日記抄(10月15日~21日)

10月21日(水)晴れ

 10月15日から本日までの間に経験したこと、考えたことなど:
10月15日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介されたイプセンの言葉:
The majority is always wrong, the minority is rarely right.
             --Henrik Ibsen
                (Norwegian playwright, theatre director and poet, 1828-1906)
(多数派は常に間違っているが、少数派が正しいことはまれである。)
ということは、正しい意見はまれにしか見いだされないということで、ノルウェーから離れて生活することが多かったイプセンらしい物の見方であるといえよう。

 同じく「ラジオ英会話」のなかに出てきた表現で
Good question. (いい質問だな。)
というのは、「相手の質問に答えられない、あるいはこたえない方がよいと判断したときにも使う」と説明されていた。もちろん、文字通りの場合もあるが、これ以上この話題にはかかわりたくない、これでおしまいという意味にもなるそうである。

 カルチャーラジオ『弥次さん喜多さんの膝栗毛』の第3回:大坂で暮らしていた一九は寛政6年に再び江戸に出た。この当時、寛政の改革の余波で黄表紙本の作者が払底していたため、文才があり、絵も描ける一九は黄表紙の執筆を依頼される。こうして彼は戯作の世界に足を踏み入れるが、最初のところは山東京伝の影響の強い作品を書いていた。

10月16日
 NHKラジオ「ワンポイント・ニュースで英会話」は”Search for Queen Nefertiti's Tomb" (ツタンカーメンの墓に”隠し部屋”)というニュースを取り上げた。
 Nefertiti is thought to be King Tutankhamun's mother-in-law. She lived more than 3,000 years ago, when ancient Egypt thrived.(ネフェルティティはツタンカーメンの義理の母であると考えられている。彼女は古代エジプトが繁栄していた3,000年以上昔に生きていた。)
 これだけでは何のことかわからない。ネフェルティティは古代エジプト3大美女の1人に数えられる美貌の持ち主で、紀元前14世紀に多神教が支配的であった古代エジプトでアトンという唯一神を尊崇する宗教改革を行ったアメンホテプ4世の妃であり、2人のあいだの娘がツタンカーメンの妃となった。考古学者たちがツタンカーメンの墓を調べなおしてみたところ、2つの隠し部屋があることが分かり、その1つが歴史上の謎とされてきたネフェルティティの墓である可能性が高いということになって、本格的な調査が行われようとしているという話である。

 同じく”Enjoy Simple English"の時間では日本の昔話「文福茶釜」を”Raccoon Dog Teakettle"として放送した。『斎藤和英大辞典』で「ちゃがま(茶釜)」の項を引くと、A tea-kettle; a boiler (used in tea-ceremony)(中略) ▷文福茶釜 Tea-kthe Bewitched ettle -- the Enchanted Boilerとあった。いずれにせよ、人間とタヌキが仲のよい隣人同士として暮らしていくと云うのは望ましい状態ではなかろうか。放送ではタヌキが見世物になって恩人を助けるというところで終わっているが、昔話では、金持になった恩人が茶釜をまた寺に納めるというところで終わっていたはずである。

 熊倉一雄さん、橘家円蔵師匠の訃報が届く。熊倉さんはテアトル・エコーを本拠として、舞台俳優、演出家として多くの喜劇、とくに井上ひさしさんの作品の上演を手掛け、また声優としては『ひょっこりひょうたん島』の海賊トラヒゲ役や、エルキュール・ポワロの吹き替えなどで活躍された。調べてみると、映画『蟹工船』(山村聰監督)や『幕末太陽伝』にも出演されている。これらの作品は見ているのだが、どこでどの役だったのか気づいていないのはうかつである。円蔵師匠は高座に接したことはないが、ラジオではよく聞いたし、歌謡番組の司会をされていたのを聞いていた時期もある。そそっかしい人物を演じさせたら天下一品で、愛嬌のある明るい芸風の噺家さんであったが、頼りないというか、いい加減なところもあり、それでも憎めないのがいいところであったのであろう。お二人のご冥福を心からお祈りしたい。

