日記抄(12月24日~27日)

12月30日(水)晴れ

 12月24日から27日までの間に経験したこと、考えたことなど:
12月24日
 NHK「ラジオ英会話」ではクリスマスの歌の1つである”The Twelve Days of Christmas"を取り上げ、マペットとジョン・デンバーの歌うこの歌を聴いた後で、講師の遠山顕さんと、パートナーのケイティ・アドラーさん、ジェフ・マニングさんがこの歌の替え歌を歌うのを聞き取ってテキストの空欄を埋めるという作業をさせられた。”The Twelve Days of Christmas"とは、Christmas Day (12月25日)からEpiphany (1月6日、公現祭」までの12日間を指す。この期間はYuletideとかChristmastideと呼ばれ、この間、宗派によっては毎日ギフトを贈る習慣があり、この歌はその習慣をうけて、12日間ずっと恋人からギフトが贈られてくるという内容である。ただし、1日目に贈られてきたa partridge in a pear tree(梨の木に止まるヤマウズラ)が、2日目にも贈られ、それに加えてtwo turtle doves (2羽のキジバト)が贈られてくる、3日目にはヤマウズラとキジバトに加えて、three French hens (3羽のフレンチ・ヘン)が贈られてくるというように、贈り物がだんだん増えてくるcumulative rhyme (積み上げ詩)の形をとっている。それで、今度は何が贈られてくるのかというのが聞き手の興味を惹く歌である。番組の中で歌われる替え歌は、脈絡が取りづらくて、ほとんど聞き取れなかった。まだまだ勉強すべきことはありそうである。

12月25日
 シネマヴェーラ渋谷でアルフレッド・ヒッチコック監督の『巌窟の野獣』とオーソン・ウェルズ監督の『偉大なるアンバーソン家の人々』を見たことは既に書いたが、『偉大なるアンバーソン家の人々』に出演して、その演技で注目を浴びた1人であるアン・バクスターについて書いておきたいことが1つ残っている。ネビル・シュートの小説『パイド・パイパー』は引退した老弁護士が第2次世界大戦の戦局が悪化する中、アルプスの山中から預けられた子どもたちを連れて英国に向かうが、その道中で次第に子どもの数が増えて旅の困難が増していく、はたして無事に帰りつくことができるだろうかという物語で、発表された1942年にすぐ映画化されている。創元推理文庫の『パイド・パイパー』の翻訳者である池央耿さんはあとがきのなかで、映画の主演者を「モンティ・ウーリーとアン・バンクロフト」と記しているが、アン・バンクロフトではなく、アン・バクスターの誤りである。アン・バンクロフトのほうが活躍時期が新しく、記憶に残りやすいので間違えたのであろうか。この種の間違いはありがちなことなので、気をつけてほしい。

12月26日
 田中啓文『鍋奉行犯科帳』(集英社文庫)を読み終える。大坂西町奉行所の定町廻り同心を務める村越勇太郎は現在21歳、父の死後、この仕事を継いですでに3年になる。奉行所では新しい奉行を迎えることになったが、その奉行=大邉久右衛門は、昔芸妓であった勇太郎の母すゑの顔見知りらしい。「大鍋食う衛門」とあだ名されていたという奉行は、大兵肥満、大酒呑みで甘いものにも目がなく、食べること・呑むことにはひどくうるさい人物である。ただ、飲み食いへのこだわりからさまざまな知識・経験を重ねて、一筋縄ではいかない洞察力の持ち主らしい。勇太郎をはじめ、奉行所の与力・同心たちはこの型破りな奉行にふりまわされながら、さまざまな事件に対処していく。ロバート・ファン・ヒューリックの『判事ディー(狄)』シリーズにちょっと似た雰囲気の作品であるが、久右衛門の食道楽ぶりのユーモラスな描写が特色となっている。そういえばアンドレア・カミッレーリの創造したモンタルバーノ警部もイタリア人らしくかなりの食道楽ではあるが、久右衛門に比べると桁が小さい感じがする(それはそれで個性的でいいのである)。

 手違いのために、別府葉子さんの東京でのコンサートを聞きそこなったのは残念である。

12月27日
 コリン・ホルト・ソーヤー『フクロウは夜ふかしする』(創元推理文庫)を読み終える。シリーズ第3作である。高級老人ホームである《海の上のカムデン》に住む2人の老婦人チビのアンジェラ・ベンボウと身長も体重も人並み以上のキャレドニア・ウィンゲイトの凸凹コンビが、ホームで起きた連続殺人事件に取り組む。いや、警察の捜査に協力するつもりだったのだが、危ないからやめてくださいといわれるばかりである。しかもアンジェラは、警察が有力な容疑者としてマークしている人物を、犯人ではないと考えて、証拠集めに走り回る・・・。

 シネマヴェーラ渋谷でジャン・ルノワール監督の『浜辺の女』と、アルフレッド・ヒッチコック監督の『バルカン超特急』を見た。『浜辺の女』は乗船していた船が機雷に触れて沈没したときの後遺症に苦しむ中尉が、盲目の画家の妻と出会ったことから、悪夢のような経験に引きこまれていく…。盲目の画家は自分の作品をしまい込んでいて、売りに出そうとしない。一番の傑作は妻のヌードを描いた作品だという(残念ながら、その絵は画面には出てこない)。よく考えてみたら(考えなくてもわかることだが)、ジャン・ルノワールの父親は画家のオーギュスト・ルノワールであった。画家を演じているのはロバート・ライアンなのだが、この頃はまだ若かったはずなのに、かなりの年配の役を演じているのはどういうことだろうかと思ってみていた。
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新たなる知識の師に感謝

こんばんは

今年一年 貴重な勉強をさせていただきました

特に「太平記」は新刊を待つ読者の気分でした

心より感謝いたします

来る年が佳き年でありますように・・・(長屋の爺)

こんばんは

ほぼ毎日のようにこうしてblogを更新なさって
いらして 力をいただいております。
どうぞ 良いお年を♪

これからもよろしくお願いします。
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