ジュゲム

6月13日(火)朝のうち曇り、昼前から雨が降り出す

ジュゲム

Je t'aimeじゃない
寿限無
ジュゲムジュゲムゴコウノスウリキレ…
まだまだ続く
落語に出てくる 長い名前

ジュゲムは寿限無
ゴコウは五劫
劫というのは訳が分からないほど長い時間で
それが五つだからもっともっと長い時間
スウリキレは擦り切れだとも、数理きれずという意味だともいう

新しく生まれた赤ん坊に
名前を付けようと
父親が和尚さんに相談する
和尚さんは寺にあるお経やそのほかの本を探して
いろいろな名前を提案する
子どもが長生きするように
縁起のいい名前を全部つけてしまいましょう
そうして子どもは長い名前をもつようになった

寿限無が少し大きくなって
喧嘩をしては相手の子どもを殴って
こぶができる
子どもが寿限無に殴られたと文句を言っているうちに
名前が長くてこぶが消えてしまったという
お噺

親の子どもへの愛情は
時々暴走する
江戸時代は子どもも多かったが
その一方で子どもの多くが短命だった
長い名前に長生きの願いを託したことを
笑うわけにはいかない

子どもの数が減ってきただけでなく
その少なくなったなかで
将来は暗いと思っている子どもが多いという
改めて寿限無を思い出し
笑いをとりもどして
将来のことを考えよう
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うしろ姿

6月2日(金)晴れ、気温上昇

後ろ姿

だらだらと続く
坂道がひとまず落ち着いたところにある
バス停に降りて
歩いてきたらしい
君の後ろ姿を見かけた

買い物袋を手に下げ
しっかりとした足取りで
背の高い君が
これからまた上がって行く坂道を
ゆっくりと遠ざかっていく

まだまだ仕事も抱えているし
家事も時に分担しているらしい
たくましく忙しく過ごしている君だが
後ろ姿にはやはり
老いが追いついてきている

自分の後ろ姿は自分には見えない
そんな思いに駆られて
自分を見つめなおす
あるいはすでに
老いに追い越されているかもしれない
自分自身について考える

神奈川の宿

5月12日(金)晴れのち曇り

神奈川の宿

五十三次の
神奈川の宿を描いた
広重の絵によれば
道端の茶店の向こうは
すぐに海だった

弥次喜多は
茶店の娘をからかった報いで
腐った魚を食べさせられたが、
眺めはなかなかよくて
安房、上総が遠望できた

60年ほどの昔
私の子ども時代にも
もう少し高いところからだと
安房、上総が見えたものだ
埋め立てと高層建築の建設が
海を遠くに引き離し
遠くが見えない都会を作り上げた
60年の変化は
その前120年の変化よりもはるかに大きかった

広重も
弥次喜多も想像できない
街並みを通り抜ける
知識という散文的なものの
助けだけを借りて
旧東海道の
神奈川の宿を通り抜ける

詩の魂は突然の来訪者

5月5日(金)晴れ

詩の魂は突然の訪問者

君は突然の訪問者
やってくるなり
私の背中をひっぱたいて
笑いながら去って行くかと思うと
私の傍らで
何も言わずに
泣いていたりする

君と向き合っていると
自分が愚かに思えたり
急に賢くなったと思ったり
恐怖におびえたり
その恐怖を克服する勇気をもらったりする

君の言葉の中で
あらゆる哲学が
無意味に聞こえる
ストアの哲学も
エピクロスの哲学も

詩の魂は気まぐれな
突然の来訪者
待っていても来ないし
待っていないときに来ることもある
どうやってその機嫌をとるか
たぶん誰にも分らないだろう

猫の歴史

4月27日(木)曇り時々晴れ

猫の歴史

昔、我が家の縁の下に
のらの雌猫が住み着いて
何度かお産をした

どこまで気持ちが通じていたのかは
わからないが
だんだんお互いに慣れ親しんできた
とくに母親同士が仲がよかったようだ

そのころは、我が家の周辺に
野良猫がたくさんいて
飼い主の方針で
自由を謳歌している家猫も交えて
にぎやかに暮らしていた

ときどき
我が家のトタン屋根の上で
猫たちが集まっていたようで
夜になると
大きな音がしてびっくりしたものだ

野良猫が最後に生んだ
子どもを引き取って飼い猫にした
この子を頼むと親猫がいったと
母は主張していたが、本当にそうだったのだろうか
その子猫が大人になり年寄りになり死んでから
我が家では猫を飼わなくなった
ご近所の猫もだんだんと姿を消した

それから年月が経って
我が家も2度ばかり改築をしたし
ご近所の家も
代替わりをしたり
改築をしたりした
犬を飼っている家もあるし
猫を飼っている猫もある

我が家でも猫を飼っているし
猫を飼っているご近所の家は少なくないが
表を走り回る猫はいないし
夜に寄り合いを開くこともないようだ

我が家の猫を膝にのせながら
おまえは運がいいのか悪いのか
自分ではどう思っているのかと
問うている

昔だったら、
表を走り回って
喧嘩もしたし、危ない目にも会っただろうが
猫の大好きな自由を謳歌したはずだ
家の中を走り回っては
餌を食べる そんな生活に満足しているのかと

そんな問いはどうでもいいよと
いうふうに
膝の上で
ゴロゴロと甘えている
猫の歴史は猫自身には綴れない
(もっとも、そう思っているのは人間だけかもしれない…)
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