日記抄(9月10日~16日)

9月16日(水)曇り、夕方になって一時雨

 9月10日から本日にかけての間に経験したこと、考えたことなど:
9月10日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編「ニュースで知りたいフランス文化」では「ボージョレー・ヌーボー」を話題として取り上げた。生まれてこの方、ボージョレ―・ヌーボーを飲んだことがない私から見ると、取り上げるのが少し早い話題という気がしないでもない。
Touls les ans, il faut attendre le troisième jeudi de novemre avant d'ouvrir la première bouteille de beaujolais nouveau de l'annee. Grâce au décalage horaire de huit heures entre Paris et Tokyo, les Japonais peuvent le déguster avant les Français.
(毎年、11月の第3木曜日を待ってから、その年の最初のボージョレ―・ヌーボーの瓶を開けなければなりません。パリと東京の間の8時間の時差のおかげで、日本人はフランス人よりも前に、それを味わうことができるのです。)

 ボージョレ―・ヌーボーはほかのワインと違って、醸造がとても速く行われることに特色があるという。また、2013年に日本は790万本のボージョレ―・ヌーボーを輸入し、180万本のアメリカや73万本のドイツを引き離して輸入量では首位に立っているとのことである。

9月11日
 NHKラジオ「まいにちフランス語」応用編は「万聖節と菊の花」の話題を取り上げた。いまどきは「諸聖人の日」(Le jour de la Toussaint, The All Saints' Day)というほうが一般的で、「万聖節」というのは大時代的な響きがする。これも昨日の話題と同様に少し早いのではないかという気がするが、「諸聖人の日」の前夜であるハロウィーンに向けた商戦が既に始まっているので、決して早くはないということなのだろう。

 神保町シアターに出かける。その前に、少し時間があったので、新宿三丁目まで足を延ばして紀伊国屋本店で小倉博行『ラテン語とギリシア語を同時に学ぶ』(白水社)を購入する。この2つの古典語について見通しを得るのには便利な本ではないかと思う。夜、ベッドに入ってから読むことにする。この本と、芳沢光雄『新体系・高校数学の教科書』の2冊が枕元にあれば、安眠間違いなしである。読んでいるうちに面白くて、眠れなくなればなったで、喜ぶべきことに違いない。

 すずらん通りの檜画廊で早川修 詩画?展 kami-tsuku tamasiiを見る。この作家の展覧会を見るのはこれで3度目のはずである(4度目かもしれない)。一方でかわいく見えるが、他方どこか不気味な雰囲気をもつ人物の振る舞いを描いてきた作者であるが、今回は神仏が主題だという。「鬼はおそってこない/いつしか心に/潜むだけ/福は救いにこない/いつしか心に/宿るもの/鬼は内 福も内/金の延べ棒より/金棒を選んだ僕は/豆をポリポリかじる」と、その詩もどこまでが作者の真実に迫っているのか、謎を秘めている。

 神保町シアターで中平康監督の『その壁を砕け』と、鈴木清順監督の『散弾銃の男』を見る。前者についてはすでに9月11日付の当ブログで論評している。後者は二谷英明主演の和製ウェスタン。山奥で怪しげな事業を営んでいるボスの情婦役の南田洋子が綺麗だと思った。芦川いづみはその背の高さが目立つ。彼女の健康的な性格表現がよく引きだされた作品でもある。

9月12日
 NHKラジオ「アラビア語講座」では序数詞について取り上げた。アラビア語で「アッ・ダウル⌒ル・アウラル」(第1の階)というのは2階であり、1階は「アッ・ダウル⌒ル・アルディ―ユ」(地面の階)というそうである。アメリカ英語では1階=first floor, 2階₌second floorであるが、イギリス英語では1階₌ground floor, 2階₌first floorという。アラビア語の場合は、イギリス英語や、大陸の諸言語と同じような言い方をしているわけである。

 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」では”Grapes"(ぶどう)について取り上げた。
It is a kind of berry. It's a beryy that grows in bunches on vine.
(それはベリーの一種です。つるに房状に実をつけるベリーです。)
berryは日本では漿果と訳される。講師の柴原さんが英国に留学した際に、いろいろなベリーがあるのでびっくりしたという話をしていたが、逆に言えば、英国の土地でできるベリー以外の果物はリンゴだけである。英国に出かけることがあれば、各種のベリーのジュースだのジャムだのをできるだけたくさん味わうべきだということである。
 また
The area where they first made wine was what's now called Georgia and Armenia.
(初めてワインを作った地域は、今ではジョージアとかアルメニアがあるあたりです。)
と語られていて、この2つの国は今でもワインを作っているが、アルメニアではそれ以上にアルメニャックと呼ばれるブランデーが有名で、旧ソ連時代にシベリア鉄道の旅をした故・宮脇俊三さんの旅行記にも盛んに登場していた。ぶどうから作られる酒はワインだけではないのである。

