河童

11月7日(土)曇り

河童

河童を見つけ出すだって?
よしなさいよ!
人間たちに追い詰められて
ひっそりと暮らしている
河童たちを追いかけるのは
勝手すぎる行為だ。

今は大都会の一角の
取り澄ましたつくろいのこの町にも
昔は河童が住んでいた。
ずっとずっと昔。
雑木林が広がり、
小川が流れていた昔。

丘の泉から
水が滝のようにあふれ出し
ところどころ深い淵を作っていた。
それが河童たちの住処。
河童たちは時々人間たちに
ちょっかいを出しながらも
自分たちの世界で
平和に暮らしていた。

河童の伝説は
ぼくの子ども時代にも残っていた。
舗装の行き届いた広い道路は
昔は狭い泥んこ道で
今は暗渠になってしまったが
汚いなりに小川が流れていた。
小川にまつわる
むかし話を覚えている人たちがいた。

小川がなくなったものだから
大雨になると
道路に水があふれる。
舗装道路のコンクリートが
地上と地下とを隔てている。
地中深く
生き残っているかもしれない河童たちは
地上の水を呼び寄せることができない。

遠くまで河童を探しに行く必要はない。
君の足もと深く
地下水の中に
まだ河童がたちが暮らしている。
でも彼らは君と君たちに
腹を立てているから
決して会おうとはしないだろう。
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No title

現代版カッパ物語りですね〜♪
あのカッパが 未だ地中深くの地下水の中で生きていたなんて〜♪
会えなくても良いから せめて生きていると思える事が出来て
幸せです ♪
どうもありがとう御座います。

Re: No title

コメントをありがとうございました。横浜が港として発展できたのは、海の近くまで緑豊かな丘陵が迫っていて、その丘のあちこちからわきだす新鮮な水を船乗りたちが利用できたというのも理由の1つだと思います。そういう湧水が滝を作り、その滝つぼには河童がいるという伝説もあったのですが、今ではそういう丘のかなりの部分が掘り崩されて道路や住宅地にされ、湧水や小川も埋め立てられたり、暗渠にされてしまいました。町が発展していくのはいいことかもしれませんが、それには犠牲が付きまとっていたことも忘れてはいけないのだと思って、この詩を書いてみました。河童がどこかにまだ隠れ住んでいる…と信じたいですね。あるいは、地中深くではなくて、人間に化けて、われわれの中に紛れ込んでいるのかもしれません。(河童は無理でも、私の住んでいるあたりでは、地元の人が集まると、何日か前にタヌキを見かけたというような話になります。)
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