日記抄(8月6日~12日)

8月12日(水)曇り

 8月6日から本日にかけて経験したこと、考えたことなど:
8月6日
 NHKカルチャーラジオ「文学の世界」『ボブ・ディランの世界を読む』はディランが彼の尊敬するフォーク歌手であるウディ・ガスリーからうけた影響と、そこから脱却して新しい彼自身の歌を創造していく過程を辿る内容で、聞きごたえがあった。初めのうちディランはガスリーのオクラホマ訛りをまねた歌い方をしさえしているそうで、そのあたりも聞き分けられたら面白いのだろうなぁと思った。

8月7日
 この日の投稿をもって、「たんめん老人のたんめん日記」の記事数は1,000に達した。ということは、次は1,001ということになるので、『千一夜物語』についての記事を書こうと思って参考文献を探したのだが、思ったような結果は得られなかった。

8月8日
 NHKラジオ「攻略!英語リスニング」は”The Brontë Sisters"(ブロンテ姉妹)を取り上げた。実は、彼女たちの作品の中で読んだことがあるのは、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』だけである。川本静子の『ガヴァネス』という本を読むと、19世紀前半の英国の文学作品に登場したもっとも有名なガヴァネスはサッカリーの『虚栄の市』に登場するベッキー・シャープと『ジェーン・エア』であったという指摘がある。ガヴァネスがこの時代の文学のなかで重要な役割を果たしたのは、それなりの社会的な背景があってのことである。”family isn't well off so the daughters become governesses or teachers(一家の暮らし向きは楽とはいえず、そんなわけで娘たちは住み込みの家庭教師や教師になった)というが、これは特殊な例ではなくて、ほかにも多くの似たような例があった。ブロンテ姉妹の場合で特殊だったのは、彼女たちが文学的な才能に恵まれていたということなのである。
 原作は読んでいないが、ウィリアム・ワイラーの映画『嵐が丘』は見ている。『ジェーン・エア』はジョーン・フォンティーン、スザンナ・ヨークの主演作、そして最近の映画化の3作を見ている。それぞれに印象に残るが、ジョーン・フォンティーンの主演作の中の霧の中でジェーンとロチェスターが出会う場面が忘れられない。

 似鳥鶏『昨日まで不思議の校舎』(創元推理文庫)を読む。相変わらず、主要な語り手である葉山君の語りのほかに、別の誰かの語りが混じるという、ある意味で不親切な構成で展開される学園ものユーモア・ミステリー。葉山君の通う蘇我市立高校のいくつもある同好会の中でもマイナーかつ得体のしれない存在である「超自然現象同好会」の会誌『エリア51』臨時増刊号が特集した「市立七不思議」が何者かに影響を与えたのだろうか? 突如休み時間に、七不思議の一つ「カシマレイコ」を呼び出す放送が流される。そんな女子生徒は、もちろん在学していない。さらにその日の放課後に、4カ所で発見された「口裂け女」を模したいたずら、さらに翌日には「1階トイレの花子さん」までが用務員室に出現した。なぜ、七不思議のうち、この3つが現われたのだろう? 葉山君、下級生の彼をおもちゃにしている前演劇部長の柳瀬さん、そして演劇部員のミノ君を主なメンバーとするイレギュラーな探偵団が捜査を始める。なぜ七不思議のうち、この3つが現われたのだろう? 捜査を進めるうちに、学校のOGでもある菅家先生が何かを知っているらしいことが分かってくる。彼女によれば、昔は「市立三怪」といわれていたそうなのである。しかし、真相はなかなか明らかにならず、もう卒業して、大学に進学している名探偵の伊神先輩を引っ張り出さなければならなくなりそうである。さて、どうなるか・・・。

 望月麻衣『京都寺町三条のホームズ2』を読む。この本で見つけた問題点についてはすでに、8月10日付の「『太平記』の周辺」で触れた。語り手の女子高生葵ちゃん、そのバイト先の骨董店の御曹司清貴君を中心に、その祖父であるオーナーの誠司さん、父親である店長の武史さん、第1作に取り上げられた事件の関係者でイケメンだがおっちょこちょいの俳優秋人君、葵ちゃんと同じ高校に通う親友である呉服店の妹娘香織ちゃん(姉のほうが今回は登場しないのがちょっと不気味)が引き続いて登場、今回はさまざまな美術品、工芸品の真贋が物語の主な核心となる。誠司さんの女友達の好江さん、元贋作作家の米山さんなど新しく常連になりそうな人物が登場する中で、注目すべきは清貴君のライバルになりそうな贋作家円生の出現であろう(ただし、シリーズもので、レギュラー登場人物をやたら増やしていくことは控えるべきではないかと個人的には思っている)。京都の名所を訪問する主人公たちの足取りを追って、それぞれの情景を想像しながら、ミステリの展開を少しさめた目で見守るのも一興であろう。

8月9日
 R.P.ファインマン『ご冗談でしょう、ファインマンさん(下)』を読み終える。コーネル大学の教授だったファインマンは、ブラジルを何度か訪問した後、カリフォルニア工科大学に移ることになる。日本を訪問して、日本式の旅館に泊まった思い出、湯川秀樹との交流などの記事も面白い。ブラジルでも日本でも異文化体験を楽しむファインマンであるが、寒い、雪の降る東部のコーネル大学よりも、温暖なカリフォルニアのほうがよかったようである。「実践ビジネス英語」のパートナーのヘザー・ハワードさんはコーネル大学の卒業生で、最終学年の時に近くのワイナリーを歴訪するドライブ旅行をした経験を楽しそうに語っていた(8月7日放送分)が、ファインマンにはそういう趣味はなかったようである。(ヘザーさんはアラスカ州の出身なので、寒さには慣れているということもあるかもしれない。)
 趣味といえば、ファインマンはブロンドの美人が好きで、そういう好みを隠さずに語っている率直さがこの人らしいのだが、ファインマンのようなユダヤ人でも、ブロンドの美人がいいというアメリカ風の好みに染まってしまうのかなと少し意外に感じた。アヌーク・エーメとかクレア・ブルーム(ともにユダヤ系)のような美人がいいのかな、と思うとそうでもないようである。

8月10日
 NHKラジオ「ワンポイントニュースで英会話」は今週、ABCニュースの一部の紹介の特集を放送するという。今回は”Take a Bow"(黒人女性初の首席バレリーナ)というニュースでニューヨークのバレー団で初めて黒人女性がPrincipalとなったという記事が放送された。彼女は13歳になってからバレーを始めた(極めて遅い)など異例尽くしのバレー人生を送ってきたのだが、今回この栄誉により、バレーの歴史にその名を刻むこととなった。これがどういう意味を持つのかを詳しく論じるほど、バレーに通暁していないのが残念ではある。

8月11日
 NHKラジオ「ワンポイントニュースで英会話」は”Fireworks fears"(花火で火災が多発)という記事を取り上げた。花火見物の浴衣姿の男女を見かけることが少なくない一方で、庭先で花火を楽しむ光景を見かけることは少なくなっているような気がする。

8月12日
 自動車の運転免許証の取り消しの申請に出かける。高齢者の講習を受けるのも面倒であるし、体の動きも悪くなったので思い切って取り消してもらうことにした。通知書を渡されるときに「ご苦労様でした」といわれたのだが、それはこちらの方でいうべき台詞ではなかろうかと思った。 
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