書庫の見張り

2月15日(木)晴れ

書庫の見張り

ねずみは
本が大好きで
大好きで
大好きだといっても
本をかじるのが大好きで、
書庫の人間が気付かない
穴の奥から
機会をうかがっている

書庫の持ち主にとって
本は読むためのものだから
かじり取られては困る
本をチーズかジャガイモのように
かじり散らされては困る

そこで投入するのが
ねこ2匹
ねこには猫のカンがあり
ねずみの気配を嗅ぎ付けては
勇み立っている

本といえば
枕にして寝るだけだった
ねこたちが
大役に就く
それが大役だと思っていないのが
いいところ
ねずみが出ないように見張っていればいいのだからね――と
キャット・フードの袋をあける・・・
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年賀状

1月1日(月)晴れ、夕方、バスの車窓から富士山のシルエットが見えた。

年賀状

新しい年の
年賀状が届く
退職してだいぶたつのに
それでもかなりの年賀状が届く
元気で過ごしました――元気ですか?
相変わらずの暮らしです、暮らしに変化がありました、変化を求めています…
たいていは、年賀状だけで済ませる近況報告が続く

小学校以来の友人の年賀状がある
(本当だと幼稚園以来の友人からも来るはずなのだが
昨年末に身内に不幸があったと知らせがあった)
中学校時代の友人からも
大学時代の友人からも
年賀状が届く
不思議なことに
今の顔よりも
親しく付き合っていた時代の顔の方が浮かぶ

大学で教えていたころの
教え子からの年賀状もある
かろうじて年賀状だけで
師弟がつながっている
思い出すのは
学生だった頃の顔だ
彼らも校長になったり教頭になったりしているが
どんな年賀状をもらっているのだろうか
そして自分の教え子たちのどんな顔を思い浮かべているのだろうか

少しずつ数は減っているが
まだまだ御存命の先生からのお便りもあるし
先輩からの年賀状もある
親友も腐れ縁の仲間も
まだまだ年賀状をよこす
誰についても彼についても
昔の顔を思い出す
仲良く付き合っていたころだけでなく
反目したり悪口を言いあったりしたころの
顔も思い出す
それでも切れていない
縁の強さ、太さをかみしめる

これからどうなるか

12月26日(火)晴れ、かなりの部分が雲で隠れてはいたが、富士山がバスの窓から見えた。

これからどうなるか

十五、十六、十七と
私の人生、暗かった――という
藤圭子さんの歌が流れていた頃、
二十五、二十六、二十七と
私の人生、やはり暗かったと
サラリーマン漫画の主人公の
ショージ君は自嘲していた
その頃の気分は圭子さんよりも
ショージ君に近かった

三十五、三十六、三十七と
働き盛りであったはずだが
自分の得意も不得意も
好きも嫌いもお構い無しに
押し付けられた仕事を
こなすだけだった 
四十五、四十六、四十七と
やはり仕事に振り回されて
年をとってきた

そして五十五、五十六、五十七と
仕事を勤め上げて 退職し
六十五、六十六、六十七と
年金生活を続けてきた
藤圭子さんのように生き急がずに
ショージ君のように細く長く生きてきた
でも、それもどこまで続くか分からない

来年は数え年で七十四だ
ということは、
七十五、七十六、七十七が
これまで同様に続くのだろうか
それも分からない
不透明な未来の不透明さを
不自由に思いながら
また年を越すことになりそうだ

【付記:本日は小川剛生『兼好法師』の第4回を掲載するつもりでしたが、自宅のパソコンの調子が悪く、詩のほうが入力に時間がかからないので、こんな詩を載せてみました。そんなこんなで、こちらから訪問できるブログの数がいつもより減るかもしれませんが、あしからずご了承ください。】

あっという間に

12月10日(日)晴れ

あっという間に

あっという間に
12月になり
うろうろしている私をしり目に
陽気に来年の予定を話している声を聞く
私はといえば
ノートに日付を書くときに
まだ11月と書き間違えたりしているのだ

時間の流れの速さに
ついていけずに
だらだらと時間を過ごし
昨日を引きずりながら
朝、目をさまし
そのくせ、夜になると
明日のことを考えている

時間を限っててきぱきと
仕事を進めることができないのは
年を取ったせいに違いないが
時間とのんびり付き合っていくことも
できない相談らしい
「不死吟」を詠んだ
田能村竹田にも死は訪れた
どこまでも意地悪に
時間は過ぎてゆく

バスを待っていると

10月18日(水)晴れのち曇り

バスを待っていると

バスを待っていると
反対方向から
バスの中でよく見かける人が
坂道を上ってきた

何日か雨が降り続いていたが
今日は久しぶりの青空で
日差しを楽しむように
ゆっくりと坂道を上ってきた

声を掛けようかと思ったが
たぶん、向こうはこちらの顔を知らない
唐突に声を掛けられて
びっくりするだけだろう

バス停でそんなことを考えている
私には気づかずに
その人はゆっくりと
盲導犬と一緒に
その人はゆっくりと
前を通り過ぎていった
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