日記抄(9月24日~30日)

9月30日(水)晴れ

 9月24日から本日までの間に経験したこと、考えたことから:

9月24日
 エイモス・チュツオーラ『薬草まじない』(岩波文庫)を読み終える。チュツオーラはナイジェリアの作家で、ヨルバ語が母語らしいが、英語で創作活動を続けている(その英語が独特のものらしい)。主人公は妻が妊娠しないために、子づくりのための薬を求めて不思議な冒険旅行をする。彼の代表作『やし酒飲み』同様に、生と死との区別が曖昧な魔法の世界が描かれている。それは近代化以前のアフリカの世界を体現するものかもしれないし、近代化に直面しているアフリカの現実そのものであるのかもしれない。(ラテン・アメリカを代表する作家のガルシア=マルケスがあなたの作品はきわめて幻想的ですが?と質問されて、ラテン・アメリカではこれが現実なのだと答えたという話を思い出す。)

 NHKカルチャーラジオ『ボブ・ディランの世界を読む』が終わる。ディランの歌の歌詞がエズラ・パウンドやT.S.エリオットなどの20世紀の英語世界の詩人たちの詩と共通する特徴をもつという指摘が面白かった。

9月25日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編「ニュースで知りたいフランス文化」、「まいにちイタリア語」応用編「イタリア語発音ラボ」の放送がそれぞれ終了する。「イタリア語発音ラボ」の最終回には、ダンテの『神曲』の冒頭部分が「イタリアの人が生まれ育つ中で自然に身につけている11拍の感覚」を示す一例として紹介された。
Nel mezzo del cacmmin di notra vita
 mi ritrovai per una selva osccura,
ché la diritta via era smarrita.

Ahi, quanto a dir qual era è cosa dura
esta selva selvaggia e aspra e forte
che nel pensier rinova la paura!

人の世の道半ば
 私はある暗い森のなかにいた
 目が覚めるとまっすぐに続く道が見失われてしまって
森がどんな様子だったのかを話すのはあまりにつらい
 鬱蒼として深くこの未開の森を
 思い起こすだけで恐れが再び戻ってくる

9月26日
 NHKラジオ「アラビア語講座」「話そう! アラビア語」の放送が終わる。アラビア語は文字からして異質で、まるで歯が立たなかったが、それでも番組を通じてアラブ世界の文化についての情報をいろいろと得られたので、聞いたことが全く無意味だったとは思わない。

9月27日
 大倉崇裕『オチケン探偵の事件簿』(PHP文芸文庫)を読み終える。部員わずか3人という学同院大学落語研究会がなぜか奇怪な事件に巻き込まれる。シリーズ3作目だそうで、第1作、第2作を読んでから論評するつもりである。

 テレビ東京の『開運!なんでも鑑定団』は8月4日放送分の再放送であったが、東京都あきる野市への出張鑑定の場面で、司会の原口がフランスのシャモニーを知らなかったのは、少しお粗末だと思った。モンブランの麓にある町で、第1回の冬季オリンピックの開催地でもある。

 NHKEテレ「日本の話芸」は桃川鶴女の講談「太閤記より 太閤と曽呂利」を放送した。豊臣秀吉と曽呂利新左エ門についての逸話集で、取り上げられるそれぞれの話の順序が整っておらず、もう少し整理する必要があるのではないかと思った。

 ニッパツ三ツ沢競技場でJ2の横浜FC対愛媛FCの試合を観戦する。リーグ戦で上位にいる愛媛がやや押し気味に試合を進めたが、FW西田選手が決定的な場面でシュートを外したりして、前半は0-0で終わる。後半愛媛が1点を先制したが、その直後に途中から出場した横浜の永田選手がゴールを決めて追いつき、さらに小池選手のゴールで勝ち越して、そのまま逃げ切り、ホーム2連勝を飾った。監督が交代してから選手の動きがよくなったという印象があるのは、これまでの練習量が不適切であったか、作戦がわかりにくかったのがわかりやすくなったのかのどちらかであろう。

9月28日
 本日より、NHKラジオ「まいにちフランス語」初級編「もっと話せるフランス語~文法より実践練習2」、「まいにちイタリア語」入門編「2歩目からのイタリア語」の放送が始まったので、聞きはじめる。「ラジオ英会話」、「ワンポイントニュースで英会話」も聞き続け、「入門ビジネス英語」は再放送なので、聞きなおすことにする。


9月29日
 テレビ東京の『開運!なんでも鑑定団』にゲスト出演していた生田智子さんの鑑定依頼品、横山一夢(1911-2000)の木彫「鯉」の値段をぴったり当てた。長く見つづけていると、こういうこともあるものである。

9月30日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」は朝食(breakfast)を話題として取り上げた。1960年代には10人に9人のアメリカ人が朝食を欠かさずとっていたのに、その50年後にはそうしているのはわずか3分の1ほどに減少したという。
We're looking at the decline of the great American breakfast.
(私たちはあの偉大なアメリカ式朝食の衰退に直面しているのです。)
 そういえば、「まいにちイタリア語」の9月23日放送分の再放送で、
Hai già fatto colazione?
(朝ごはんはもう食べたの?)と夫が妻に聞く場面があった。

 右目の周辺が腫れてきたので眼科に出かける。医院よりもその後でいった薬局の方が親切に対応してくれた。薬局の方は普段から顔なじみだからであろう。

 中野重治『村の家 おじさんの話 歌のわかれ』(講談社文芸文庫)を読み終える。村の暮らしと町の暮らしを比べながら、伝統的な暮らしを見つめ直す「おじさんの話」には特に考えさせられた。

 NHKカルチャーラジオ「琳派400年」の放送が始まる。町衆の新しい文化と公家の伝統的な文化とを結び付けて、個性的で自由な芸術を創造した琳派の世界を、武家と結びついた狩野派や、守旧的な土佐派と対比しながら、解明していこうということらしい。こういう番組はテレビ向けで、ラジオには不向きだなと思いながら聞いていた。講師が林屋辰三郎を辰五郎といったのは聞き捨てならないミスである。

 高野秀行『移民の宴』(講談社文庫)を読み終える。第3章「震災下の在日外国人」が強い印象を残す。ぜひ、読んでください。
 
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