスが出演しているという豪華キャストで、エリザベス時代の劇作家ベン・ジョンソンの『ヴォルポーネ』が下敷きになっているという凝りに凝った作品である。招待される3人の女性の1人をオードリー・ヘップバーンの親友であったキャプシーヌが演じているというのも見どころであろう。『まごころを君に』(『アルジャーノンに花束を』)でクリフ・ロバートソンがアカデミー主演男優賞を取った時に、淀川長治さんがこの映画におけるロバートソンの演技をほめちぎっていたことを思い出す。(どっちかというと、スーザン・ヘイワードの秘書でオールド・ミスになりかかっている女性を演じていたマギー・スミスの演技のほうが強い印象を残したという記憶がある。)

1月24日
 NHKEテレ「日本の話芸」では笑福亭三喬師匠の「初天神」を聞いた。東京では昨年亡くなった橘家円蔵師匠が得意にされていた噺であるが、上方での演じ方は子どもが親たちの余計な話をばらすので、親が慌てるという東京にはない展開を含んでいる。まあまあの出来ではなかったかと思う。

1月25日
 NHKラジオ英会話ではアラスカにある北米大陸最高峰Mount McKinleyがDenaliと呼び方を改められることになったというニュースを取り上げた(昨年8月31日のニュースである)。番組の終わりに講師の遠山顕さんが言及していたが、McKinleyは1984年に植村直己さんが冬季における単独初登頂をなしとげ、その下山中に行方不明になったことで、日本人の記憶に残る山である。

 西来路文朗 清水健一『素数が奏でる物語 2つの等差数列で語る数論の世界』(講談社ブルーバックス)を読み終える。分からない部分が多々あったが、分かった部分についていえば面白かった。2以外の素数は4n+1と4n+3の2つに整理できるということから議論が展開される。つまり素数にはその2種類があるという話になるのだが、それぞれの特徴が興味深い。

1月26日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」の舞台はマルセイユの観光名所であるイフ城(Le château d'If)である。
C'est dans cette prison qu'Edmond Dantès était enfermé! (エドモン・ダンテスが閉じ込められていたのは、この牢屋の中です!)というのは小説の中の話であるが、多くの観光客が訪ねているらしい。

1月27日
 NHKラジオ英会話では”A Song 4 U"(A Song for you")として、ハリウッド映画の全盛時代を代表する名画Casablancaの中でサム役のドゥーリー・ウィルソンによって歌われた”As Time Goes By" (時の過ぎゆくままに)を聞き、その一部を歌った。『カサブランカ』というのは、わたしの好きなアメリカ映画で、『アラスカ珍道中』とともに、よくレンタルビデオ店から借り出したという記憶がある(あと、『バルカン超特急』もよく借り出したのだが、これは英国映画であった)。

1月28日
 NHKラジオ英会話では”First Laughs of the Year" (新春初笑い)と題して、申年にちなんだriddle(なぞなぞ)7題を出題、その後大人向けのジョークを取り上げた。最初のなぞなぞは:
Why did the monkey take his bananas to the doctor? (どうしておさるさんはバナナをお医者さんのところにもっていったのか?)
Because they were not peeling very well. (うまくむけなかったから)
not peeling well (うまくむけていない)と、not feeling well (気分が悪い)をかけたジョークである。
 この種の問題が7題あって、そのうち2題を解いた。満更でもない。

 諏訪哲二『尊敬されない教師』(ベスト新書)を読み終える。示唆に富む書物であるが、著者の個人的な体験に頼っている部分がかなりあって、その点で説得力が限定されてしまっているのではないかと思う。
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