10月17日
 NHKラジオ『攻略!英語リスニング』では”Clara Schumann"を取り上げた。
Clara Schumann was one of the greatest pianists of the 19th century, a composer, too, but she's chiefly remembered as a pianist. She was a great virtuoso, one of the first to play from memory and also one who was interested in making the piano sing, not just using it as a way of showing off technical pyrotechnics.
She was married to the composer Robert Schumann. They'd first met when she was eight and he was seventeen.
(クララ・シューマンは19世紀最高のピアニストの1人であり、作曲家でもあったが、もっぱらピアニストとして記憶されている。彼女は卓越した技量を持った名演奏家(ヴィルティオーゾ)であり、暗譜で演奏を始めた草分けの1人であり、ピアノを「歌わせる」ことに関心を持っていた。技術的な華々しさをひけらかすのではなしに。
彼女は作曲家のロベルト・シューマンと結婚していて、クララが8歳でロベルトが17歳の時に初めて出会った。)
 virtuosoはもともとイタリア語であるが、確か森鴎外の書いたものの中に「バーチュオーゾ」と英語読みで出てきたのを見かけたような記憶がある。クララは女性だから、イタリア語ではvirtuosaが正しい。シューマン夫妻の同時代人で、同じくロマン派の音楽家に数えられるフランツ・リストは「技術的な華々しさをひけらかす」演奏の代表的な1人であった。
 クララ・シューマンをめぐっては、ちょっと後悔していることが2つある。1つは45年ほど昔のことであるが、大阪にあった北野シネマでカサリン・ヘップバーンがクララを演じている映画『愛の調べ』(クラレンス・ブラウン監督)を上映していたのだが、その頃はこの種の映画を敬遠していたので見なかったことである。もう1つはレコード屋でクララ・シューマンの作曲したピアノ協奏曲のCDを見つけて、試聴はしたものの買わなかったことである。

10月18日
 ニッパツ三ツ沢球技場で横浜FC対京都サンガFCの対戦を見る。0-0で引き分け。先発出場した三浦知良選手が負傷退場したのが心配である。

 NHKテレビでアガサ・クリスティー原作の連続ドラマ化『トミーとタペンス――2人で探偵を』の第1回を見る。このシリーズの第1作『秘密機関』のかなり原作から離れたドラマ化。原作は第一次世界大戦後に設定されているが、このドラマでは第二次世界大戦後になっており、原作では久しぶりにあった昔の友人同士⇒結婚という設定なのだが、ドラマではすでに結婚して、中学生くらいの子どもがいる。原作をどのように作り変えているかを見ていく楽しみに満ちているという点では、見逃せない作品である。

10月19日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」ではアルザスの料理の話が話題として取り上げられた。アルザスはフランスとドイツの国境付近にあり、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけてはドイツ領であった。もともとドイツ系の文化の影響の強い地方で、料理についても
Certaines des spécialités alsaciennes se retrouvent à quelques differénces près dans les pays de culture germanique, en Allemagne, en Autriche et dans certaines régions d'Europe centrale.
(アルザスの名物料理のいくつかは、多少の違いはあるが、ドイツ語文化圏のドイツ、オーストリア、それに中央ヨーロッパのいくつかの地域にもある。)
とのことである。

10月20日
 アルザスの料理をめぐる話題の続き:
Il exist un proverbe alsacien qui dit: ≪En Allemagne, c'est beaucoup, mais ce n'est pas bon. En France, c'est bon, mais ce n'est pas beacoup. En Alsace, c'est bon et c'est beaucoup.≫
(アルザスには次のようなことわざがある。「ドイツでは、量はたくさんあっても、おいしくない。フランスは、おいしいけれど、量が少ない。アルザスは、おいしくて、量も多い。」

 NHKラジオ”Enjoy Simple English"では落語「六尺棒」の英語版”Six-foot Pole"を放送した。道楽息子が夜遅く帰宅すると、父親が待っていて、おまえは勘当されたからもう他人で、家に入れないという。押し問答していると、父親が六尺棒をもって追いかけてくる。逃げ回っていた息子がうまく家に入り込んで、今度は父親を締め出す。毎週、火曜日の放送は古典落語を短縮・英訳して放送するのだが、結構面白い。

 サミュエル・ジョンソンの『幸福の探求』を読み直し終える。

10月21日
 NHKラジオ『実践ビジネス英語』の”Quote...Unquote"のコーナーで紹介されたフランツ・カフカの言葉:
Anyone who keeps the ability to see beauty never grows old.
-- Franz Kafka (Czech writer of novels and short stories, 1883-1924)
カフカは若くして死んだからこんな言葉を残したが、もっと長生きしていたら、また別の感想を持っただろう。
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