益田ミリ『47都道府県 女ひとりで行ってみよう』

3月9日(土)晴れ

 3月7日(木)、紀伊国屋書店渋谷店で購入、同日読了。同じ著者の『銀座缶詰』(3月3日に取り上げた)を読んで、もう少しこの著者の書いたものを読みたくなったのである。「日本には47都道府県もあるのに、全部行かないのはもったいないなぁ」と思って、2002年の12月から1月1都道府県というペースで続けた旅行の印象記。1都道府県ずつ丹念に旅行し、感じたことを記し、大雑把な費用の一覧と4コマ漫画がそれぞれの終わりに付け加えられている。都道府県の順序はまったくバラバラ、青森県から始まって、著者が現在住んでいる東京都で終わっている。日帰り旅行もあり、一泊旅行、あるいはもっと時間をかけた旅行もある。

 女性の1人旅ということで宿の確保が難しかったり、見知らぬ人と話すのが苦手らしい著者の性格も手伝ったりして、旅はいつも楽しいというわけではない。最初の青森県では「わたしの中では、太宰治と宮沢賢治は、絶対にごちゃごちゃになっている気がする」(13ページ)と正直に記す。予習十分というわけではない、かなり行き当たりばったりのところがある。それでも福井県の永平寺で修行僧の厳しい修行の様子を見た後で、「修行が済んだあとはどうするんだろう。このまま永平寺で修行をつづける修行僧もいるのかもしれないし、裕福な実家のお寺が待っている修行僧もいるのかも」(72ページ)という疑問を抱く。高知では横山隆一を知らずに、横山隆一記念まんが館に入るが、「漫画っていいもんなんだよ、たくさん読みなさい。/という雰囲気にびっくりしてしまった。ゆとりある高知市民なのである」(112ページ)と思い、自分のマンガもここで読んでもらいたいと書く(本当に作品を送ったのだろうか?) 和歌山県の旅では那智の滝を見てすっきりした気分になり、「嫌いな人からは遠ざかるのが身のためだ、ということを、ようやく学習した。人生には、別に嫌いな人間がいてもいいのだとも思う。嫌いな人の良いところを探して、騙し騙しやっていくより、嫌いは嫌いでいいやと思うと、大分軽くなる」(262ページ)という人生訓を引き出している。最後の東京では、東京大学の学生食堂で食事をして、国会議事堂を見学し、帝国ホテルでお茶を飲んでいる。その間はタクシーで移動。この選択が面白い。あとがきにかえて、帝国ホテルで一泊した経験が漫画にまとめられている。著者は酒を嗜まないようなので、帝国ホテルでお茶を飲むことを選ぶのだろうか。

 はじめは決心したものの旅をするのが心細い様子であったのが、次第に旅を楽しむようになっていくことが読み取れて興味深い。全体として、文章と漫画のメドレー・リレーというには漫画が少ない、文章を書くのに疲れるとちょっと漫画を描いてみるという感じだろうか。それも悪くないと思う。
 
 
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