日記抄(12月17日~23日)

12月23日(水)小雨が降ったりやんだりしている

 12月17日から本日までの間に見聞したこと、考えたことから:
12月17日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーから
1Science, my lad, is made up of mistakes, but they are mistakes which it is useful to make, because they lead little by little to the truth.
          ――Jules Verne (French nobelist, poet and playwright, 1828 - 1905)
君、科学は複数の間違いでできているが、それらはしくじることが役に立つ間違いだ。なぜなら、それらが少しずつ真実に導いてくれるから。
 生物学者の白上謙一が、山梨大学で教えていた時代に、学生新聞に掲載したエッセーをまとめた『ほんの話』(現代教養文庫)は当ブログで以前にも紹介した書物であるが、その中で、著者はヴェルヌの科学についての態度をめぐり次のように書いている:
「ヴェルヌの小説が私の少年時代、青年時代と同様に現代においても新鮮で愉しいにちがいない理由は、彼がいつも人類の幸福の増進に関していかに多くの規定と信頼を科学にかけていたかという点にあるように思う。彼は一生を通じて科学戦未来記のようなものを書いていない。彼の最大の傑作『神秘島物語』の中では、軽気球に乗って文字通り無一物で孤島にたどりついた人々の生活を物語っている。従来の漂流記が難破船としたちょっとしたスーパーマーケット底抜けの物資を当てにしがちなのに対し、主人公たちは徒手で土をこねてかまを作り鉄を冶金し、ついにはアザラシの油と硝石からニトログリセリンを作って治水工事を行うに到るのである。
 現在の科学の進歩は率直に云って人間の幸福に対してむしろ暗い影を投げているように見えるではないか。ペニシリンやDDT(少し大時代になっているのは10年の年月であろう)の発明は科学が水素爆弾やミサイルを作る本業の片手間の仕事のようにも見える。
 ところで元来科学は人間を幸福にすべきものなのだ。これがヴェルヌのまごうことなき主張である。
 彼の作品にみなぎっているのは科学の力への讃歌ではなく、科学を駆使しつつ幸福をきずき上げてゆく人間の善意と勇気への讃歌である」(59-60ページ)。
 ここに引用した部分の後の方で、白上は若いころにヴェルヌを読んで感じた作者の気迫が、ヴェルヌ作品の新しい翻訳からも、また当時のSF小説からも感じられなくなったことを嘆じている。その理由を考えてみるのも意味あることではないかと思う。

 今野浩『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』(新潮文庫)を読み終える。著者が30代の終わりにアメリカのパデュー大学のビジネス・スクールで客員助教授として過ごした経験を中心にアメリカの大学とビジネス・スクールの実態を描いた書物である。著者の海外体験の豊かさ、観察眼の鋭さに感心する個所が少なくなかった。

 椎名誠『ここだけの話』((PHP文芸文庫)を読み終える。「よく恩師とか先生とかいうけれど、ぼくの場合、教えてくれたのは友人である。全部横のつながりである。特に同じゼネレーションというのは、価値判断の基準がお互いに分かりやすくて通じ合うものがある。これが縦の関係になって数年ずれたりすると、その判断の基準が微妙にずれてしまう。そういう意味では、同じ学年で、同じ土地に育った人々、つまり故郷の友達が自分の一番近い」(14-15ページ)という意見がいかにも椎名さんらしくて面白かった。同世代の影響力は重要であり、機長でもあるが、異質の価値観に触れることも必要なのではないかと思う。

12月18日
 紀伊国屋そごう横浜店でNHK[ラジオ英会話」、「攻略!英語リスニング」、「実践ビジネス英語」、「まいにちフランス語」、「まいにちイタリア語」の各1月号と、飯島周『カレル・チャペック 小さな国の大きな作家」(平凡社新書)を購入する。「入門ビジネス英語」は4月~9月の番組の再放送なので、テキストは買わないことにしている。英語、フランス語ともに、新しい勉強の仕方をなにか工夫する必要がありそうである。

12月19日
 NHKラジオ「攻略! 英語リスニング」ではニューヨークの”Central Park"を取り上げた。
It's about three and a half square kilometers, stretching all the way up from 59th Street to 110th Street.
(ほぼ35平方キロの広さがあり、59丁目から110丁目まで、ずっと続いている。)
というのだから、相当な規模の公園である。よく、映画の舞台として取り上げられるけれども、出てくるのは公園の一部だけであるということがよく分かった。

 見に行きたい映画もなく、スポーツの試合もないので、電車の中で本を読もうと、逗子行きの京急の急行電車に乗る。羽田空港と新逗子を結ぶエアポート急行の車両は、ボックス型の座席が多いのに目をつけていたのだが、残念ながら行き帰りとも乗ったのはロングシートの車両であった。
 新逗子の駅の近くに亀ヶ岡八幡という神社があったので、お参りした。鎌倉の鶴岡八幡と何か関係があるのかと思ったが、なにもないようである。

12月20日
 NHKEテレ「日本の話芸」で桂文珍師匠の「寝床」を見る。東京では8代目の桂文楽、8代目の三笑亭可楽がよく演じていた噺(我ながら古いね)。商家の旦那が義太夫を語って聞かせるというので、この旦那が大家をしている長屋の連中や使用人たちは戦々恐々、それぞれが理由をつけて欠席しようとする。旦那の義太夫があまりにもひどく、まともに聞くと体調がおかしくなるようなものだからである…。だいたいが好人物の旦那だが、こと義太夫になると人が変わったようになる。周囲の人々もそんな旦那との付き合いに苦労するのである。このあたりの人物描写が面白いところである。文珍師匠の語り口は安定していて、落ち着いて聞くことができた。高座での折り目正しい態度も印象に残った。

12月21日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」ではシュノンソー城について取り上げた。この城が建設された16世紀はヨーロッパではどんな世紀だったのかというと
Le XVIe siècle est en France le siècle de la Renaissance, qui vient d'Italie et se propage à toute l'Europe durant cette période. C'est aussi celui des querres de religion, avec le tristement célèbre massacre de la Saint-Barthélemy en 1572.
(16世紀は、イタリアから始まり、ヨーロッパ全土に広がったルネッサンスの世紀である。またまた、1572年のサン・バル輝美の虐殺などで、残念ながらよく知られている宗教戦争の世紀でもある。)

12月22日
 冬至である。
 横浜駅西口のダイヤモンド地下街あらためJOINUSの地下道にはクリスマスのケーキを売るワゴンが店を開いていた。また、年末ジャンボ宝くじの発売の最終日で売り場には長蛇の行列ができていた。
 NHKラジオ「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」の時間では落語の「やかんなめ」を短縮・英訳したものを放送した。日本のヤカンと欧米のkettleは形状が違うから、ヤカン頭という連想が欧米の人にはできるだろうか?

12月23日
 NHK「ラジオ英会話」では”A Song 4 U (for you)"「今月の歌」でポール・アンカの”My Home Town"を聞いた。オタワ市出身のレバノン系カナダ人である彼のデビュー作である”Diana"(1957年)は大ヒットとなった。この時、ポールはまだティーンエージャーであったという。したがって、小学生だった私とそれほど年は変らないのである。
 「ダイアナ」という歌は替え歌の作りやすい歌で、マルヴィーナ・レイノルズという歌手による替え歌”It isn't nice"というプロテスタント・ソングは多くの歌手によって歌われていた。
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