日記抄(1月8日~14日)

1月14日(木)晴れ

 1月8日から本日までの間に経験したこと、考えたこと、ブログの記事の補遺など:
1月8日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
Time is what we want most, but what we use worst.
(from Some Fruits of Solitude)
-- William Penn
(English real estate entrepreneur, founder of the Province of Pennsylvania, and philosopher, 1644-1718)
時間とは、私たちが最も欲するものなのに、もっとも下手な使い方をするもの。
 まったくその通りである。「ラジオ英会話」の時間でも”Time Management"(時間管理)というテーマで様々な会話例を取り上げている。ウィリアム・ペンは宗教的な対立が厳しかった17世紀のイングランドでフレンド派(クエーカーと俗称される)に改宗したため迫害を受け、ペンシルヴェニア植民地を建設した。ロンドンのユーストンの駅の近くにフレンド派の建物があって、そこの本屋の宗教書籍が充実していたので、よく買いに出かけたことを思い出す。

1月9日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」では”Gold"(黄金)という話題を取り上げた。インカ人たちは黄金のことを”tears of the sun" (太陽の涙)と呼んだそうである。巧みな表現だが、「涙」というところにインカ人たちの運命を予感させるところがある。

 後藤健『メソポタミアとインダスのあいだ』(筑摩選書)とダンテ『神曲(注)』(岩波文庫、山川丙三郎訳)を購入する。講談社学術文庫版の『神曲』の翻訳者である原基晶さんによると、山川訳は原文に忠実、河出文庫の平川祐弘訳はわかりやすく、集英社文庫の壽岳文章訳は大量の注による豊かな情報量を特徴とするという。このほかに河島英昭さんによる翻訳が進行中だとのことで、それぞれをぼちぼちと買い揃えていくつもりである。
 原さんによると山川訳は原文に忠実過ぎて、また文体が古いので、現代の読者にはよくわからなくなってきているという。試しに、第21歌(山川訳では「二十一曲」)の冒頭部分を紹介してみると
サマーリアの女の乞ひ求めたる水を飲まではとゞまることなき自然の渇(かわき)に
なやまされ、かつは急(いそぎ)に策(むちう)たれつつ、我わが導者に従ひて障(さゝはり)多き道を歩み、正しき刑罰を憐れみゐたるに(134ページ)
確かに、これはわかりにくい。

1月10日
 この日の当ブログ「『太平記』(85)」では新田義貞が稲村ケ崎で龍神に太刀をささげて、海の潮が引き、磯伝いに鎌倉に侵攻することができて、幕府軍を壊滅させたという個所を紹介したが、『梅松論』ではこの箇所をどのように書いているかというと、「爰(ここ)にふしぎなりしは、稲村崎の浪打際。石高く道細くして軍勢の通路難儀のところに、俄に鹽干て合戦の間干潟にて有りし事、かたがた仏神の加護とぞ人申ける」(群書類従第20輯、161ページ、句読点等一部表記を改めている)と、太刀の件は書かれていないが、異常なほどに潮が引いたことは記されている。なお、新田義貞による鎌倉攻略についての『増鏡』の記述はきわめて簡単で、六波羅攻略をめぐる詳しい描写とは対照的であることも注目に値する。

1月11日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」では南仏のアンティーブにあるピカソ美術館が舞台となった。ピカソは第二次世界大戦後、コート・ダジュールにあるいろいろな町に住んだが、彼が埋葬されたのは内陸部のエクス・アン・プロヴァンスの近くにあるヴォヴナルグ城の庭園内であるという。パートナーのジャニック・マーニュさんによるとこの豪華な敷地からはセザンヌが好んで描いたサント・ヴィクトワール山が一望できるそうである。Ce qui a fait dire à Picasso: ≪J'ai acheté la Sainte-Victoire de Cézanne. Laquelle? La vraie.≫(それで、ピカソをして、「私はセザンヌのサント・ヴィクトワール山を買った。どのサント・ヴィクトワール山かって? 本物のだよ」と言わしめました)という。私はセザンヌのサント・ヴィクトワール山の絵は好きなので、この点ではピカソと趣味が一致しているといえそうである。

1月12日
 竹内整一『ありてなければ 無常の日本精神史』(角川ソフィア文庫)とモンス・カッレントフト『秋の城に死す 上』(創元推理文庫)を購入する。このところ、読書が停滞していて、いつ、読み終えることができるだろうか。

1月13日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで英国の詩人ポープの
Fools rush in where angels fear to tread.
(愚か者は、天使が足を踏み入れるのを恐れる場所に飛び込んでいく。)という言葉を紹介していた。E.M.フォースター(Edward Morgan Forster, 1879-1970)の『天使も踏むを恐れるところ』(Where Angels Fear to Tread, 1905)という小説の題名はこの句に基づいている。この作品は翻訳で読んだことがあるが、題名通りの展開が待っている。

 同じく「まいにちフランス語」の時間で、パートナーのジャン=フランソワ・グラヅィアニさんがピカソとマチスの関係についてこんな逸話を紹介していた。
Picasso aurait dit un jour à Matisse : ≪J'ai le dessin et je cherche la couleur et toi c'est l'inverse.≫ (ピカソは生前、マチスに向かって、「私はデッサンは得意なので、今は色を探求している。それに対して、君は逆だね」といったといわれています。)
 まあ、好みの問題ではあるが、わたしはマチスのほうが好きだ。

1月14日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介された言葉:
In no other country in the world is the love of property keener or more alert than in the United States, and nowhere else does the majority display less inclination toward doctrines which in any way threaten the way roperty is owned.  (from Democracy in Ameria)
----Alexis de Tocqueville (French political thinker and historian, 1805-59)
(アメリカ合衆国におけるほど、財産に対する執着が激しかったり用心深かったりする国は世界ではほかにないし、財産の所有形態をどんな形であれ脅かす政策に対して、大多数の人がこれほど嫌がる国もほかにない。)
 この観察がどの程度正確なものかを確認する機会がなさそうなのが残念である。

 これまでのところ、読んだ本が1冊、見た映画が2本、サッカーの試合が6試合で、いつもとは全く違う展開になっている。さて、どうなるか。 
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