 シネマ・ジャックで亀井岳監督の『ギター・マダガスカル』を見る。上映初日だったので、亀井監督自身が来場されて、あいさつをされた。ほぼ同じ時間帯にシネマ・ベティの方では高橋伴明監督の『赤い玉』が上映され、こちらは奥田瑛二さんを初めとする出演者の挨拶と、上映後のサイン会があって、上映前には(サイン会にも)長蛇の列ができていた。それで、亀井監督もあいさつの中で、こっちの方に来ていただいて感謝しますと強調していた。
 マダガスカルはアフリカ南東部のインド洋上に浮かぶ大きな島であるが、水田があったりで、その景観はアフリカ本土とは違い、むしろ東南アジアに近いのではないか。実際問題としてこの島の住民・文化はインドネシアの住民・文化との近縁性が指摘されてきた。そういう文化人類学的な興味と、マダガスカルの音楽への興味とが十分に整理されずに、よく言えば多義的なメッセージを提示している映画といえよう。上映中、居眠りをしてしまって、いくつかの重要らしいシーンを見落としてしまったのが残念である。

 四方田犬彦『ニューヨークよりも不思議』(河出文庫)を読み終える。1987年4月~1988年3月、2015年1月~4月の2度にわたってコロンビア大学の客員研究員としてニューヨークで暮らした際の経験をまとめた書物である。著者の行動範囲はマンハッタンを中心としていて、そこから大きく離れることはあまりないのだが、その分、マンハッタンで暮らしている有名無名の様々な人物との交流は濃密であり、興味深い。特に親しく付き合っている人物の多くが東アジア系であることも注目される点である。多少は身に覚えのあることだからである。

9月13日
 NHKEテレ「日本の話芸」で三遊亭圓丈師匠の『掛け算刑事』を聞く。数学的な話題が織り込まれた新作落語で圓丈師匠の才気が感じられる一方で、落語らしいおかしさというのがあまり感じられなかったのが残念なところである。

9月14日
 NHKラジオ「まいにちイタリア語」入門編に
Avete mai visto i masaici del Duomo di Monreale?
(あなたたちはモンレアーレのドゥオーモ(大聖堂)のモザイクを見たことがありますか?)
という分が出てきた。モンレアーレはパレルモ郊外の町で、ここの大聖堂は世界遺産に指定されているとのことであるが、カナダの大都市モントリオールをフランス語ではモンレアルと発音し(というよりも、この都市はフランス語人口のほうが多いのだから、モンレアルと呼ぶ方が適切だと思うのだが)、この両者には何か関係があるのかなと思って調べてみたところ、直接の関係はないが、ともに「王の山」という意味であることがわかった。

9月15日
 NHKラジオ「まいにちロシア語」の終わりの方を聞いていたら、ロシア人パートナーのアナトリーさんが好きな日本の果物がキンカンだという話が出てきた。実は私もキンカンが好きで、大学で卒業論文を書いている時に、干し柿とキンカンを買い込んでそれをかじりながら論文を書いたことを思い出した。

9月16日
 NHKラジオ「実践ビジネス英語」では”Defusing Bullying"(いじめをなくす)というテーマを取り上げ始めた。登場人物の1人が
I'm working on a campaign to prevent bullying. It's a major problem nationwide. Next month is National Bullying Prevention Month.
(私は、いじめ防止キャンペーンに取り組んでいるところなのです。これは全国的に深刻な問題です。来月は、全国いじめ防止月間なのですよ。)
という。1990年代に日本ではいじめが深刻な問題とされていた一方で、アメリカでは一部の問題と考えられていたという印象がある。英国では日本同様かなり深刻だったのに対し、ドイツではあまり見られないということであった。ところがその後様相が変わってきたということだろうか。

 本日の時事通信の報道によると、「教師蹴る小1、通行人暴行≂荒れる小学校、対応模索――問題行動調査」ということで、もはや<いじめ>の枠に収まりきらない子どもたちの暴力的な傾向の拡大と低年齢化が新たな問題となってきているようである。特に大阪府で問題が深刻で、「規範意識に乏しい子ども、自分の感情を抑えきれない子ども」が多いと指摘されているが、これは子どもだけの問題ではないという気がしてならない。

 NHKカルチャーラジオ「プロテスト・ソングとその時代 日本フォークの50年」は東日本大震災以後の反原発運動の盛り上がりの中で生まれ、歌われてきている歌を取り上げていたが、安全保障関連法案の審議が大詰めに差し掛かっているこの日に、この番組が放送されることには意味を認めるべきであろう。講師は、少し怖くなったのか、番組の最後で連続テレビ小説『アマちゃん』のテーマを流したりして、砂を掛けていたが、そのことが逆にそのほかの内容を強調する結果になったかもしれない。
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