Age before beauty

9月22日(火)晴れ

 NHK「ラジオ英会話」の時間では、英会話のフットワークをよくするための実用知識を月に1回ずつ取り上げているが、本日の放送では「ドア」が話題になった。

 ドアは英語圏の世界では長い歴史をもっており、したがってドアに関連した英語の表現も多いが、その一方で、実際のドアは、kindness(親切)を表現する場として大変よく使われているという。具体的に言えば、ドアを開けて、そのドアを押さえ(hold the door)て後から来た人の手間を省いたり、その人を先に通してあげるということが行われる。このdoor holdingは男性がデートの相手に、夫が妻に、男性が母親にといった具合に、男性がイニシアチブをとることが多く、それはchivalry(騎士道)に由来するgentleman志向に基づいているという説もある。

 ところで同じNHKの語学番組である「実践ビジネス英語」では9月2日~12日までの間、"Redefining Etiquette"(エチケットを定義しなおす)というストーリーを放送していた。登場人物の1人が、きちんとした格好をした1人の中年女性のために、エレベーターのドアを押さえて開けておいたのだが、当のご婦人はそれを全くありがたく思わなかったようで、エレベーターを降りる際に、彼をにらみつけた。
I don't understand why my well-intentioned gesture got such a negative reaction. (私の善意のつもりのちょっとした行為に対して、なぜあのような不愉快そうな反応をしたのかが、私にはわかりません。)
 これに対して、アメリカで広く受け入れられていたルールは”ladies first"(レディファースト)であったが、最近はそれが違ってきているというところから主題である「エチケットを定義しなおす」議論が始まる。

 今のところ、エチケットは相対的、流動的な側面が強くなってきているということなのだが、それでも親切にされたら感謝の言葉を述べるべきであろう。私の場合、これまでは親切にすべき立場であったが、次第次第に親切を受ける側に立場を移しているところであり、親切な行為を受けた場合に感謝の言葉が素直に出て来るように(何せへそ曲がりなので)努力しないといけない。

 それでまた、「ラジオ英会話」に戻るが、ドアを開けて、"Please go ahead."(どうぞお先に)、”Thank you."(ありがとう)、”You're welcome。”(どういたしまして)というのが一般的な流れだが、お先にといわれた方が女性であれば、そのまま黙って先に入ってしまってもよいそうである。しかし、男性と女性の年齢さが大きい場合など、女性のほうが遠慮してお先にどうぞという場合がある。
”After you."(お先にどうぞ)
”No, ladies first." (いや、レディーファーストで)
”Thank you." (ありがとう)
という場合もあるが、女性のほうが
”Age before beauty." (美の前に年齢を)
ということがある。これはユーモアを含んだ発言とされていて、男性は
”All right."
と、負けて受けるのが普通だそうである。

 真偽は不明だが、ある女流作家が仲の悪い別の女性に対して、
”Age before beauty."といったという話がある。私は美人で、あなたは年寄り=ババア(だから親切にするのよ)ということだろうが、言われた女性が
”Pearls before swine." (豚の前に真珠ね) 私は真珠で、あなたは豚(だから親切を受けて当然ね)とやり返した。これは新約聖書の「マタイによる福音書」7:6に見られるcast (one's) pearls before swine (豚に真珠を与える)という表現を踏まえたものであるという。実際に「マタイによる福音書」をみると、「神聖なものを犬に与えてはならず、また、真珠を豚に投げてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたにかみつてくるだろう」とある。高価なものを、その価値のわからないものに与えても意味がないということである。なお、豚がswineとなっているが、これはおそらくKing James Version [Bible] (欽定英訳聖書)に基づくもので、私の手元にある和英対訳聖書はToday's English Versionを使っており、そこでは豚はpigになっている。そうはいっても、”Pearls before swine."というほうが古めかしいだけ、しゃれていて、口げんかの段階で止まるだろうが、pigといってしまうと、敵意があからさまに見え透いて取っ組み合いのけんかになるかもしれない。

English can open many new doors. と番組は結んでいたが、ドアが開けられるようにするための努力の余地はまだまだ多く残されていると実感している。 
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